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魔王討伐  作者: 甘党辛好
29/45

銃と魔法

ーーーーーライト&ミール姉弟チーム視点


扉を開けると、暗い雰囲気が広がる町に出る。

といっても、周りは家等があるが、道は一本道だ。

その道の先は、小さな家に続いている。


(扉は…なくなったか…となると、行くしかないって感じかな)


「まぁ罠だろうが、どのみちクリアしなくちゃいけないし、後ろの扉もない…進むしか無いな」


「はーい!」

「はい!」


ミールとモカの了解も確認し前へ進む。

一本道のためただひたすらに歩く、最初こそいつもより警戒していたが、妙な殺気も感じないので少しリラックスしながら進む。


「なんか、この暗い雰囲気…ドキドキするな!」


「こらモカ、遠足じゃないんですよ」


「まぁ、分からないでも無いな…暗いところって少し…ワクワクするな」


「ライト様も!」


「まぁまぁ、良いじゃねーか姉ちゃん!姉ちゃんの尻尾も動いてるぜ?」


「え!?あっ!」


モカに尻尾を指摘され、反射的に尻尾を確認するミール。

尻尾は動いていなかったが、反応からして図星だろう。


「反応からして図星だな、モカ」


「うん、ライト様」


「……意地悪です…」


ミールの尻尾と耳が垂れる。


「全く、姉ちゃんは…これからは素直に…」


「ッ…!」

家の前着きそうな辺りで、とてつもなく嫌な殺気を感じる。

確かに誰か家の中にいる、しかも一人じゃない。

恐らく…二人。

家の中にいる人物達は明らかにこちらに敵意を向けている。

嫌な予感がする。

虫の知らせというやつか…。


「…ミール、モカ!」


僕が呼びかけると雰囲気で察したのか、二人共直ぐに僕の方を見る。


「はい!」


「僕が合図を出したら、ミールは得意の風魔法を使って逃げる準備をしていてくれ」

「状況次第だが…僕を抱えながら逃げてくれると助かる」


「分かりました」


「モカは、ミールの風魔法で逃げた後に直ぐに戦闘態勢に入ってくれ」


「うん!分かった!」 


「恐らく…相手は二人だ、相手の戦力差に応じて僕は臨機応変に動く」


「了解です!」


「じゃあ、心して行くぞ」


「はい!」



ーーーガチャ


家のドアを開けると小さな廊下とその先にドアがある、恐らく奴らはドアを開けた先にいるのであろう。


僕はミールとモカの方を向き、準備できたか?という意味でアイコンタクトをする。

ミールとモカは、それに頷き返す。


(よし、行こうか)


