プロローグ
ジミたがり屋→目立ちたがり屋の逆。
とにかく地味でいたい人のことをさす。
とある都内の高等学校の避難訓練。
ただの避難訓練のはずが実際に火災が起きてしまい多くの生徒がパニックになり時間が過ぎようとしていった。
その中で一人、冷静な少年がいた。
冷静に状況を理解し、先生と協力し一人一人生徒を外に出していき先生と一緒に外に出ようとしたときに頭がふらっとして意識はなくなった。
その翌日の新聞には、
「○○高校生徒会長は英雄となった!?」
と大きな文字で取り上げられた。
――○○高校の生徒会長○○△君は生徒たちが混乱し、避難が困難になっている中冷静に指示をだし、先生方と協力し、生徒たちを無事に避難させた。だが、その本人は一酸化炭素中毒で亡き人となった。彼の葬儀には多くの生徒がでて場の涙は止まることはなかったという。
――担任の先生は「あいつはいいやつだった。いつも自分は2番目に考えて他の奴のことを考えて行動してた。生徒会長になったのも支持率100%全員が望んだ人望のある奴だった」と、クラスメートも同じように語った。彼は周りの人の心に残り、忘れられることはないだろう。
そして、数年後の再建された高校の生徒会室には彼のことが載った新聞が飾られ、二度と火災は起きなかったという。
…なんだこれ。
「君は『善』と一般的に言われることをした。だが私的には運命をずらされてイライラしている」
…なんなんだ。
「これを管理するのって案外面倒なんだ。あ、キミの魂の寿命もかなり残っている。俗に英雄だのヒーローだの言われる君にはそれなりのものを与え、次の来世を頼んでもらうことにしよう」
…来世?新手の宗教か?
「ま、僕に面倒なことをさせた君には少しだけ神の悪戯を加えよう。それでは、『神のご加護があらんことを』」
何か引っ張られるような感覚がした。