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魔王討伐  作者: 甘党辛好
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「それじゃあ、行ってきます!」

スィがリュックを持ちながら、ウーさんとセリナさんに挨拶をする。

「気をつけて行ってこいよ~!」

「怪我はするなよ」

それを聞いたスィは、一足先に家を出る。

僕もリュックを持ち上げ、同様に挨拶をする。

「じゃあ、セリナさんとウーさん、行ってきます」

そう伝えるとセリナさんが、道具を渡してくる。

「スィには先程渡したのだが、ライトに渡し忘れててな」

「これは....転移石ですか?」

転移石は、転移魔法を補助する為の道工だ。

これがないと転移魔法が使えず、とても貴重で、人間界では高値で取り引きされる。


「こんな高価なものどこで?」

「転移石の創造をテーマに研究してたんだが、ようやく上手くいってな」

「凄いじゃないですか!」

セリナさんを褒めると、ばつが悪そうな顔をする

「いやぁ....実はな、量産は出来ないんだ....しかも品質も悪くてな....特定の場所にしか帰れない」


しかし、転移石を作れた時点で、とてつもなく凄いことだ、仮にそれが粗悪品だとしても。

「いえ、欠点を挙げればそうかもしれませんが、そもそも作れる時点で凄い発明ですよ!」

僕は思ったことを伝える。

「しかしだな....」

セリナさんが何か言おうとするタイミングで、ウーさんが話に割り込む

「スィにも俺にも、褒められて、ライト様にですら褒められてるのに、ずっとこんな調子なんです、プライドがそうさせるんですかね....」

やれやれ、といった風なジェスチャーをするウーさん。


「ライト様ー!」


僕を呼ぶ、スィの声が聞こえる


「行かなくちゃ、セリナさん!先程も言いましたが、貴方はこんなものを作れる時点で凄いんです!自身を持ってください!それでは!」

そう駆け足で話し、僕も家を出ようとする。

しかし、後ろから手を握られ、振り向くとセリナさんが「行ってらっしゃい」と、嬉しそうな表情で、確かにそう言った。


「行ってらっしゃい」

「気をつけて下さいね~ライト様~」


セリナさんとウーさんに手を振りながら、スィと一緒に目的地に向かう旅へと出る。

――――

「今日は結構、深いところまで行きますね」

「あぁ、この森を抜けた先が予測地点だ」

グギュ~と、隣から可愛らしい腹の虫が鳴る。

スィの方を見ると、照れたようにスイの全身の色が、赤く染まる。

スライム族が(恥ずかしい)、と感じたときに出る症状だ。

「もうちょっと進んだ先で休憩にしよう」

そう、スィに伝えると、まるで子供のように目を輝かせ、全身の色が元通りの青色に戻った。


小さくはあったが倒木があり、そこでお昼にしようと提案する。


「今日は、今朝ウーさんが捕ってきた猪肉の赤ワイン煮と、畑で取れたジャガイモの煮っころがし、ご飯と....イチゴです!」

嬉しそうに、話ながらフタを開けるスイに目を向ける。

「セリナさんが作ったのか?」

「はい!だからこそ、味は心配いりませんよ!」

気にしてはいたらしい。

そのまま、スィは話続ける

「正直....料理が下手なのは知っているんですが....やっぱり自分以外の人に言われると、ちょっとムッとしてしまって....駄目ですね、私」

落ち込むスイを見て励まそうとする。

「いやぁ、そんなことはないと思うぞ、スィが努力しているのは皆知っているし、反省できるのは偉いことだ」

そう言うとスィの体が、また赤く染まる。

「....嬉しいです!」

元気が出たのを確認すると、僕も弁当の蓋を開け食べ始める。

「あぁ、でも....私的にはライト様に指摘されるのなら嬉しいんですよね....将来のためっていうか....むしろそっちの方が....」

「?」

小声で喋るスィに耳を近付けようとする。


スッ


空気が切れるような、何かが横を物凄いスピードで飛んできたような音がする。

音のした方を見ると、倒木にクナイが刺さっていた。

スィと異変に気付き、警戒する。

僕は辺りを見回す。


かすかに草むらが動く。

動いた草むらにクナイを投げ返す、すると隣の草むらから手が飛び出し、クナイをキャッチする。


「おいおい、手加減してやってくれよ魔人さん....」


キャッチされた手から順に、徐々に草むらから体を出して行き、その全体が見れる。


「忍....?」


忍びのような格好をした男が現れる。

口元は、布で覆われていて見えないが、ニヤニヤとした目元は見える。

「こいつは、まだまだ初心者なんだ、勘弁してやらねぇと死んじまうところだったぜ?」

そう言いながら、顎をクイッと上にあげる。

まるで何かに指示するように。


すると続々と草むらから忍の格好をした奴らが現れる。

「こいつが、指名手配中の魔人か?」

違う忍に、リーダーのような奴が聞いている。

(奴が、このグループのリーダーか?)

部下のような忍が答える。

「どうやら、そのようで」

「そうか....」

それを聞いた忍グループのリーダーは、何かを決心した様子で、僕らの方を見る。

「お前ら、悪いが....」


「死んでくれや」









(次回は21日に投稿の予定です。次回からは戦闘に入ります。正直書いている僕も初めて、ちゃんとした戦闘シーンを書くので緊張しています。面白くしていけるよう努力します!ご意見、ご感想の程よろしくお願いいたします。)

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