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魔王討伐  作者: 甘党辛好
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先生と師匠

「ライト、お前に....ミールとモカの先生を任せたいんだ」


ミールとモカがここに来て数日

丁度ミールとモカが、ここの生活に慣れ始めた頃だった。


餓鬼さんの唐突な一言に思わず驚く。

「僕が....ですか?」


「あぁ」

「俺は魔力がないからな、魔法に関してはライトに頼んだ方が良いかなと思ってな」


「その、構いはしないんですけど....正直、セリナさんやウーさんに任せた方が良いのでは?」


正直なところ、餓鬼さんから「何を頼まれる」というのは嬉しい事ではあるが、尊敬する人からの頼み事程嬉しいものは無い。

しかし、ミールやモカの事を考えると、僕よりも実力のあるセリナさんや、ウーさんの方が先生として優秀だ。


「勿論、奴らも考えたが....セリナは研究に没頭してて頼みづらい、ウーに頼むのは....癪に触る」


この人達


いや、この鬼と牛はどこまで仲が良いんだ


と心の中で思っておく。


「まぁ、分かりました!他でもない餓鬼さんの頼み事ですし僕でよければ!」


至らない点もある、というの餓鬼さんに伝えた上で、僕は餓鬼さんの頼み事を承諾する。



――――――――次の日



「ということで、今日からミールとモカの先生として選ばれたライトだ、改めてよろしく頼む!」


僕らは外にて授業を始めようとしていた。


「はい!よろしくお願いいたします!」

ミールの元気な挨拶


「おぉ、ライト様がやるのか!楽しみだな!」

モカの元気な声


正直、誰かの先生となるのは緊張もあったが、嬉しくもあり少し感動する。


「さて、早速始めよう」


「ライト様!ライト様の事を先生と呼んでも良いですか?」

モカが提案してくる

「あっ!私も先生って呼んでも....」


胸の奥が熱い


今まで教わる側だった僕が、先生と呼ばれ、教える側になったのが自信で成長を感じる。

そして今から教える子達が、尊敬する方の弟子達ともなると本当に胸が熱くなる。


――――――


「先生、どうしたんでしょう?」


「なんかいきなり泣き始めてるぞ姉ちゃん」


「もしかして....先生と呼ばれるの嫌だったのかな?」


「え!そうなのか!?」


「....ライト様の方が良いかもしれないわね」


「わ、分かったぞ!姉ちゃん!」

「ライト様!すみません....」


―――――――


「え?」


先程まで感動に浸っていたが“ライト様”と言われ涙が引っ込む。


しかし、聞き間違いかもしれない


「すまん、今なんて?」


「その....先生といわれて嫌だったのかなって....だから、ごめんなさい!ライト様!」


やはり、聞き間違いでは無かったようだ。



「いやぁ、その逆というか....」

僕はミールと、モカに自身の思いの丈を伝える。


「成る程!良かった~、ライト様に嫌われたかと思いましたよ」


「少なからず、もうミールもモカも仲間だと思ってる」

「出会いこそ、まだ数日ではあるが....僕は出会った日数も大事だと考えているが」


「出会い方が一番大事だと考えているからな」

ガサガサガサと、後ろの草から巨体が出てくる。

「俺の受け入りじゃねぇか!ライト」


餓鬼さんがそう言うと、わしゃわしゃも頭を撫でる。

何故か、後ろから殺気を感じる。


後ろを向くと、ミールが凄い目でこちらを凝視している。


視線を向けても殺気が出てる辺り、恐らく



この殺気には本人も気付いてないかもしれない。



餓鬼さんが、頭から手を離すとミールは、いつもの表情に戻る。


成る程、そういうことか....


きっとミールは、餓鬼さんが好きなのか


ん?だとしたら....


この殺気が本人も気付いていない内に出せる辺り、ミール....


(恐ろしい子!)

というか

(女の子って凄いんだな....)


と思ったのは心の中でしまっておく。


「でも、餓鬼さん」


「なんだ」


「覗きとは....趣味悪いですよ」

僕は餓鬼さんに説教をする。


「うっ、で、でもよライト」


「なんですか?」


「ウーの野郎とセリナも見に来てるぞ、俺だけじゃない」

そう言うと餓鬼さんは、草むらの方を指差す。


指差された草むらの方を見ると、確かにウーさんとセリナさんがいた。

そして、ウーさんと目が合う。


「馬鹿、餓鬼テメェ!内緒だって言ってたろ!」


「いやぁ、だってよ?セリナなんて....」

「成長したな....」

「って泣き出すしよ」


「はぁ、お前なぁ」


一連の騒動を見てたミールとモカが笑い始める。



あぁ、こんな時間が一生続けばいいのに


――――――


餓鬼さんとウーさんと、奥にいたセリナを家に返して授業を始めようとする。


「ん~、でも改めてライト様って言った時にですね」

「とってもしっくり来たので、やっぱり私は先生より、ライト様とお呼びしたいです」

ミールが提案する。


「え、俺は先生って呼びたいな」

モカは先生派らしい。


「その~、恥ずかしい話なんだが、僕も先生と呼ばれたいなー....なんて....」

僕も、先生派だ。


「ん~じゃあ、日常生活の時はライト様、授業の時は先生って呼ぶのはどうですか?」


色々話し合った結果、ミールの案にいくことに決定した。


「じゃあ、今日からよろしくお願いいたします!先生!」


二人の元気な声で僕は誇らしくなる


「あぁ!」


こうして、僕はミールとモカの先生になった。


――――――――――数日後


ガチャッ


ドアが開く


先程まで柔らかい雰囲気だったのが一気に殺気だち、開いたドアの方を見つめる。


ドアから1人の人間と、怪我をした牛人族の子供が目には入る。

子供は、人間にお姫様抱っこをされている。


人間は、僕らを見るなり口を開く。



「助けてくれ!」


(お久しぶりです。次回の更新は3月11日です。さて、次回は僕のお気に入りのキャラクターの登場です!ぜってぇ見てくれよな!また、今回の話は相当読みにくかったと思われます。もっともっと、読者の皆様が読みやすいような書き方に改善していきます。この度は誠に申し訳ございません)



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