ーーーーーガチャ


ドアを開けると、リビングになっており、小さなテーブルをマントをした男二人組が椅子に座って、囲んでいた。

一人の男が席を立ち、僕らに話しかける。


「…遅かったな、随分」


その声を聞き、モカは一瞬で背中にかけてある剣の柄の部分に手をかけ、警戒態勢に入る。

僕がモカの方を向き首を横に振る。

それを見たモカは、握っていた剣の柄の部分を離す。

それを見終えた僕は、奴らに話し返す。


「…道が単調すぎてな、眠かったのもある」


「…そうか…単調な一本道すらも歩けない鳥頭ってことか…それとも?ここに来るまでの、他のステージに苦労したのかな?」 


もう片方の男も話し始める。


「だとしたら相当弱いね兄ちゃん」


兄ちゃん…恐らくこの二人は兄弟なのだろう。

そう考えていると、ミールも魔法を放とうとする。

多分だが「弱い」と言われて腹が立ったのだろう。


「…ミール!」

僕はミールの名前を叫び、手を横に出し「やめろ」と抑制する。

一連の流れに気づいた「兄」と呼ばれた男は再度話し続ける。


「おいおい、獣人は御主人様の言う事を聞かなくちゃいけないだろ?勝手な行動は身を滅ぼすぞ?」


「ご忠告ありがとうな、だが…そっちのブラコン君もお行儀がなっていないようで?」


恐らく「弟」と思われる座りっていた人物がテーブルの下から銃でこちらを狙っていた。


「…これは…ハハッ、失礼した…弟よ?」


「ごめん兄ちゃん」


「いつも言っているよな?空気を読みなさいと」


「ごめん…」


兄と思われる人物は、弟が持っていたテーブルの下の銃を取り上げテーブルの上に置く。


「身内が失礼した…いや、こういう時は愚弟というのかな?」


「兄ちゃんも空気読んでないじゃん」


「ハハッ、確かに…その通りだな」



「お取り込み中のところすまないが…良ければそれぞれ始めないか?お互い早く終わらせたほうが良いだろ?」



「…ライト…だっけか?まだ早いと思うがな…今はお互い探り合いながら冗談を言うターンだろ?」


「どっからその知識持ってきたの?兄ちゃん」


「黙ってなさい」


こっちの情報はある程度分かってるか…。


「そっちの獣人の子たちは情報に無かったが…どこで仲間になったんだ?」


「教える訳が無いだろう?」

「それに…すまないな…生憎、馬鹿とあまり話している時間は無いんだ」


「ほう、俺等が馬鹿だと?だったら好都合だ、君らはトリ頭だからな…一緒に馬鹿できるじゃないか」


そう言い終えると、兄と思われている人物はこちらに話しながら歩いてくる。


「それによう?…ライト君、話を急いでは行けないな…もしかしたら俺等は君たちの味方かもしれないのに」


「だったら銃で狙わないだろ?」


「ほう!そこまで頭が回るか…鳥から猿に昇格だな!」


男は、僕の前まで来ると素早くマントからナイフを取り出し僕の顎下からナイフを付きつける


「話を急ぎすぎる辺り…君は童貞か?安心しろよ、俺もヤッたことないからさ」


まるで柔らかいものを切るかのように簡単に、手こずることなく。

奴は、僕の首を掻っ切った。

ただのナイフでだ。


僕の斬られた頭がコロコロと床に転がる。



「まぁ、ただ…魔人だからね魔結晶が破壊されない限り再生されるよ」


「あぁ、その通りだ、よく分かっているな弟よ」


メチッ…メチチッ…。


「おぉ、グロいな中々」

「痛かったか?」


頭が再生した僕に向けて放った第一声。


「全然」


弟と呼ばれている人物はその言葉を聞き、少し驚いた顔をする。


逆に”兄と呼ばれる人物“は少し怒ったような顔をし、僕を睨む。


「…なぁ?」

「魔人は、再生するのに魔力が必要だと聞いた」

「部位毎に魔力の消費量が違うというのもな」

「頭を再生するのには、とてつもない魔力が必要なはずだ」

「その場合、大量の時間をかけるか、大量の魔力を消費するはずだ…ナメてんのか?」


「フッ、だったら?」


「兄ちゃん」


後ろに居た“弟”の声で兄は床に倒れる。


「…?」

疑問であったがすぐに解決した。


「…!」


ロケットランチャーだ。

気付いた瞬間に後ろへとジャンプし避けようとする。

「Reflect!(反射せよ!)」


「残念、それは実物だぜ?」


反射は無理か!…


「ミール!」


「はい!」


「全ての風の精霊よ私達に荒々しい風の加護を…」

「gust of wind!(突風!)」


ドォン………と玄関先が、僕らに向けて放たれたロケットランチャーで爆破される。

玄関に煙が立ち込む。


なんとかミールの魔法のお陰で難を逃れる。


先程と辺りの景色が違う。

辺りを見回す。

明らかに広くなっており、道も枝分かれしている。

家も明らかに増えており、正しく町と言っても差し支えないほどの建物だ。

恐らく魔法で変わったのだろう。


「ありがとう、ミール」


「いえ」


「モカ!直ぐに戦闘態勢だ」


「うん!」




「ライト…君…魔術が使えたのか」

「だったら先に言ってくれよ」


また銃声がする。

5発ほど放たれたであろう銃弾はすべて不発に終わる。


「どこ狙ってんだよ」


「完璧に捉えたと思ったが?」


煙で姿が見えないが、こちらに向かってくるのが何となく分かる。



「…?何を言っ!」

グチュ


言い終える前に後ろから腕と肩の堺に銃弾がめり込む。


「ハァ……ハァ…」


「跳弾って知ってるか?」

「単純に言えば、銃弾が跳ね返る事なんだが…」

「俺はそれを、他の銃弾に当て調整できる」


「そんな馬鹿なこと…」


「出来ないと思うか?何千回、何万回、何億回も練習したんだ」

「…そうそう、その銃弾は特別製でな、ある魔法が施してある」


「あっ…あぁ!」


「そろそろ効いてきてるか?」


魔力が…!

魔力が吸い取られている!



「魔力を吸い取るんだ、その銃弾に魔力が集約する」

「安心しろよ、その銃弾だけだ」


「ライト様!」


「ミール!モカ!僕のことは気にするな!目の前の敵に集中しろ!」


「はっ…はい!」


明らかに分が悪い戦闘…しかしやらなくてはならない。

僕らが殺らなくちゃ、僕らが殺られる。


「第一ラウンド開始だな!」











(皆さんこんにちは、さて色々な銃を調べました、疲れました。えぇ、彼らは銃兄弟です。いい名前ですね。次回は10月1日中に出す予定です!よろしくお願いします!)


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