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大ダンジョン時代ヒストリア  作者: てんたくろー


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24/210

26年目-2 第三次モンスターハザード

本エピソードの主要な登場人物

()内は年齢


早瀬光太郎(15)

ヴァール(???)

シェン・ラウエン(27)

妹尾万三郎(41)

 第二次モンスターハザードから間を置かずして勃発した騒動、第三次モンスターハザード。

 日本国内のみでの事件ということもあり小規模ではあったものの、第二次においても活躍したヴァールや妹尾万三郎、シェン・ラウエンなども参加するレベルには大事だったのも事実だ。

 

 また加えてこの時期、近畿方面においてもスタンピードの余波を受けてかモンスターが地上に出没することも時折あったが……そこは風の噂を頼りに現地を訪れていた初代聖女エリス・モリガナが陰ながら処理し、ことなきを得ている。

 

 島国を揺るがすこの騒動において、一際活躍した日本人探査者、早瀬光太郎。

 現代において能力者犯罪捜査官として世界を股にかける活躍を見せている探査者、早瀬葵の祖父にあたるのだが……彼自身もまた、これより後の世においては槍を操る名探査者として日本の探査者界で名を轟かせることとなる。

 

 すなわち第三次モンスターハザードとは、光太郎の探査者人生が飛躍を遂げるきっかけのできごととも言えるのだ。

 そんな彼は当時、すでに開花させていた素質をもって先達の探査者にも劣らない腕前を披露していたと文献には伝わる────

 

 

 

 ヴァール、妹尾に加えて星界拳継承者ラウエンの手も借りての戦い。早瀬光太郎は迫りくるモンスターに向け、己の相棒たる大槍を振るい技を放っていた。

 

「うおおお《槍術》! 飛騨一閃!!」

「うげぎぎぎぃぃぃぃぃっ!?」

 

 地元のある中部地方が誇る日本アルプス、その三山脈の名を拝借して名付けた自慢の横薙ぎ。

 15歳ながら子供離れした体格と膂力、そして100近いレベルから繰り出されるそれは瞬く間にモンスター達を引き裂き、粒子へと変じさせていく。

 

 だがそれでも波のような群れを一撃で全滅、などとは当然いかずに次々敵が迫りくる。

 これまで、一人で戦っていた時はこうなればすぐ一時撤退し、タイミングを見計らって再度奇襲するというヒット・アンド・アウェイ戦法を採るのが彼の基本だった。

 だが今は違う。仲間がいて、自分の行動をフォローしてくれるのだ。


「《鎖法》鉄鎖乱舞────妹尾、ラウエン!」

「《拳闘術》、スネークジャブ!」

「星界! 天星狼脚ッ!!」


 WSO統括理事ヴァール──ソフィアの第2人格らしく、普段はソフィアの名で呼ぶように光太郎は聞かされている──の、スキルによって顕現した鎖。

 大学にてモンスター学の教授を務める妹尾万三郎の、メリケンサックをつけての鞭のように腕をしならせて放つ拳。

 そして日本においても高名な武術家、星界拳継承者シェン・ラウエンの息をつかせぬ絶世たる蹴り技。


 いずれも今の光太郎はおろか、彼にとって尊敬すべき地元の先輩方でさえ比較にならないほどの超高度技術のオンパレード。

 彼がやっとの思いで倒すモンスターを、呼吸するのと同じテンポで打ち倒していくのだから、世界というものの広さ、深さ、そして青天井ぶりを思い知らされる心地だ。


「良い気迫だ、早瀬! 無理をせずついてくるのだ、決して無茶はするなよ!」

「この地の探査者達はどうにもこうにも、独自路線を行きたがるからな……! 妹尾教授、同じ日本人でしょう! どうにかならないのですか!?」

「いやあ十把一絡げにせんでくれよラウエンくん。ここの探査者の気風は私から見ても実に興味深いのだからねえ」


 しかも余裕綽々で、生真面目にこちらを気にしてくるヴァールはともかくラウエンや妹尾などは雑談ともボヤキともつかない話をしながら、片手間に振るう拳や蹴りでモンスターを倒していく始末。

 それがそのまま自身との差であると思い知らされるようで悔しくもあり。はたまた元地探査者として先輩方が無茶なことをして呆れさせているのを、申しわけなく思う気持ちもあり。

 光太郎はもはや、爽やかな笑みを顔に張り付けるほかなかった。


「い、いやー先輩方がすみません! まあその、昔からといいますか、それこそ大ダンジョン時代始まってからずっと続く気質だとは聞いてますね!」

「そこからして解せないが……まあ土地柄、国民柄とでもしておく。とはいえさすがに、外部協力者とは足並みを揃えるよう願いはするがな」

「ははは……お、お手柔らかに!」


 地元の先輩などは豪壮と言うべきか無謀というべきか、そのまま真正面から突っ込んでは命からがら辛勝して大笑するのが日常的だったのだが……さすがにまだ探査者となって2年足らずの光太郎にはなかなかできない芸当だ。

 それに最近、というかモンスターハザードに対抗すべく各地から助っ人がやって来たことでそうした無謀な実態が明らかとなり、より安全で秩序立った探査者運営をするよう現地全探組に改善命令が下った。


 今後は先輩方の破天荒な動きも、多少は矯正されていくのだろう。安心したような、残念なような感覚が光太郎の胸中にたしかにある。

 どうあれ全体的に見れば間違いなくこの地で起きたモンスターハザードは一気に解決に向かっており、早瀬光太郎もまた、ヴァール達と行動をともにする中でメキメキとその実力を伸ばしていくのであった。

 ブックマーク登録と評価のほうよろしくお願いいたしますー 


 ヴァールと早瀬の孫娘が共闘する「攻略! 大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─」は下記URLからご覧いただけますー

 https://ncode.syosetu.com/n8971hh/

 書籍化、コミカライズもしておりますのでそちらもよろしくお願いいたしますー

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― 新着の感想 ―
[一言] >安心したような、残念なような感覚 無秩序だったところも、ある意味面白かったのかな?
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