騒がしい朝
カンカン カンカン
早朝から金属音が詰所に響き渡る。音を聞き、衛兵たちは活発に動き出しその表情緊張が走っている。この音は城壁から鳴っており冒険者が帰って来た時に合図として隊長が用意しておいたものだ。
冒険者が帰ってきのだ
シオンとラドは朝から鳴り響く金属音に、目を覚ましラドは五月蠅そうに窓から外を覗きシオンは装備の確認をしていた。
「何なんだこの五月蠅い音は」
「恐らく、冒険者が帰って来たのを知らせる音ね。住民も困惑してるみたいだから襲撃があった訳じゃなさそうね」
「帰ってきたのか・・・・」
「えぇラドグレスを起こしておいて」
「分かった」
ラドはこの騒音の中すやすやと眠りについているグレスの所まで行き、気持ちよく寝ているのに起こすのは悪いが心を鬼にして起こす。
「グレス朝だぞ起きろ」
「うん」
「うわっ吃驚した」
ラドはグレスを起こすために一回揺すっただけで、グレスが勢いよく起き上がってきたので驚き仰け反るとグレスは何の気にも留めずベットから降りた。
「寝起き良いなグレス」
「うん」
「すぐ動けるように支度しな」
3人がそれぞれ準備をしていると、焦ったように素早いノックが休憩室の扉を叩いた。
トントントン
3人が答える前に扉が開き、中に入ってきたのはリリナだった。
「いきなりすみません」
「いいえ、冒険者が帰ってきたのでしょ?」
「はい、先程冒険者が帰還されました。第一証言者であるシオンさん達にも報告の立ち合いをして貰いたいとのことなので今大丈夫ですか?」
「ええすぐ出れるわ」
「お願いします」
シオン達は予め準備をしていたので、すぐに部屋を出ること事ができ隊長の部屋まで案内される途中でラドはシオンに
「何で俺達まで呼ばれるんだ?」
「私たちが持ってきた情報が正しいかどうかの判断や、冒険者たちが嘘を言っていないかを確かめるためでしょうね。実際に森に入ったことがある人の意見も聞きたいって言うのも呼ばれる理由ね」
「なるほど・・・・だけど情報が合っていれば疑いは晴れるんだろ?」
「そうね」
リリナは2階の奥にある隊長室の扉の前に立つと、ゆっくりと扉を叩いた。トントントン
「入れ」
「失礼します。4等級冒険者シオン様と同行者2名計3名をお連れしました」
リリナは返事を聞くと扉を開き、要件を述べる。部屋には、調査に行っただろう冒険者4名とギルドマスター、衛兵隊長が揃っていた。椅子に座るよう、衛兵隊長ヴァルクが手で示すと席に着き会議が始まった。話を切り出したのは、ギルドマスターキリガンだった。
「早速だが、調査結果を聞かせて貰おう」
冒険者パーティーのリーダーであろう大剣を背負った大男が森の状況を話し始めた。
「はっきり言って状況は悪い。このままでは、確実に魔物の蹂躙が起るだろう」
「根拠は」
エリガンは嘘偽りは許さぬと威圧を出しながら、問い詰めるが大男は威圧を気にすることなく淡々と状況を説明していく。
「まず、森の魔物が以上に強くなっている。森の調査中何度も魔物と戦闘になったが、上位種だらけだ。変異種まで次々と現れやがるし、下位の魔物なんて見やしない。魔物の数はそこまでいないが、質が高くなってやがる。大規模なゴブリンの巣とオークの巣を見つけたし、どんどん拡大して街を襲うようになるだろう」
「規模は?」
「キングかクイーンが居るのは確定だな」
「そこまでか・・・・」
「巣は無いが、森の中に強い魔物がうようよしてやがるし強さが極まったら、後は大量発生だけだな」
魔物の蹂躙が起こる前の特徴として、様々な上位種が生まれ通常の状態から一段階危険度が上がるというのがある。上位種になり強さが一定以上になったら、自分の剣族や子供、配下を増やし数をどんどんと膨れ上がらせ魔物の群れとなる。この現象は何度も観測され、論文にもなっているため冒険者達でも知ってることが多い。もちろんエリガンも知っているため現状がどれだけ危険な状態なのかを理解していた。
そして、打開策も
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