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魔王討伐  作者: 甘党辛好
43/45

メルクと楽

「へぇ…この体…こりゃぁ良いなぁ!正しく適正だ!」

「こいつの環境も素晴らしい…これは……」

笑いながら話す楽。

「……ハァ…ハハッ、さて…妖力は…あるな」


楽は、自身の現在の身体の状況を確認している。


その楽の行動を見て、少し嬉しそうにするメルク。


「ハッ…ハハッ!」

「そうかライト、それが貴様のスキルか!」

「久しぶりに…楽しくなってきた!」

「やはり滾るな!圧倒的強者とヤれるのは」



その様子を見て楽はニコッと笑い、刀を抜く。



「フフッ…へぇ、あんた…コッチ側?案外戦闘狂なんだね」


その言葉を聞き、メルクは当然だという風に話す。

「平民から王になろうと言う男が狂ってないわけ無いだろう?」


「それもそうだな、これは失礼」


「いや、いいさ…それよも…貴様、楽と言ったな?」


「あぁ」


「では、楽…最終ラウンドだ…」


攻撃態勢に入るメルクと楽。


「一瞬で死ぬなよ?」


「善処しよう」


そして…。


キィー……ン


2人は同時に斬り掛かる。


金属同士がぶつかる音。


力の差は互角。


「フッ…」


「ハッ…」



共に鼻で笑う。


しかし、メルクは少し戸惑った表情をする。


明らかに楽が手を抜いているということが分かったからだった。


「…あっ、気付いた?」


そう楽が言った途端、力が急激に強くなる。


メルクの剣が弾き返される。


直ぐに次の攻撃に備えようとするメルクだったが、もう楽は目の前にいない。


横から殺気がする。


またも金属同士の鈍い音。


メルクは間一髪、本能的に攻撃を防いだのだ。


「ハハッ…楽しいだろ?」


「あぁ、とてつもなく!」


メルクは今現在、狩られる側の存在。

しかし、メルクは何故かそれを喜んでいた。


それは何故か?



メルクにとって、久しく体験していなかった死という存在。


楽の一発一発の攻撃が、メルクを死という存在に近付ける。

だが、逆に言えば…それは生きているということ。

死を近付ける事により、彼は生きていると、自身の身体で本能的に、体感した。

だからこそ、メルクの脳はドーパミンを分泌し、メルク自身はこの事を嬉々としたのだ。


またも、鍔迫り合いを跳ね返す楽。


メルクの視界からまた消える。


次にメルクの左側から攻撃する楽だが、これをメルクは防ぐ。


明らかに手を抜いている楽に対し、メルクは防戦一方であった。


なんとか一瞬の隙を突き攻撃するも全てに対処される。


だが、メルクはそれすらも喜んでいた。



「そろそろかな」



楽がそう発すると



手を前に置く。


「ー黒霧」


楽の手から黒い霧が発生する。


メルクと楽の周りを黒い霧が全て飲み込む。



メルクの視界は真っ暗になる。


何処から来るのかわからない恐怖感。

ふとメルクは気付く。

先程のような嬉々とした感情がいつの間にか、恐怖に変わっているということを。


「どこだ」


目の前が暗く視界が無いながらも、メルクは警戒を始める。


(どこだ…何処から奴は来る?)


全身で、警戒をする。


右隣から足音が近付いてくる。


(そこか…!)


メルクは、足音が最も近くになったタイミングで、右側を斬る。


「…残念、偽物だよ」

メルクの真後ろから、そう声がする。


グサッ


気付けば、メルクの体が後ろから貫かれていた。


「あっ…ガッ……」


「駄目だよ、余所見しちゃ」


直ぐに砂になるメルク。


しかしいつもとは違い、メルクは倒れ込んだのだ。


「ハァ…ハァ……」


先程までとは違い、メルクは完全に死を確信した。


今までの死ぬ“かも”しれない歓喜の状況と、死んだのを”確信“した恐怖の状態では、一切、何もかも違うのだ。


「…ありゃ、もう終わりかな?」

倒れ込んだメルクに、刀を持ちながら近付きながら喋る楽。

倒れ込んだメルクに最接近し、楽は刀の刃先をメルクの顔に向ける。

その行為は、まるで「今からお前は死ぬのだ」と宣告しているようだった。

「まぁ、いいさ結構楽しめ…」


「…ふん!」


楽が良いかけた途端、メルクは楽の横に瞬間移動し死角から楽の首元を狙って短剣を刺そうとする。


このメルクの行動が狙っていたのか…はたまた、死への恐怖から来るものなのか…それは定かではないが…。

だが、確かにメルクの一撃は楽に通りそうであった。

何故ならば、メルクはこのとき完全に油断していたからである。


しかし、楽はメルクの首を即座に掴む。


「へぇ、まだやれるんだ…良いねぇ」


この時の楽の表情は、笑顔を浮かべていた。

しかし、”狩られる“側はからすると、その顔を恐怖の何者でもなかった。


(今しかない…!)


