星(ほし)と星(スター)
友人に流れ星がよく見える山に連れて来てもらった。
展望の良い山の頂上にある駐車場には、駐車場の中を照らす照明灯か1つも無く夜空がよく見える。
車のライトを消すと周りは真っ暗になった。
一緒に来た女の子たちが夜空を見上げて歓声を上げる。
「見て、見て、あそこ流れ星が飛んでるよ」
「あ、あっちにも流れたー!」
次々と飛ぶ流れ星を見て、キャッキャと騒ぐ彼女たちに友達が自慢げに話しかけた。
「な! 来るとき言ったように流れ星がよく見えるだろ」
「ウン、ウン、連れて来てくれてありがとう、ところで、お花摘みに行きたいんだけど?」
「え? 此処トイレ無いから駐車場の隅でするしか無いよ」
「怖いからついて来て」
「しようがねーな」
「アタシも行く」
友達と女の子たちが離れて行くのを横目で見ながら俺は、一際大きく輝いて見える流れ星に願いを呟く。
「スターにしてください、スターにしてください、スターにしてください」
劇団に所属している俺は何時かスターになる事を夢見ているんだ。
ドカーン!
友人が弔辞を読んでいる。
「彼は何時も、何時かスターになって有名になりたいという夢を私たちに語ってくれてました、その夢がかなって彼も喜んでいる筈です」
そう語る友人の襟首を掴み揺すぶり叫ぶ。
「意味が違うだろ!」
そう叫ぶ俺の背を死神がポンポンと叩く。
あのとき俺は落ちて来た流れ星って言うか隕石に当たって死んだ。
友人が言うように星には無れなかったが星にはなれた、それに始めて隕石に当たって死んだ人間としてギネスブックに登録され有名人にもなれた、でも、でも、それじゃ意味が無いじゃないかー!
泣き叫ぶ俺は死神に肩を抱かれて、黄泉路に向けて歩むのであった。
ワァーン (泣)




