わいわいガヤガヤ
リリナが席に着くと4人は、笑顔で料理を料理を食べ始めた。グレスは無表情で大量に盛られた料理を黙々とハイペースで食べ進めていき、シオンは肉を中心に味わいながら食べていく。ラドはシチューとパンを交互に食べていき、リリナは行儀よく綺麗に食べていくがそのペースは速い、それぞれ食べ方に特徴が表れるが全員食事を楽しんでいた。
「ん~本当に美味しいわね」
「あぁ毎日食べても飽きないと思うな」
「ほぼ毎日食べてますが、飽きたことは無いですね」
「・・・・それにしても、兵士さんの活気が凄いわね」
食べている間も食堂内は賑やかで、兵士たちの笑い声や話し声叫び声など元気が有り余っているかのような様子にシオンは笑みをこぼすがリリナは申し訳なさそうに
「すみません、うるさいですよね?」
「そんな事無いわ、食事は賑やかな場所で食べる方が美味しいもの」
「そうだな。笑い声を聞いてるとこっちまで楽しい気分になってくる」
「良かったです・・・・うちの兵士は、元気の良さが取りえですから」
「それに・・・・兵士達はもう知ってるのでしょ?」
「・・・・はい」
昼間見た限りでは、多くの兵士が魔物の蹂躙に対しての準備を行っていた。何も知らされず、準備をしろと言われてあそこまでの活気にはならないはずだ、つまり兵士たちは魔物の蹂躙が起こる可能性を知っているという事だ。それなのにここまでの活気を保ってられるの凄い事だとシオンは思った。
「多くの人は恐怖に囚われてしまうけど、ここまで活気を持ってるのは凄いわね」
「そうですね・・・・隊長とギルドマスター、領主様のおかげでここまでの活力を保ててます」
「なるほどね・・・・領主様は慕われているのね」
「もちろん!素晴らしい方なんですよ」
見るからに高い実力を持っている衛兵隊長と小規模だが魔物の蹂躙を抑えた実績があるギルドマスター、この2人が兵士の心の支えになることは解るが領主まで心の支えになっているとは思わなかったシオン。確かにここまで早く準備に動くことが出来るということからは、領主が優秀だということが分かるがそこまで慕われる領主の姿を想像できなかった。ラドもフォルトの街の領主は碌なことをしない領主だったため、そこまで慕われる領主が分からないと、
「領主様はどういう人なんだ?」
「街のことを一番考えてくれて、民の言葉を聞いてくれる方です。孤児を無くすために、孤児の保護を積極的に行っていますし、スラム街の人にも救済の手を差し伸べているのです。それに、生活がし易いように仕事の斡旋所を作ったり衛兵の意見も聞いてくれるなど良い意味で貴族らしくない人なんです」
「そこまで領地に働きかける人も珍しいわね」
「そうなのか・・・・」
リリナは意気揚々と領主の素晴らしさを語り、その様子から本当に領主を尊敬していることが分かる。シオンは多くの街を旅してきたので、良い領主と悪い領主どちらも見てきたがここは良さそうだと感じた。ラドは今までの生活で領主は良い事をしないという考えが染みついてしまってまだ疑っている。
「この街の人はみんな領主様の事大好きなんですよ!それに隊長と古い付き合いですから」
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