この時、瀕死であった山月はこう思っていた。



(あの、楽って奴はすげぇヤバい奴ってのは間近で見てて分かる)

(間違いなく、奴は殺しを躊躇せず…遠慮なく、攻撃が出来るやつだろう…そして、それが味方であってもだ)


山月の言っていることは、何ら間違っていなかった。


だからこそ、山月望はそんな、「誰でも殺せる存在」に恐怖していた。


(恐らくライトの言っていた事と照らし合わせると、楽って奴は”楽しさ“の感情来る奴なんだろう)(…って事は、奴が”楽しい“と感じている”戦闘“を強制的にやめさせることができれば…”対戦相手“が居なくなれば、戦闘なんか出来なくなる)

(メルクも倒せて、ライトも元通りに出来る”可能性“がある)

(だからこそ…メルクの動けない今しかない!)


山月は、メルクが楽に首を片手で掴まれ、身動きが取れていない今がチャンスだと思ったのだ。


流石は、”元“勇者である。

そんな「恐怖の存在」を前にしても”仲間の為“であれば、自身の考える最善を選べる。



「はぁぁぁぁ!」


瀕死である自身の身体に大声で鼓舞をし、最後の力を振り絞り、山月は”狂気的“な二人に立ち向かった。


火事場の馬鹿力と言っても差し支えない程に、彼の動けなかった体は“最後の力”と言わんばかりに素早く、勇ましく、力強く動き始めたのだ。


そんな向かっていく彼に、ウーさんと餓鬼さんは静止させようとする。


「山月!」


「待て!」



山月は、真っ直ぐ目標へと走る。

その走りは、怪我をして疲弊している人間とは思えない動きだ。


「はぁ…」


山月が向かって来ていることに気付き、ため息をつく楽。

そのため息は、失望からくるものか、呆れからくるものか、もしくはそれら全てが含まれているか…。

それは定かではないが、楽はそんなため息を付いた後に、掴んでいたメルクの首を手放した。


「お゛ぇ……うグッ…」


嗚咽をするメルク。 


楽は、右手を握り、人差し指だけ上げ、山月の上腕付近を狙う。


山月が猛スピードで接近しているのにも関わらず、落ち着いた風貌で山月に狙いを定め、宙に人差し指で線を引いていく。



左から右へと引き終わった直後であった。



ーーーー心の中


「山月!」


僕は嫌な予感からから、思わず叫んでしまう。

 

「ふむ…向かってくるか…やはり…」


魔王はそう話すと、少しだけニヤリッと笑った。


だがそんな事、僕は気にも止めず、僕は魔王に聞く。


「魔王!今すぐ、楽と僕を入れ替えることは出来ないのか!」


それを聞いた魔王はため息を付く。


「さっきも言っただろう…無理である」

「我々は、奴のする事を見守っていることしか出来ん」


そう魔王が言った途端だった。



「山月!」

「あ…あぁ……」


僕は、思わず叫んでしまう。


そして、絶句し腰に力が入らなくなり、座り込んでしまう。


なぜならば…。

なぜならば、山月の両腕が…。


地面に落ちたのだ。



ーーーーーー


全力疾走をしていた、山月は自身の身体が軽くなっていることに気付く。


何か鈍く重い物…肉のようなものが落ちる音がする。


(腕に違和感がある…)


