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魔王討伐  作者: 甘党辛好
19/45

勇者と夢

―――――――――――数日後


「じゃあ、行くか」

山月がリュックを背負いながら話す。


「あぁ」


「お前らも行くぞ~」

山月が外にでながら、まだ準備をしているメンバーを呼ぶ。


「ちょっと待って下さ~い」


「姉ちゃん、遅いって」


「あ、私も待ってほしいです~!」


あの事から数日が経過し、いよいよ僕達は山月案内のもと、人間界に行く事になった。

メンバーは、僕、山月、スィ、モカ、ミールの五人だ。

モカとミール、スィはどうやら、初めて行く人間界に興味津々らしく、とても楽しみにしていたからか、昨日は良く寝れてないらしい。


「....ったく、先行ってんぞ、ライト」


「まぁ....もう少し待とう」


「いや、十分待ったぜ?」

そんな会話をしていると、スィの声が聞こえる。


「すみませ~ん!遅れました~!」

スィに続いて、ミールとモカも付いてくる。


「はぁ、だいぶ待ったぜ?」


「山月さん....女の子を焦らせるのはモテないですよ」


ミールに冷めた目をされながら、真顔で言われる山月。

グサッという効果音が似合う表情をする山月。

・・・恐らくクリーンヒットだったのだろう。


「その点、ライト様は待ってくれる辺り、モテますね」

スィ、恥ずかしそうに言う。


「姉ちゃん、俺は?」


「モカもモテるよ!」

ミールに褒められ嬉しそうなモカ。

その後ろで、僕とモカに物凄い殺気を向ける山月。


「いや、俺もモテるからな!あっちの世界にいた頃なんて....」

何か言い返そうと山月だったが、ミールに遮られる。


「さて、山月さん?どっちに向かうんですか?」


「あー、はいはい無視ね....」

悲しそうな表情をする山月だが、それでも案内はしてくれるようだ。

優しい。

ありがとう山月。


全員揃ったので、セリナさんとウーさん、餓鬼さんに挨拶をして家を後にする。


―――――――――――――


「なぁ、ところでなんだけど....」

暫くあるいた所でモカが山月に質問があるようだ。

「元勇者って何をやったんだ?」


「あ、私もそれ気になってました!」

ミールもモカに同調する。


「は?」

山月は、「知らないなんてありえない」と言った表情をする。

「え、お前ら何歳だっけ?」


「私は12です」


「俺は10だ!」


「おいおい、マジかよ?」

そう言いながら頭を抱える山月。

頭を抱えながらも山月が、僕の方を見てくる。

「教えとけよ」

「その位の年齢なら知ってなくちゃおかしいだろ」


「いや....まぁ、すまん」

ごもっともだ、山月からしたら話したくない内容の一つだろうに....すまんと思う。


「はぁ~....あのな、例えばだがお前らのいる世界が滅亡するけど、転生者を召喚したら滅亡しないってなったとしたら、召喚するだろ?」


「うん」


「はい」


「じゃあ、次に条件を足そう」

「その転生者には当たりとハズレがあり、当たりの確率は1/100だとして、当たりだったら滅亡を阻止できるが、ハズレだったら滅亡阻止できないとしたら....当たりが出るまでガチャガチャをし続けるだろ?」


「まぁ、そうなりますね」


「俺もそうするな」


「そう、皆そうするんだよ、俺もするし、俺はハズレ側の....99/100側の人間だったとってことだ」

「そうして、沢山ガチャガチャをしていった結果、元勇者達が量産されて行った」

「んで、1/100の勇者かどうか分かるには、ある程度の日数が必要なんだよ、だから分かるまでは勇者として活動するんだ」

「だから一時は勇者として活動して、ハズレ側の人間だったら勇者をクビにして次の転生者を召喚するって訳だ」

「つまり、俺は一時は勇者として活動してたがハズレだったから元勇者になったんだよ」


「それ....酷くないですか?」

ミールが、山月に正論を言う。


「確かに、その通りだが....分からんでもないんだよな、俺達の世界が同じような状況になったら、きっと俺達も同じ事をするだろうし」

「だから分からんでもないんだ」


山月は諦めたように言う。


「だからこそ、ライト!」

「絶対魔王倒すぞ!俺は勇者にもなりたいんだ!」


「フッ....分かった」

山月の明るさでこちらまで元気を貰う。


「でもよ?山月には超パワーがあるだろ?」

モカは、この説明では不服らしい。

数日前、仲間になって貰ったときに山月が自身の強さを教えてくれた。


―――――

「魔法は使えないんだが、俺は力が強いんだ」

―――――


「ん?あぁ、勇者の条件があるんだよ、冷静に考えて魔法やスキルがある世界で、常人よりパワーが強いってだけで、魔力や妖力、スキル、加護が何もねぇってなると....そりゃ弱いだろ」


「....でもよ....」


「まぁ、ありがとな、気持ちは嬉しいよ、俺は勇者に向いてるっていいたいんだろ?」


モカは、とても純粋で優しいのだ。

確かに、出会った際の話を聞いていると、これ程勇者に向いている奴はいないと僕も思う。


「だからこそ、さっきも言ったが魔王を倒せば、皆も守れるし、勇者にもなれるって訳だ」

万々歳ってわけ、といいたげなドヤ顔をする山月。


「まぁ、山月がそう言うならいいや」

モカも納得したらしい。

―――――――――――――――――――

暫く歩いて山月に聞かれる。

「町に着いたら何を最初にする?」

山月に聞かれる。


「そろそろ町に着くのか?」


「あぁ」

僕は山月含め、皆に今後のことを話す。


「色々な人の話を聞いて、僕のスキルの事現や魔王について聞きたい」


「ほぉ、で?」


「ギルドに行こうと思う」

他の皆は、驚いた顔をしていたが、山月は笑っていた。


「お~、良いな、ありがちな展開だけど」




(いやぁ、今回は短めですね、すみません....さて、次回は5月6日の12時に投稿します。)

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