フラグと王様ゲーム
速筆かつ、眠い状況と戦い書いたので変なテンションになってると思います。
結果を言えば文句なしの合格。
そこから残り四分の一の道のりで二人に再会し、南雲が足をひねって新堂がおぶって行ったのはご愛嬌、と言うか王道。その後も新堂と一哉の活躍により、大量のクエストクリア。
そして肝心の結果は優勝。私はレクリエーション特別賞を個人的に理事長本人から頂いた。商品は理事長プロデュースの化粧品一式。なんでも結構なお値段するらしい。その中に香水があったのだが割と好きな匂いだった。
そして少し後悔している。ステージでは思いっきり目立ってしまった、と。
程よい緊張が自分のテンションを上げてしまったのも関係あるのだろう。
子河豚荘に入ったら速攻、メイクを落としたりして通常モードに戻った。
何故そんなことを気にしているのかって?
「さっきのライブの人見た?すごく綺麗だったし、歌上手だった!」「あれ見れなかった人残念だよねー」「あの後ろの人もかっこよくなかった?」「言えてるー」
などと現在、子河豚荘一階広場にて講義がされているからである。
正直、かなり居心地が悪い。
と、思った直後、後ろに、
「ちょっといい?八十一さん」
そこには先ほどからちょくちょく出てくる理事長こと、佐々雅春香さん。歳は40代の女性で見た目はとても若々しい。美魔女と呼ばれる部類の人だと初めて見たとき悟った。なんでもこの人も一人息子がいるだとか。そして以外にも椎名さんと仲がいいとのこと。
理事長のへ小走りで向かうと、一室に連れ込まれた。
「どうしたんですか、理事長」
「理事長はやめてっていてるじゃない薫ちゃん」
急にフランクになる理事長。
曰く、仕事とプライベートはきっちり分ける!だそうだ。
「はぁ、春香さん。なんの御用でございましょうか」
「かーたーいー、薫ちゃんがつーめーたーいー」
…いかにも子供っぽい台詞を吐く理事長もとい春香さん。
だがそれが不思議と似合うアラフォー。
「冗談はその顔だけにしてください」
「酷い!夫にもそんなこと言われたこと―――あるわ」
「あるんですか!」
なんでも、結婚してから早くも20年たっているのだがまるで変わっていないと、一度本気で疑われたご様子。
「そろそろ本題、なんでここに呼んだってゆうと――――」
急にシリアスな空気を出す春香さん。
思わず唾を飲む。
そして、
「私、娘がいないから可愛い女の子の成分がとりたかったのよ~」
思わずずっこけそうになった。
危ない、危ない。椎名さんと完全に同類だこの人。
「それだったら南雲さんとか、沙月さんとか、もっとかわいい人いるじゃないですか」
「え~、みっちゃんのお気に入りの薫ちゃんだからいいんじゃない。私個人的な良し悪しもあるけど」
ダメだ、やっぱり椎名さんと同類だ。
何言っても聞かない人だこの人。
「嘘よ、嘘。居心地が悪そうだったから呼んだだけ。それとも迷惑だった?」
「……いいえ、実際その通りですし」
「そう?ならよかったわ。それと私が個人的に決定したことで夜10時以降は露天風呂、貸切にしてあるからよかったら入って頂戴、私は急な用事でいったんここを立って会社に行かないといけないの」
「……ありがとうございます、お言葉に甘えて使わせていただきます、それとここを出るのでしたらそろそろ失礼します」
そして速やかに退散した。
なんか椎名さんと同じオーラを出し始めてたから。
「そういえば、みっちゃん息子にも同じこと言ったの忘れてた。まぁ、みっちゃん息子への特別賞と言うことで」
薫が出た直後、こんなつぶやきと個人成績表に一位、深雪一哉と書かれた紙があったのはきっと一哉本人も知らない。
結衣と南雲が男子の部屋に行き、その際何故か私も連行され、トランプを開始されていた。それから早一時間、現在9時。消灯時間は10時である。
そして今、王様ゲームが行われようとしていた。
メンバーは班の人+愚弟。班は一緒になれなかったので参加。
と言うか男子の一室が一哉、新堂、真也だったからである。
「王様だ~れだっ!」
栄えある一回目の王様は南雲。
「2番が私を抱きしめてください」
「…僕か」
もちろん2番は新堂。
南雲はとても笑顔になった。
今度は結衣がそれをやり、同じような感じになった。
その後もほっぺにちゅーとか、髪をなでるとか髪をとかすとかやってた。
そして、次の王様が新堂。
こいつは何を仕出かすかわからない。
「ん、じゃあ、3番が6番に5分間、膝枕」
…3番、私だ。
えっと、6番は……真也か。
「ほら、真也」
真也はそういうお年頃なのかなんだか戸惑っていた。
なんだか顔に汗が流れている。
「大丈夫か?真也」
「だ、ダイジョウブデスヨ」
体の動きがカタカタしながらもゆっくりと膝枕をしてくる。
するとさらに汗が流れている。
そして心なしか一哉の目つきが怖い。
「大丈夫か?歯がカタカタ言ってるが、布団で寝たほうがいいと思うんだが」
「シンドウクン、ボク、タイチョウ、ワルイ、ネル」
先ほどのカタカタ具合が感じられないほど高速で布団にもぐりこむ真也。
「……じゃあ、次やろっか?」
そしてトランプが1枚へり、また始まる。
そしてまた南雲。
「そうですね、私だけが楽しんでも意味がないと思うので、2番が3番のラップ越しにキス!しかもおまけで10秒」
「「……ラップがないだろ」」
一哉と私の言葉がシンクロした。
つまり、私と一哉なのだろう。
「ありますよ?」
思わぬ伏兵にして幼馴染の結衣。
「なんでそんなものを持ってるの!」
「キッチンでコックさんに借りた」
なんで貸したんだコック!私はあんたを恨むぞ!
「や、やらないといけないのか?」
『王様の言うことは絶対!』
予想外にも私と一哉以外ノリで言った。
ふざけるな。口車に乗るな、そしてなんでお前は起きている真也。
…諦めるしかなさそうだ。
すごい目つきで見てくんるのだもの。
なんで興味津々な感じで見てるんだ真也。
「……一哉、犬に噛まれたと思ってくれ」
覚悟を決め、ラップを適当に切り、口に当て、ラップ越しにキスをする。
座った状態でするから私が一哉の肩に手を置いて距離を縮めて行く。
これはノーカウント、これはノーカウント、これはノーカウント。
冷静になるためにほかのことを考える。
ラップ越しに感じる少し硬い唇とか、舌が歯に当たってなんだか変な気分になったり……
「しゅ、しゅうりょ―」
顔を真っ赤にした真也が終わりのコールをかけ、思考が元に戻った。
そして離れて膝立ちの状態になりラップを外した矢先、
「!?」
そして何故か愚弟がシーツで足を滑らせて、一哉の背中を生きよいよく押した。
その正面には私がいる訳で―――
私の胸に一哉の頭があたり、そのまま押倒されてしまう。
「か、一哉、退いてくれ。さすがに恥ずかしい」
私の顔は多分、いや、確実に真っ赤だろう。
すごく変な気持ちに襲われながらも震える声で告げる。
一哉はマッハで離れ―――
「……悪い頭冷やしてくる」
「私も、消灯時間近いから部屋に戻る」
微妙な空気のまま、王様ゲームは幕をとした。
私は部屋に戻り、着替えを持って大浴場に向かった。
次回、何かが始まる予定(仮)