すぐに山月は、自身の腕を見る。


ー無いのだ


自身の腕が。


「あ…あぁ…」


声がそれ以上、発声出来なくなる。


腕がないことに気付いた途端、山月の全身に激痛が走る。

その後、体に力が入らなくなり、山月は崩れ落ちる。


「山月!」


ウーさんと餓鬼さんが、同時に声を掛ける。


だが山月の耳は、混乱していて何も届かない。


「…はぁ、人間風情が…俺とコイツの崇高なる勝負を邪魔するなよ」

「安心しろ、腕の断片は完璧に焼き切っている」

「だがら、血も出ないし…血がドバドバ垂れることもない……安心だろ?」


「はぁ…はぁ……」


「命だけは助けてやったんだ…感謝しろ」

「さて…」

手を握り直し、自身の身体にかけられた制限時間を確認する楽。

着実に迫る、ライトの体が破滅するまでの制限時間。

それを楽自身は確認するが、焦る様子もなく真顔で話す。

「しかし…時間もないのは確かだな…」

「…そろそろ終わりにしようか?」



楽は倒れ込んだメルクの顔の前に手をかざす。


「…もう終わりにするのか?」


メルクの表情はもう、諦めの境地に入った


「…ありゃぁ、残念」

「運が良いな」


楽は優しそうに、それでいて心の奥底が分からないような笑い方をする。


「…ハァ…ハァ……何が…だ?」


メルクは、自身の死を確信していたにも関わらず、何故か生きていることに戸惑いながら聞く。


「いやぁ、魔力切れみたいだからな」


「ふっ…そうか……」


少しだけ安堵するメルク。


「…さて」

そう言うとメルクは辺りを見渡す。

「おぉ…良いのがいるじゃないか」

楽は、その“良いもの”の方向に向かう。

「すまんな、メルク…ちょっとだけ待っててくれ」


そうメルクの方を向き、爽やかに笑いながら話す楽。


「……?」


そんな楽の行動に戸惑うメルク。


戸惑うメルクを余所に、楽は一直線にスィのもとまで向かう。



ーーーー深層心理


「…あの娘、死ぬな」


魔王は、小声でそんな言葉を漏らす。


「え……?」

僕の頭は途端に真っ白になる。


(スィが死ぬ…?)


「嘘だろ…?」


僕は、魔王の方を向き、魔王に聞く。


「いや…残念だが、魔力の供給で最も手っ取り早いのは…」



ー魔結晶の破壊による吸収だ


その魔王の言葉に、絶望感が増す。

視界が白く染まる。

そして、途端に体に力が入らなくなる。


頭は何も考えられなくなり、ただ、「スィが死んでしまう」という考えしか無くなる。



「つまりは、あの娘の魔結晶の破壊をすることで…ライト…いや、楽の魔力を回復できる」

「そして、それを行えば…あの娘は死ぬ」


「なぁ!どうにかできないのか!?」

「今すぐ…!今すぐヤツを止める方法を!」


僕は焦りながらも、魔王の膝に縋り付く。


「…無いな」


「…そんな…」

「じゃ、じゃあ!魔王が人格を乗っ取るのは…」


「…ライト、今のライトという”身体“の所持者は貴様でも我でもない、楽だ」

「楽が、人格の放棄を選択するか、ライトという名の”身体“の体力が尽きる以外に…人格を乗っ取ることはできない」


「…嘘だ……だって………」


僕の思考は完全に停止する。


「ライト、これは嘘でも夢でも、幻影でもない…紛れもない事実だ」

「…あのスライムの娘の最期を二人で見届けようぞ」



ーーーー


「やぁ、お嬢さん」


衰弱しきったスィに話しかける楽。


「ん…うぅ…ライト……様…?」

楽の声に少しだけ目を開け、ライトの姿を確認する

「…誰……?」


「へぇ…気付くんだ、流石だよ、凄いねぇ」


感心しながらも楽は、意識が朦朧としていて倒れ込んでいる、スィの首を掴む。


「う…何……を…」


「まぁ、君の願いが叶うかどうかは知らないけど…」

「僕にとって、”そんなこと“はどうでもいいことだ」


「う…うぅ………」


首を思いっきり掴み、息も絶え絶えになったスィの胸に手を突っ込む。


「ここかな?」


ーーー深層心理


「やめろ…やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ」



この時、ライトは思考を放棄していた。

ただ、この絶望的状況を…この苦痛的な状況を…ただ切り抜けたかっただけなのに。

ただ…ただ、ただ…。


ーただ、僕は幸せになりたかっただけなのに


ーーーーー


あぁ、愚かな少年だ。

あぁ、無力な少年だ。

あぁ、無価値な少年だ。


足掻けば足掻くほど、この絶望の沼は深くなる。


ーーーーー


ーパリィン……



その時だった。


「あ…あぁ」



ーーーー


「あぁ…これだったか」


「…スィ!」


ウーと餓鬼が、スィの”何かが砕ける音“を聞き、叫ぶ。


だが、牛と鬼の二人の目に映ったのは、完全に生気を失ったスライム“だった物”。


「…はぁ、やれやれうるさいなぁ……」


ーーーーーー


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」



「嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!」


「嘘だ!」


完全に荒ぶった少年は、同じ単語を連呼する。


「嘘だ!……………」


数秒…しかし、少年の体感は無限の時間が過ぎ去った所だろうか?


「……………」


「…嘘だ……」


「ライト」


王は少年に聞く。


「やめてくれ」


少年は涙を一粒流した。


「……もう、何も見たくない」


少年は、現実から目を背けることを…“逃げる事”を選択した。


「…そうか」


小さき王は…無価値な少年の一言を聞き、映像を………


ー消した。


ーーーー


「…そうか…」

(“見る”のをやめたか……)


