目覚め
まだまだ未熟な文章力ですが、どうぞよろしくお願いします。因みにこれが初投稿作品です。
惨敗、全滅、滅亡、この三単語が頭を掠めた。
辺りは一面燃え上がり、さながら最終戦争ラグナロクの様だ。熱気が体を伝う汗の効力を無にしてしまう。見渡しても味方は一人も立っていない。いや生きてすらいないかもしれない。
ただ白い巨人が眼前に立ちはだかっているのみだ。
その双眸が俺を見つめた。無機質でありながら動きが生々しい。
まぁ人がこれを操っているのだから当たり前か・・・
俺の武器は刀一振り。既に幾多の巨人を屠ってきた。もちろん一人で、では無いが
巨大な手のひらがこちらに向かって開かれる。中心にある人一人ほどの大きさの穴から緋色の光が漏れ出す。そして幾千、幾万の命を奪った光が再び大地を抉る。
だがそこに俺は居ない。足を青白く光らせ、深紅の大地を駆け抜ける。巨人の足が動き出す直前にアキレス腱に相当する部分を足と同じく青白く光る刀で切り裂く。血では無いが真っ赤な液体が噴出する。膝を突いて体勢が崩れた隙にもう片方のアキレス腱も切り裂く。
完全にバランスを崩して巨人が屍の山に倒れ込んだ。
パキッ
それが俺にとっての撤退命令だった。愛用の刀が砕け散ったのだ。
俺は屍に身を隠しながら巨人達の間を走り抜けた。
誓歴2300年8月10日、真夏の暑い夜のことだった。
誓歴2301年1月1日
この祝うべき日を僕ら難民は凍てつく峡谷で過ごすことになった。峡谷で平原よりかはマダましな風に煽られながらもなんとかテントを張り、僕らは火をおこした。
「寒いよレン」
僕の隣で弟が身を寄せてくる。僕のそれよりずっと小さな肩が小刻みに震えている。でも僕には寄り添うことしか出来ない。
「兄さん。これから僕らどうなっちゃうんだろう?」
だから自分より強い人に頼る。
「きっと助かるさ、さぁ今は寝ておきな」
兄の声は優しく、手は頼もしい。でも兄にも両親を護ることはできなかったのだ。
戦争が起きたのは知っていた。でも僕ら開拓民には関係ないと思っていた。確かにずっと平和だった。そう確かに平和だったのだ。姫が開拓民の村に逃げ込むまでは・・・
「早く姫を出せ!」
だが誰も姫の居場所など知らなかった。事情を聞いてすらもらえず、僕らの村は蹂躙された。覚えているのは父と母が囮になって死んでしまった事と白い巨人に対する恐怖。
なんとか生き延びた僕たちはそこら中で同じ目に遭わされた人々を見かけた。皆一様に青白い顔をしていて、まだまだ子供なのに髪の毛が真っ白になっている子も居た。
ともかく訳が分からなかった。今の今までただ兄に着いてきただけだ。
だから兄言われて直ぐに眠る。
どうか明日は良い日であるようにと祈りながら・・・
翌朝の空は非常に晴れ渡っていた。僕たちは無事峡谷を越え、別世界のように気候の穏やかな隣国にたどり着くことが出来たのだ。
どうもこの辺りには人が住んでいないらしく僕たちは新たな生活を始めることができた。
とりあえずはテントを張り、仮の住まいとした。
周辺には川があり、森もあった。思えば何故こんな所に誰も住んでいないのか?と疑問に思うべきだったのだろう。
僕たち兄弟は森に遊びに行った。木々が繁り鳥たちが囀る。まさに天国だった。
だが森の奥で僕たちは見てしまったのだ。人相の悪い男達が人の死体を薪にして踊っている様子を
そしてこっそりと離れようとしたとき弟が見つかってしまった。
男達は僕たちを縛り上げ程なくして他の難民達も連れてきた。女や子供だけだ。男達がどうなったかは見当が付く。
その後の事は今でも悪夢となって僕を蝕んでいる。
兄と弟は僕より先に連れて行かれ目の前で新たな薪となった。
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
それが自分の発した音だとはその時分からなかった。全身が青白いベールに包まれたように光り、僕は縄を引きちぎって暴れ回り殺しまくった。誰も止めてはくれなかった。
正気に戻ったとき近くに生きている人は一人も居なかったと思う。僕の泣き声しか聞こえなかったから
勉強しなきゃならないのは分かるけど小説を書きたい、読みたい、ゲームしたい!!!
量少なくてすいません。だいたいこん位に毎回成ると思います。