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御前試合騒動顛末  作者: 高橋太郎
第五章 師弟
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その弐拾七

 慶一郎から注釈をされなくても、その程度のことを与次郎は知っていた。

 この世界最強の生物である龍は肉体を持っているが故に滅ぼすことが出来る。

 ならば龍は何なのかと言えば、意志ある気の塊と言われる竜が受肉したものとされる。故に、龍こそがこの世界で最も気の制御に長けた生物と言える。

 ただし、受肉する竜は竜の中でも気の密度が薄い個体である。その為に、そのまま肉体を構成した時に弱体化する。それを嫌い、二度と竜に戻れぬと知りながらこの世の生物を喰らい、森羅万象の理を受け入れ受肉し龍となり、世界の守護者としての意地を通すのである。

 扶桑人は龍が人としての形を取った者と本来人間として生きていた者の混血である為、気の制御を他の人類種より得意とした。

「然り。中でも初代様は、竜の因子が強かった武幻斉の血を濃く引いていたことと、竜の姫の直系であった為、人と云うよりはむしろ竜に近かったと伝えられている。受肉した龍ですらなく、世界を守護することに誇りを持つ竜に、だ」

「ふん、然様な事は坊主どもに任せて置けば良い事よ。我らは持ちうる力を振るえば良い」

「否ッ! 竜の血を引くからこそ、その意志を継がねばならない。それ故の初代様の決断なのだ!」

 普段は飄々としている慶一郎が、珍しく熱い意志を語る。「力を求め、それだけに固執するようでは、かの堕天せし竜、六大魔王第四位邪龍王と同じではないか!」

 六大魔王。

 混沌に属する魔を統べる存在の中でも特に力を持つものを魔王と呼び、その中でも頭抜けた六柱の存在が六大魔王である。筆頭は既に名すら忘れられた法の絶対神を弟である均衡神と共にその身を以て封じた偉大なる堕天使、第二位が知識神の配偶神でもある冥界の女帝、第三位が人類に魔導を伝えた人を愛する魔王、第四位が世界の守護竜たる兄に勝つ為だけに受肉した上、堕天したとされる力を渇望する邪龍王、第五位は混沌をその身に受け入れすぎた為に自我を崩壊させた狂えし魔王、第六位は他の魔王の中で最も力のあるものがなる為に時代によって異なる。

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