楽は悲しそうに…いや、呆れているのか…。

難しい表情をした後「まぁ、そんなことはどうでもいいか」という風ににこやかに笑い、優越感に満ち溢れた表情をする。

「あぁ!力が溢れてくる!」


「スィちゃん!」


先程まで、意識が錯乱状態にあった山月もスィのことを見て叫ぶ。


「うっさいなぁ!スィ!スィ!って…ハァ…まぁいいや」

「君たちはこれで静かにしといてくれ」


楽は宙に人差し指で線を引く。

右から左へと…。


引き終わった瞬間に、山月と餓鬼、ウーの口が、まるでチャックでもされたように、開かなくなる。


「ん…ん……!」


「奴との崇高なる戦いが終わり次第、口は開けてやる」

「それまでは…黙ってろ」

少しだけ睨みをきかせる楽。

だがすぐに表情を柔らかくする。

「…さて、と」


メルクのもとに、近付く楽。


「…どうする気だ?」


「いや、なに…」

拳を握り直し、自身に残された制限時間を再度確認する楽。

「時間もないからな…」


「saturn」


楽は、魔法を放つ。


楽とメルクの周囲を囲むように、巨大な円が3つ出現する。


「…何をする気だ?」


メルクは戸惑ったように話す。


「…いや、なに…メルク、ゲームをしよう」


「は?」


「ゲームだよ、ゲーム」

「お前の大好きなものさ」


「…ゲーム…?」


「あぁ、メルク…、お前が少しでも勝てるように”ゲーム“をしようと言ってるんだ」

「…このままじゃ、圧倒的すぎてつまらんだろ?」


「ハッ…言ってくれる…」


「…ルールは簡単だ、この円を踏むと即死するようなトラップが発動する」

「それを踏まないようにするだけだ」


楽は、簡単だろ?

という風なジェスチャーをする。


「確かに、簡単だな」

「その間に、貴様を殺せばいいのか?」


「あぁ、勿論…、俺かお前のどちらかが死ぬか、円から出たらこのゲームは終わりだ」 

「あぁ…そうだった!もう一つルールを忘れていた!」


あからさまな「忘れていたよ」という風な、相手をおちょくってるような風貌で楽は話し続ける。


「俺はこの場所から何があっても…一歩も動かない」


「は?」


「つまりは、俺はお前の攻撃をいなすこと、魔法を放つこと、近付いてきたお前に攻撃すること位しかしないよ」

「まっ、私が急遽考えたゲームなんでね…それぐらいのハンデはあげますよ」


「ふざけているのか?」


「ふざけてると思ってるのか?」


「…後悔するなよ?」


「…おまえもな」


「…」


「…」


暫くの沈黙の後、メルクは短剣を砂で作り、構える。


「おせぇな…」

「…こいよ」


楽の言葉を皮切りに、メルクは走り出し、楽を斬ろうとする。

しかし、当然の如くそれをいなす楽。

暫くの間、メルクが攻撃をし、楽がいなす、といういなし合いが始まるが、満身創痍のメルクに比べ、スィのおかげで回復した楽では、力の差に雲泥の差があった。


(そろそろ、体の方が限界のようだな)


