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5月の学校行事その1

今回は数部に分けて書いていきたいと思います。

ようやくイベントらしいイベントが始まってきました!


感想ありがとうございました。


 ゴールデンウィーク初日――はライブだった。

 今はゴールデンウィーク3日目。

 今年は土日から重なり計5連休となった。

 そんな中、私立佐々雅高等学校のイベントの一つである校外宿泊レクリエーションに来ていた。

 このイベントは一ヶ月たったがまだクラスに馴染めてない人がいるだろうと企画された行事である。

 バスに乗り隣の県の山の中『子河豚荘』と言ううちの高校が所有する合宿施設でもあるその場所に一泊二日でレクリエーションが行われる。

 一日目はもっぱらウォークラリー。2日目は班ごとに分かれて遊園地だそうだ。

 遊園地の入場料は理事長もち……まぁ、その遊園地も理事長が運営してるんだからそれもそうだ。ただし、園内での食費は自己負担。

 そんな訳で午前4時30分バスに乗り学校を出発しようとしていた――




 一番最初の決め事と言えばバスの席順である。

バスは学年混合で、入った人からドンドン自由に座っていく仕組みなのだが、

 案の定、新堂は一番後ろで結衣とお嬢様のような子に挟まれていた。

 まあ私は後ろから4番目と言うすぐ後ろにタイヤのある酔いやすい席だった。

「隣良いか?」 

 そう声をかけてきたのは一哉だった。

 手にはMP3プレイヤー。音楽好きなんだね。

「別にかまわない。結衣と一哉位しか親しいものがいないから見ず知らずの奴よりはよっぽどマシだ」

 彼はすこし喜ぶような顔をし、すぐに傷ついたような視線を向けた。

「はは、冗談だ。すごくうれしいよ」

 実は昨日、一昨日のライブのことを真也に根掘り葉掘り聞かれ、CDを聞かれ、カラオケをしに町へ繰り出し――と言う感じであまり寝てないのである。

 隣が一哉なら普通に寝れるだろう。これが別の人、ましてや男子だったらと思うとなんか嫌だった。

「んじゃ、遠慮なく」

 それから他愛のない世間話をし、やがて睡魔に負け、気が付かぬ間に寝てしまっていた。

 



 高速道路で移動してたので途中パーキングエリアによる数分前に目が覚めた。

 まっすぐ横を見ると一哉の姿がなく、上の荷物を取ろうとしたとき、膝に一哉の頭が乗っていることに気が付いた。

 こうしていると真也が小学生の頃母さんに膝枕をせがんでいたのを思い出す。

 自然と手が動き頭を撫でていた。

 すると気持ちよさそうな声が聞こえる。

 思ったより髪が柔らかい。きっと椎名さんの言いつけでもあるのだろう。

 こうやって同年代の子の頭を撫でたなど経験上無かったのでついつい夢中になってしまう。

 周りがうるさい中、ちょっと得した気分だった。

 パーキングに入りバスが止まるとその振動で一哉が起きた。

「よく眠れたか?」

「すごく寝心地がよかった――って悪い!?」

 勢いよく頭を膝からどかす。

「別に構わないさ。別に嫌な相手だったら叩き起こしている」

「いや、でもな…」

「納得できないんだったら、急なお願いだったのにドラムをやってくれたお前へのご褒美だと思ってくれ」

 すると顔を真っ赤にして急いでバスから降りて行った。

 ふと思い出す。

「愚弟に朝飯を渡してやらないと」

 


 時刻7時20分。バスの中。

 パーキングでお茶を買い、何故か朝早くからやっていたお好み焼きを食べていると、

「なんだが物足りなそうな顔だな」

「新堂に引っ張られて大変な目に会ってそんなに飯食えてないんだよ」

 幼馴染はつらいぜ、と愚痴をこぼす。

 少し分けてやるか。

 お好み焼きを一口サイズに切り、

「ほら口を開けろ」

「ん?あー」

 口の中にお好み焼きを箸で運んでいく。

「どうだ?私的には上にのっている揚げ玉との相性がとてもあってると思って――大丈夫か?一哉」

 声をかけるとゆっくりと口を閉じ、味わって食べていた。

 そんなに美味しかったのだろうか。 

 またお好み焼きを一口サイズに切り、

「はい、あーん」

「……」

「どうした?食べないのか?」

「……」

 無反応だったので自分で食べる。

 すると一哉の顔が真っ赤になっていた。

「本当にどうしたんだ?先生を呼んだ方がいいのか?」

「いや、違うんだ……その……だな…」

「?」

「か、間接キスになってないか?」

 ……間接キス。

 仮にAの人が使った箸をBの人がそのまま使えば成立するような、読んで字のごとく、間接的にモノを通してしまうあれ。

 つまり私が今それをしたのか?

 恥ずかしい。

 たぶん私の顔はすごい勢いで赤くなってきているだろう。

「ご、ごめんなさい。私が使った箸で…なんとゆうかその、嫌だっただでしょ?」

 なんだか最近の私は気が弱くなると女子のような口調になってしまう傾向にあるようだ。

 なんで冷静に分析してるんだろう。

「……何って言えばいいんだ、その、役得だったと思う。ごちそう様」

 思わず吹き出してしまう。

 予想をななめ45度上回った反応だった。

「な、笑うなよ。こっちは恥ずかしくてだな…」

「ごめん。予想と違って、ちょっと笑ちゃったんだ」

 気まずい雰囲気にはならず楽しい状態のまま『子河豚荘』に向かって行った。

 

次はウォークラリー。

イベントの宝庫ですよね。


暴走もほどほどに頑張ります。

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