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屋上とMP3

感想ありがとうございます。


 一哉の時間を奪ってしまってしばらく、

 今は一哉に背負われて家に向かっていた。

 真也は荷物持ちである。

「ごめん、一哉、真也」

「気にすんなよ姉さん」

「その通りだ薫」

 あっさりと返されて非常に不服である。

 今までは肩に手を置き、ある程度離れてのっかていたのだが、首に腕をまわして密着状態になる。

「なっ、ちょっ、薫!?」

「うるさい、黙れ、怠い」

「はい、はい、やさぐれない、やさぐれない」

 そう言いながら真也は笑っていた。





 翌日、風邪から復活し、いつもどうりに生活を始めてた。

 勉強をして、弁当を食べて話をして、と。

 ―――のはずだった。

「新聞部部長の佐々野です、先日のウォークラリーの歌姫を探しているのですがご本人、もしくはそれについて何か知っている人はいませんか!」

 昼休み、新聞部が大スクープだとか言って色々と歩き回っていた。

 その人は美青年と言うのがあっているのだろうか、活発そうだけとある意味草食系のイメージを持たされる少年だった。

 こちらにしてみれば迷惑以外の何物でもない。

 私はおとなしく自分の分ともう一つのお弁当を持ち、屋上へ向かおうとしたが、

「そこのキミ!何か知らない?」

「知りませんよ。昼食をとりたいので退いてください」

 新聞部の部長さんを無視して屋上へ向かった。

 屋上に行くと、やはりいつものようにフェンス際で一哉が音楽を聴きながらパンを食べていた。

「一哉、昨日は助かったよ。ありがとう」

「復活したようでよかったぜ」

 いつもは正面に座り話ながらお弁当を食べるのだが今日は横に座る。

 何故そうしたのかは分からないが、なんかそうしたかった。

「もうパン食べちゃってるぽいけどよかったら食べて」

 自分のお弁当より一回り大きいお弁当を渡す。一哉と同じサイズの弁当だ。

「……もらっていいのか?」

 一哉が耳からイヤホンを取り、本当なのかと言わんばかりに訪ねてきた。

「食べてもらうように作ったんだから気にしないで。………食べられないんだったら別に食べなくていいよ」

「いや、ありがたく頂く。食べ盛りの高校男児にはうれしいもんだからな」

 受け取ってもらえたので自分のお弁当に手を付け始める。

「…う、うまい」

「それは私の家事スキルが低いと思ってたってことでいいのかな?」

「違う違う、真也はよく弁当食ってるからそれなりにうまいとは思ったんだが、母さんより料理が上手かったからさ」

 過去に一度椎名さんの手作りのお好みやき食べさせてもらったけど、結構おいしかった覚えがある。

「とりあえず、褒め言葉と言うことで受け取っとく」

「そうしてくれ」

 今日も和やかに終わる筈だった。




 放課後、一哉にバイトの予定が入っている時以外はウォークラリー班、と言うかいつものメンバーで帰るのが当たり前だ。

 今日はバイトがないらしく、一緒に帰っていたのだが、

「…屋上にMP3プレイヤー置き忘れたっぽい、取ってくる」

「私も行く」

 新堂ラバーズの中に居られる自信がなかったので一哉を追いかけた。

 全力ダッシュであったが本気を出せば追いつくスピードだった。

 昨日のケンカと言い、やはり一哉は何か武術を習っているのだろう。

 玄関で女子に告白している男子を横目に屋上を目指した。

 屋上に行くとイヤホンを耳に当て、目を閉じて心地のよさそうな表情をする美青年がいた。それでも絵になるので少々苛つく。

 確か名前は佐々野だったか。

「おい、人のもんで何してんだ?」

「わぁっ、これ君のだったんだね。ごめん、屋上に来たらMP3プレイヤーがあって持ち主を確認しようとしたら、知ってる曲があって」

 そのいい訳に対して一哉は佐々野の目をじっと見て、

「同志よ」

 手を出した。

「は、はい」

 予想を超える反応だったので私もポカンとする。

 佐々野は差し出された手を握った。

「お前、夜夏がわかるのか!」

「え、ええとと言うよりも一昨日のウォークラリーで最初に題名を言ってから歌ってたのを聞いただけで、夜夏と言う人のことは初めて知りました」

「そうなのか……」

 あからさまに落ち込む一哉。

「で、でも3曲ほど聞かせていただきましたがどれもいい曲でした」

「だろ!」

 復活。

 その間およそ3秒足らず。

「つう訳で、返してくれ」

「はぁ、」

 MP3プレイヤーを返してもらい上機嫌で帰ろうとしたのだが、

「お二人ってお付き合いしてるのです?地味カップルみたいな感j―――」

 佐々野の一言で残念なことになった。

 一哉が振り返り、思いっきり佐々野の腹を殴った。

 しかも肉の薄い殴られると結構痛いところを殴った。

 脇腹の骨折れてなければいいんだろうけど……。

「俺のことは別に地味だろうがなんだろうが別にいい慣れてるからどうでもいいが、自分お勝手な思い込みでそういうこと言ってんじゃねえよ。言っていいことと悪いことがある。もうちょっと考えて行動しろ。行くぞ薫」

 手を引かれ、そのまま帰って行った。



 これより大きな問題が起きたのは翌日のことだった。


微妙な長さになってしまいました。


次回への布石と言うことでご勘弁。


なんか薫ちゃんが乙女な路線に行き始めているようです。

どうなんだろ、キャラが定まんない…(泣)

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