この戦い、楽が優勢でこそあったが、楽自身も少し焦りを感じていたのも事実であった。

楽の体、つまりはライトの体はそもそも、もう動けないような状態。

それを無理矢理動かし、命を繋ぎ止めている。

謂わば火事場の馬鹿力のような状態、スィの力で回復したとはいえ、体の崩壊、命の崩壊するまでの時間は、ただ繋ぎ止めいているだけでいつ崩壊してもおかしくなかった。


「…終わりにしようか」


そう楽が、小声で話す。


「ーgiant impactジャイアント・インパクト


メルクの攻撃に合わせ、メルクの腹に拳をめり込ませる。


「ッ…!グ…ッ!」

メルクは、歯を食いしばり自身の攻撃を何としてでも当てようとしてくる。

しかし、楽の放った魔法は特殊であった。

「…ハッ…!」


メルクの体は、いきなり宙へと飛び跳ね、身体が粉々になる。


「ハァ…ハァ………グッ!」


すぐさま砂と化し、円のギリギリ付近で元に戻るメルク。


「グッ…ウッ……」

「…は?」


元に戻ったはずなのに、メルクは吐血していた。


メルク本人も予測のできない事態に、混乱している。


「…ジャイアント・インパクト…食らった相手の体の内側を攻撃する魔法だよ」

「この魔法の特殊な点は、喰らった後に、振動が何回かあるということだ」

「つまりは、お前の内臓がぐちゃぐちゃになったような振動が、後数回来るぞってことだ」


「……」


「さて、メルク」

「内臓がぐちゃぐちゃになっても…その痛みに耐えるか、それとももう一度、自身の体を作り変え、内臓がぐちゃぐちゃになる痛みを体験するか…」

「…どちらがいい?」


「…うっ………」

メルクは前者を選び、内臓がぐちゃぐちゃになっても、自身の体を砂から作り変えず、人生で経験したことのないような痛みを、何度も経験する。

「ハァ…ハァ……うっ…グッ……」


恐らく、数回ほど終わった所だろうか。

メルクは、楽を睨みつけ、砂になる。


「どうだ…痛かったか?」

「痛みとは、神経から伝達され脳が感知するものだ」

「あの痛みをお前の脳は覚えている、だからこそ、お前の体が作り変えられようが、あの痛みはお前を何度も襲うんだ」


「ハァ…ハァ…………フッ」

「はっはは……はぁ…」


再出現し、少し呼吸を整えていたメルクだったが、楽を見つめると、不適に笑った。


「…?」

「何がおかしい?」


メルクは不思議そうな顔をする。

それもそのハズだ、メルク対楽の戦いは圧倒的に楽のほうが上であった。


楽の疑問にメルクが返す。


「いや…貴様があまりに滑稽だったのでな」


「…は?」


少しだけ怒りを顕にする楽。


「…貴様は、“動かない”と言ったんだ…あの時点で貴様の負けは確定している」


「?」


メルクの苦しまぎれから来る言葉か、それとも実際に何か作戦があるのか…。


楽自身も、メルクの言動を不思議に思っていたが、答えはすぐに分かった。


ザッ…。


楽の左足がとてつもなく重くなっていることが分かる。


「…?」


すぐに楽は自身の左足を見てみる。


すると…。


「…!」

自身の左足を“砂でできた手“に掴まれ、楽の足が固まった砂…いや、泥のようなものに変貌を遂げていた。

徐々に、左足から上へ上へと楽の体を少しづつ着実に、泥と化している。


「…本来、この技は…”その手“に掴まれなければ、効果は発動できないのだ」

「動きも単調かつ遅いから、トラップのような使い方しか出来んのだが……」

「お前は…“動かない”のだろう?」


紛れもないピンチの状況。

先程までの戦闘では…楽のほうが優勢であったが、形勢逆転である。


…しかし、こんな状況下でも楽本人は、涙を浮かべながら笑っていた。


「ハハッ……あーハッハッハ……」

「へぇ…そうか…こんな事も出来るのか…」


楽の余裕そうな笑いに、少しだけ感情を顕にするメルク。


「…何がおかしい…」


「…いやぁ、やっぱりお前最高だなって……思ってな」


「…そうか、それはありがとう…で、だ……」

「この状況をどう切り抜け……」


メルクの声を遮るように、楽は自身左足を剣で斬った。


「…?」

「どうした?…何か話している途中だったかな?」



「…なぜ………」

「なぜ!貴様はもう体力がないはずだ!体の再生は……」


「…再生?」

「再生などしなくとも…これで十分だろう……」

余裕そうな表情をする楽は、手を前にだし、氷魔法を唱える。


「ー氷柱」

楽が魔法を唱えると、自身の手の上に大きな氷柱ができる。

丁度、楽が切断した左足と同等の大きさだ。

「これで…いいかな?」

そう話すと、楽は、自身が作った氷柱を切断した左足にくっつけた。

「いやぁ、半分死んでてよかったよ…おかげで体温も低いままで、立地も雲の上だし…暫くは溶けないかな」


ー狂っている


自身が”死ぬかも“しれないのにも関わらず、彼はにこやかに笑いながら話した。

しかし、それでいいのだ。

それこそが………。


ー狂気的愉悦


の本質である。


「…本当に……狂っているな」


「いやぁ、褒めてもらえるとは光栄だね」

「…さて、そろそろ本当に終いにしようか」


「…?」


また、手を前にかざす楽。


「ーギャラクシーストーム」


楽が魔法を唱えると、楽の後方からとてつもない突風が吹き荒れる。


「うっ……んん………」


何とか耐えようとするメルク。


「ん〜…そうだな…実はさ後1階しか魔法が撃てないんだよね、だからこれ耐えられたら君の勝ちでいいよ」


「舐め…やがって………!」

侮辱され、完全に怒り始めるメルク。

(…しかし、この突風は耐えられんな…ここは砂を回収して、砂になるしか………)

