あれ?
皆さんお久しぶりです、受験が合格して晴れて4月から高校生です。
受験が終わったのでまた更新が再開できます。
短くて済みません。
感想をくださった方々ありがとうございました。
現在昼休み。
一哉と一緒にお昼を取っている。
「まさか、こんな近くに同志がいるとはびっくりした」
「そうだね。学校内に夜夏のファンがいるとは思わなかったよ」
今日はボーっとしすぎてお弁当を作っておらず、さらには財布まで忘れてしまう始末。自分でもどうしたんだろうと思う。
今食べているのは一哉のパンを少し分けてもらっている。
弟はおそらく購買だろう。
「それにしてもごめんね、一哉君パンもらちゃって、今度お弁当作ってくるから」
「別にかまわねえよ、同志と楽しい会話ができてんだからよ。あ、それで今度のライブ行くか?」
唐突に出てきた質問。
正直言ってどうやって対応をしようか迷ってしまう。
「うん、行くよ。一応チケットも持ってるし」
実際に一番前の真ん中の席のチケットを椎名さんから無料でもらっている。
曰く、「気に入ってる男子がいたら舞台上の自分を見てもらいなさい」とのこと。
「場所は?俺は真ん中の真ん中、そこそこいい席なんだけど」
「真ん中の一番前の席だよ」
「えぇっ!?あの販売開始3秒足らずで必ずなくなるというあの伝説の!」
伝説だったんだ……驚きだねものすごく。
「……よかったら交換しようか?今日のお礼ってことで」
「いや、いや、いや。ちょっと待て、209円(税込)のパンと交換なんて恐れ多い」
「なんだかキャラ崩壊してるよ一哉君」
キョどりながら返事をするのがおかしくて笑ってしまう。
「笑うとかひどくないですか、カオルサン」
「ごめんね、おかしくって」
笑いすぎて涙が出てきた。
目を拭くためにメガネを外し、ハンカチで涙をぬぐう。
「あ、」
私の顔を見て一哉が間抜けな声を出す。
メガネをかけなおして指摘を入れる。
「どうしたの?私の顔に何かくっついてる?」
そんな私に予想外の言葉を投げつけてくる。
「いや、なんかさ薫って可愛いなと思って」
その一言で自分の顔の体温が上がっていくのがわかる。
「バーカ、天然ジゴロ、隠れ美形!」
自分で何を言ってるのかわからなくなる。
「なっ!最後悪口じゃなくなってんじゃねえか」
「弟以外同年代の男子に可愛いとか言われたの初めてなんだよバーカ」
「……そうなのか?割と本気でそう思うんだが」
そしてさらに自分の体温が上昇していく。
中学時代にもらったラブレターにだってかっこいいとか綺麗と書かれてただけで可愛いとか言われるのには慣れてないんだよ。
「落ちろリア充、破ぜろ美形、天然ジゴロ―!」
「落ちつけ落ちつけ、やっぱり最後の関係ないじゃないかよ」
「恥ずかしすぎて死ぬ。彼氏いない歴=年齢のまま恥ずかしすぎて死ぬんだ私は、そして新聞の一面を奇行少女で飾られるんだ―」
「……はぁ」
ため息をついてないでくれ。本気で恥ずかしいんだ。
取りあえず私は屋上を逃げ出した。
後ろから聞こえてる声なんて気にしてらんない。
同志だったとしてもそう異性同士なんだから……
あれ?
異性?
これじゃまるで完全に思考が――
――女の子になってるみたいじゃないか――