銃兄弟・兄戦 上編
「城か…」
ガチャ……キィ…
やつの残した痕跡を辿り、山を登った。
このステージで最も大きい山だ。
その山には城がある。
かつての我らの…………
今は無き城だ。
ただの城。
名もなき城。
そこの城の重い扉をゆっくりと開ける。
作り物とは言え、我ら暗殺一族がいた証だ。
「…しかし、一対一の勝負にはこれ以上ない場所を選んだな」
城に入ると、真ん中には2階へと続く、大きな階段があり、一階には扉が等間隔で設置されている。
空気感的な話をすれば、中はホコリが充満しており、薄気味悪く…かつ不気味な雰囲気だ。
なるほど、文献でしか見たこと無かったが、文献の通り、忠実に再現し、俺等の要望通りに作るとこうなるのか…。
「…」
俺は真ん中の二階に続く大きな階段を使い、2階へ向かった。
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奴が階段を静かに上ってくる。
俺は、階段を上り、ライトのいるであ
ろう右の部屋に向かう。
階段を上り終えたかと思うと、
一直線に迷うことなく僕のいる部屋へと
向かってくる。
殺される人間、抵抗する人間、何人 も見てきた。
だからこそ、感じ取れる殺気があるのだ。
恐らく奴がいるのは右だとな。
奴が一部屋、また一部屋と
確認していくのが分かる 一部屋、また一部屋と見ていく。
最後の部屋だ。
キィーーー...とドアが開く。
ドアを開く。
だが、ここまでは想定の内だ。
そもそも、僕の目的は時間稼ぎを
することじゃない。
奴を
“倒すこと”だ
重苦しい音とともに、扉が開き...
ベッドにふくらみがあるのが分かる。
俺は、一目散に奴のいるであろうベッドへ
行き、右手にナイフを逆手持ちにし、左手
で銃を構える。
カチャ...
恐らくだが、今僕のいるベッドの上で
銃が構えられている。
俺は、奴のいるベッド上で引き金を...
引いた。
とてつもない至近距離での発砲音が
布団を貫通して、鳴る。
その瞬間だった、ライトは布団の下から
出てきて、得意の至近距離にて刀を俺に
向かって右から大きく振りかぶる。
(袈裟斬り!)
そのすさまじく、早い抜刀術に対応が
遅れるが、右手で持っていたナイフを
逆手持ちし、そのままライトの
顔面めがけてナイフを投げつける。
だが、避けたのだ。
まるでスライムのように顔を変形させ、
ナイフを避けた。
一瞬、何が起こったか分からなかった。
「shadow!(影よ!)」
奴は目の前で消え、刀が宙を舞う。
僕は刀を捨て、奴の影へと瞬間移動する。
そして奴は、刀を持っていたであろう
右手で俺の顔面めがけて。
そして僕は、右手で思いっきり...
奴の顔面めがけて
後ろから
力任せに
勢いよく
殴った。
俺は衝撃に耐えきれず、勢いよく飛ぶ。
僕は奴が吹き飛んだのを確認し、
先程捨てた刀の元まで向かう
全て想定内...だが問題はここからだ。
ライトとの実力は拮抗している。
勝敗は五分五分だ。
だが、”絶対に”言えることがある。
間違いなくこれだけは確かだ。
僕
「この勝負勝つのは だ」
俺