手を自身が使った砂の前にかざし、砂を回収しようするメルク。

「…!?」

メルクは驚いた。

何故ならば、回収しようとしていた辺り一帯の砂が、消えていたからである。


しかし、冷静に考えれば分かる話だ。

この突風により、辺り一帯のメルクの所有していた砂が跡形もなく、この突風で消え去ったのである。



「…ふっ、ははは!」

そのメルクの苦しむ姿をして笑いだす楽。

「本当に滑稽だな…この空間内にお前と俺が入った時点で、お前に勝ち目なんてないのに…そんな真剣に戦うんだもん……いやぁ…はははっ!面白いなぁ!」


本当に狂っているとしか言いようがない。

そう、楽はこの空間を作り、メルクと二人になった時点で、この魔法を打てば楽の勝利は確実になったのだ。

だからこそ、メルクが死ぬかもしれないという気持ちから、死に物狂いで戦っている中、彼は余裕綽々で正しく「お遊び」で、彼と戦って…いや、“遊んであげていた”のだ


「…ふざけやがっ………!」

メルクがそう言いかけた途端、メルクの片足が円の線に触れてしまう。

「!?」


メルクは、線に触れてしまったという考えから完全に脱力してしまい、突風に押され倒れてしまう。



ー第一の線を踏んだメルクには、当然罰が下る。


第一の線は、足枷、手枷の2つ。

メルクはこの3つを付けられ、レールのようなもので、自然と2つ目の線に行く。


2つめの線は、全ての枷から、少量な針がささる。

この針は、魔力を抑制し、魔法を打てなくする。


「うぐっ…!!!」


そして、最後の線へと移動する。


最後の線は…。

ーー処刑である。


ジャキン…ジャキンと、巨大な刃がついた処刑道具…所謂ギロチンが段々とこちらに向かってくる。


「処刑に使う道具は、ギロチンだ」

「一瞬で終わる…安心してな」


「…ふざけるな……」

「俺は王になる男だぞ!!!」


「…そうか愚かなる人間よ…楽しかったよ…じゃあな」


楽がそう発した瞬間に、メルクの首の上に刃物が来る。


「………」


メルクは先程までとはうって変わり、半ば諦めたような表情をし、その処刑を受け入れる。


刃物が勢いよく、上から下へとメルクめがけて下ろされる。


「…ッ!」


ーーーパチンッ………


メルクが死を覚悟した瞬間だった。

指パッチンが聞こえ、メルクは瞑った目を開ける。

「…生きているのか?」

メルクが戸惑うのも理解できる。

何故ならば…何故ならばギロチンの刃は、メルクの首が触れる寸前の所で止まっていたからである。

「どういう事だ…?」


「…どうだい?」

「死を体感する気分は」


楽の言葉に、さらに戸惑うメルク。


「どうして…止めたのだ?」


「…いやぁ何…お前が死ぬのは確定してるんだが…こんな処刑の仕方じゃ、ここまで楽しい戦いをしてくれた君に…」

「失礼だろ?」


「…ふざけているのか……?」


楽に侮辱されたと思い、メルクは怒りを露わにし始める。


「…いや、少し言い方が失礼だったかな?」

「本音を言ってしまえば…」


ー「お前と契約がしたい」


「…何を言っているんだ?」


「…まぁ、戸惑うのもわかるが」

「こんなにいい勝負をしてくれて、久々に私も興奮できた」

「だからこそ、俺と契約をしよう」


楽はメルクに近付きながら話す。


「だから何を言って…」


メルクのギモンに割って入る楽。


「そうだな、契約内容は…」

「次にライトと戦うときに、お前の手助けをしてやろう」


「…」


楽の発言は一見、意味不明である。

しかし、メルク本人には意味が伝わっていた。


「お前と戦ってるときにな、気付いたんだよ」

「お前の正体に…」


「ふっ…そうか」


「メルク、貴様…アンデッドだろ?」


「…いつから気付いていた?」


「…幾らスキルが強いとはいえ、あまりに無謀な戦い方…死ぬのを恐れないような戦い方をしていたからな」


「…」


「まぁ、そんなアンデッドである君は、死んでも生き返れるわけだ」

「…じゃあ、復讐したくはないかい?」


「…」


「君が負けたのは”ライト“ではない、この俺だ」

「…お前の作戦は完璧だった」

「間違いなく、ライト達に勝っていた」

「しかし、イレギュラーが起きた」


「…」


メルクは沈黙する。


「それが僕って訳さ」

「…さっきも言ったが、君は完璧だった」

「そんな君の敗因は、ただのイレギュラー…」

「ライト達の実力じゃない」

「だからこそ、そんな運だけ野郎共に負ける君が可哀想で仕方ない…」

「なぁ…」


ー復讐したくはないかい?


楽の問いかけに、少しだけ間を空けるメルク。


数秒の沈黙の後に、すぐにマルクの口が開く。


「そうか…で?」

「何をすればいい?」


「へぇ、呑んでくれる感じ?」


「あぁ」


「そう、話が早くて助かるよ」

「…そうだな、条件は…」

「魔王軍側の情報を何か一つ頂戴よ」


「…」

メルクは、楽の提示した条件を聞き、少し考えた後に口を開く。

「…れる?」


「ん?」


「どのくらいの手助けをしてくれる?」


「うーん…そうだな…」

「…僕はこれでも、このスキルの中では権限の高い方なんだ」

「そして、そんな権限の高い僕でも、更に権限の高い人がいてね」

「俺が尊敬している人なんだが…まぁ、このスキルの目標は…」

「そんな“彼”を顕現させるのが目標…ゴールなんだよ」

「んでだ、僕の見てきた中で、この“ライト”という素材は、とてつもなく“彼の顕現”に近しい素材でね」

「”ライト“という”素材“の陥ってる環境や状況…感情の起伏からみて、こんな素材は無いんだよ」

楽は、満面の絵を浮かべ、ライト…いや、この”素材“の素晴らしさを語っている。

「そうだな、だからこそ…スキル、そして僕個人の目標としては、この素材を傷つけたくはないんだ」

「ただ…」


「…?」


「もう一つ、僕個人の感情だが…俺を顕現させ、こんなに面白い勝負をしてくれた君に敬意を評したい」

「だからこそ、そうだな……間を取って………」


「次回、お前がライトと戦うとき」

「ライトのスキルを消してやる」


「…そんな事が出来るのか?」


「出来るとも」

「消す…といっても”一時的“だがね」


「そうか…」


楽の言葉を聞き、メルクもまた表情が明るくなる。


「つまり、どれだけライトが”怒りの感情“ノ起伏が激しくなっても、どれだけライトが”負の感情“に陥ったとしても…」


ースキルは発動しないって事だ


「なるほどな…」


「一様、これが僕にできる最低限のことであり、最大限の譲歩なんだが…」

「それだけでは不満かな?」


「いや、十分だ」


「では…契約成立ってことで?」


「あぁ」


「んで、そちらはどんな情報を?」


「…近い将来、とある村を通り王都を攻める」


「へぇ…いつ?」


「さぁな」


「教えてくれないんだ」


「実のところ、いつ行くかは決まってないのだ」


「ふ〜ん…でも、それじゃあ……」


「分かっている」

「契約の割に合わない…ということだろう?」


「うん」


「他に決まっていることは…軍勢位だな」


「へぇ、いくつ?」


「…数千の兵が向かうという話だ」


「…場所は?」


「残念だが、まだそこまでは決まっていない」


「なるほどね…この作戦は必ず実行されるの?」


「あぁ、場所や決行日はまだ決まっていないが…必ず決行されるというのは決まっている」


「なるほどなるほど…了解」

「…じゃあ、これで終わりかな」


「…ちゃんと約束は守ってくれるのだろうな?」


「安心してよ、俺は狂ってっけど…」

「約束だけは守るさ」


「そうか」

「ならばいい」


楽はメルクの襟を片手で掴み、もう片方の手をメルクの前にかざす。


「最後に…質問なんだが、どうして契約をしてくれたんだ?」


「…貴様の言う通り、我輩は勝っていた…だからこそこんな負け方が許せぬのだ」

「こんな負け方をして王などと…」


「つまり?」


「王になる前に………」

「ライトを捻り潰さねば気が済まん!」


声を荒げ、完全に怒りを抑えきれていないメルクを見て、楽は気持ちよさそうに笑っていた。


「あぁ…流石だよ…王の”素質“のある者よ」



楽はメルクの前にかざした手に力を入る。

段々と、力を入れた手に球体が出来てきている。

それらは段々と大きくなっていき、熱を帯びていく。

大きくなる過程で、球体はメルクに接触し、メルクを飲み込むほどの大きさへと変化していく。


「ー sun」


ーーー


最大まで大きくなったのか、球体は今度は縮小を始める。

段々と小さくなり、球体は跡形もなく消える。


そして、メルクも


ー跡形もなく消えていた。



「この技…使ってみたかったのだが…あまり良い技でもないな」

「熱すぎる」


楽自身が、メルクを消滅させたにも関わらず、顔色一つ変えずに話す楽。


「さて…もう一つ残っているな」


そう言うと、楽はウーと餓鬼に近付く。


「…!」

「………?」


「あぁ…すまない、魔法がそのままだったな」

楽が指パッチンをすると、ウー、餓鬼、山月の3人の口が開く。

「さてと…君たち二人にも契約を行わなくてはならないな」


「…どういう意味だ」


「俺らはお前なんかと契約を交わす事など……」


ーない


そうウーが言いかけた途端に、にこやかに笑う楽。


「あるんだよ」


「いや…」


「お前達の”希望“が死んでも良いのか?」


希望…その言葉を聞いた途端、二人は楽の目を見る。


「何故それを…」


「うーん…それを説明するのは契約内容を聞いてからのほうが良いかもな」


「…話せ」


「…」

山月は、二人の纏う異様なオーラに勘付き、何も発せずにいた。


「…山月、その反応は正しいよ」


「…今は山月のことはどうでもいい、早く話せ」


「あぁ…はいはい」

「簡単な話だよ、お前らの“希望”こと”ライト君“は後数分で死ぬ」


「…!?」


「…スィちゃん…だっけか?」

「彼女の魔結晶は残念だけど………」


「お前が壊したんだろ!?」


スィの話が出た途端に、山月が感情を剥き出しにし、話す。


「……はぁ」

山月の反応に、少しだけ落胆したかのようなため息を付く楽。

「まぁいいや、兎に角、ライト君を殺さない為には彼に合った魔結晶が必要なわけ」

「ライトの血縁者やそれに近しい人物であれば良いんだけど…」


「つまり…?」


「一人いるじゃない…とっておきの奴が」


「!?」


「何故貴様がそれを!!」



楽の言葉に、二人は声を荒げ話す。


「さっきもあの砂野郎に言ったけど…俺はこのスキルの中で権限が高い部類なの」

「だからこそ、ある程度のことはできるわけよ」

「例えば…”ライトの記憶を見ること“とか…」

「”封印された記憶“を見ることとかな」


「…お前…それをライトに言う気か?」


ウーと餓鬼は余裕のなさそうな雰囲気で話す。


「安心しなよ、僕は狂ってるけど…必要最低限の倫理観だけはあるからさ」

「”あの事“は言わないでおいてやる」

「…ただ、それとは別でライトが死にかけなんだ、彼女には悪いが…やる事はやってもらう」


「…分かった」


楽の話し方からして、もうライトに余裕がないのがわかったのか、ウーと餓鬼は楽の契約に賛同する。


「お前と契約をしよう」


「…ん?」

「何か勘違いをしてないか?」

「お前らとは契約しないよ」


「…どういう意味だ?」


「俺が契約すんのは、彼女であって…君たちじゃない」

「君たちには今、絶対条件として僕に”土下座“をしながら、君達の“希望”を救ってもらえることに対し、僕に服従の意と、感謝の意を述べなくてはならないんだよ」

「意味わかるかな?」


あまりに酷い条件に、二人は沈黙する。

しかし、直ぐに二人は口を揃えて同じことを言う。


「…あぁ、分かった」


「うん、話が早くて助かるよ」

「そうだ、どんな言葉を言えばいいか分からないだろうから…地面にこの言葉を界といてあげる」

「それを読むと良いよ」


楽はウーと餓鬼の真下にある地面に、魔法で言葉を書く。


「…もうやっていいか?」


「あぁ、どうぞ」


二人は、土下座を始める。


その時だった。

あまりに仲間が惨めで屈辱的な状況に陥ってるのが許せなかったのか、山月が口を開く。


「おい!二人共!こんな奴の言うことを聞く必要はねぇよ!早く転移石で戻ろう!」

「ウーさんの魔力であれば戻れるだろ!?」


「黙ってろ山月!」


餓鬼さんは声を荒げ、山月を睨む。


「うんうん、黙っといたほうが良いと思うよ、山月くん」

「さっ、綺麗な土下座をした所で…感謝の言葉をどうぞ」



「我々、愚かな下等生物は、ライトというゴミを…楽様に救っていただく事に感謝の意を述べ、楽様に永遠の服従を誓わせていただきます」


「ウーさん…餓鬼さん……」


「んんっ!スンバラシイ!」

「あぁっ!」

「やっぱり真の強者を服従させるのキモチイイ!」

「…はぁ、はぁ…危うく逝きそうになったよ」

「ん〜…少し出ちゃったかもな…」

「…まぁ、いいや」

「安心しなよ、服従は冗談さ…僕の性癖に付き合わせちゃってごめんね」


「…」


「この雲の崩壊も近いし…」

「さて…それそろ、参ろうか」


沈黙している3人に上機嫌に話す楽。


楽は指パッチンをする。


ーーーライト達一行の拠点


山月、ウー、餓鬼…そしてスィ、ミール、モカの六人と楽はワープをする。


「さて…」


楽はそのまま、ライト達一行の拠点の中に入っていく。


ーガチャ…


扉を開けると、奥からセリナが見える。


「…!」


ライトの顔を見つけると、セリナは喜びの声を上げる。


「ライト!無事だった……」


ードン!


そんな喜びの声を上げるセリナを無視して、楽はセリナを壁へと追いやる。


そして、楽は肘をセリナの首を、壁と肘で圧迫する。


「誰だ…貴様……!」


そんな行動を見て、セリナは、こいつがライトではないことに気付き、睨みつける。

そんな事など”どうでもいい“という風な表情を楽はし、話す。


「さて…時間もない…それでは…」


ー「契約を始めよう」

ようやく全てを終えたぁぁぁぁぁ!

黄金の砂上編終わりだぁぁぁぁぁ!(正確に言うと後2話残ってるけど)

大まかなストーリーは終わりだぁぁぁぁ!


…いや、投稿が約二ヶ月も遅くなってしまい本当にすみません!

ここは完璧に仕上げたくて!申し訳ありません!

ただ、遅れたのは事実なので、本当にすみません!


さて!次回は!10月5日に投稿予定です!(間に合うと良いなぁ…頑張って間に合わせます)

後、一様、黄金の砂上編は2話ほど続きます。

その後は、番外編を入れて、年末を迎え、年始に中盤以降のストーリーを、気持ちを改め書いていこうかなといった感じです。

この度は大変遅くなってしまい、誠に申し訳ございませんでした!

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