表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空っぽ少年と色深き者たち ~世界を彩る物語~  作者: 和吉
オーレント王国 決断の街イエリ―
68/87

衛兵と食事

 食堂に向かう間に多くの衛兵とすれ違い、挨拶をしながら食堂の中に入るとそこはとても賑わっていた。多くの衛兵が食事を取りながら同僚と会話し、陽気な笑い声まで聞こえてくる。カウンターに料理を取りに行ってる人、テーブルで食べている人誰しもが、目を輝かせて夕飯を食べている。


「凄い賑わいね」

「こんなに衛兵って居たのか」

「ひと段落着いたみたいなので一斉に夕飯を取ってるので、いつもより人が多いですね」


 シオンとラドは昼間との比較に驚きながら、食堂を進んでいくと入ってきた4人に気付いた衛兵たちが探るような眼で3人を見る。その視線に気づいたシオンとラドは居心地が悪そうにすると、リリリ名が食堂に居る兵士に向けて、


「この人達は客人です。皆さん失礼が無いように」


 リリナはじろじろと見る兵士たちに向かって笑顔で丁寧な口調だが、失礼なことをしたら解ってますよね?と後ろに鬼でも居るかのような圧を向ける。リリナの笑顔から圧を感じた兵士はすぐさま頷き視線を逸らした。急に視線が外れたシオンとラドは不思議に思ったが、副隊長ってすごいんだなと納得し気にせずカウンターに向かいシオンとラドは角度的にリリナの絶対零度の笑みを見ることは無かった。


まったく・・・・気になるのは分かりますが不躾過ぎます。


 リリナは兵士に対しての教育を改める必要があると溜息をつきながら振り返ろうとするとグレスが真横でリリナを見ていた。


えっグレス君横に居たのね!?気配がないから気付かなかったわ・・・・もしかして、今の見られた?


「グレス君今の見てた?」

「うん」


あ・・・・最悪、グレス君に怖い人だと思われたかも。どうにかして、弁明しなきゃ


「あのグレス君今のはね。あれ?居ない」


 グレスはリリナがどうやって弁明しようかと悩んでいるうちに、スタスタとカウンターに歩いて行ってしまっていた。グレスは、怖い表情やリリナの言動を一切気にしておらず今頭にあるのは食事の事だった。そんなグレスの心情が分かるはずもなくリリナは


終わった・・・・絶対怖がられた。


 グレスに怖がられたと思い肩を落とし落ち込んで、カウンターに向かって歩くグレスを眺めていると。ふと後ろから肩を叩かれ振り返ると、良い笑顔を浮かべた部下が親指を立てながら


「副隊長ドンマイですっ!」

「君、明日訓練2倍ね」


 励ましているのだろうが、あまりにも良い笑顔過ぎでイラッとしたリリナは訓練2倍を伝え後ろで文句を言っている部下を無視してグレスの後を追う。


励ましただけなのにって文句言ってるけど、絶対あれ面白がってる顔だった。まだ挽回出来るはず!


 意気込むリリナだが当の本人はカウンターに並びローズによそって貰ったのを真似して大量の料理をプレートに持っているところだった。そんな様子のグレスを見てシオンとラドは


「夜もいっぱい食べるのね」

「食べきれる量だけよそえよ。残しのは失礼だからな」

「うん」


 昼間と変わらぬ量をよそうグレスに半分呆れが混ざったような顔で、シオンとラドは注意するが料理をよそうグレスの手は止まることは無かった。リリナが3人に追いつきグレスの様子を見ながら


「たくさん食べることと好き嫌いせずに、食べるのは良い事ですよ」


リリナは笑顔で話すが、グレスはそそくさと席に着き食べ始めてしまった。


やっぱり怖がられてますね・・・・


「グレス、みんなで一緒に食べましょ」

「うん」

「すぐ行くからちょっと待ってね」


 グレスは返事すると食べるのを中断し、3人が席に着くまで待つことにした。シンとラドはもうよそい終わって席に向かうところだったため、リリナは急いで食事をよそい3人が待つテーブルへと急いだ。 

読んで頂きありがとうございます!

コメント・感想・評価・ブックマークお願いします。

基本毎日投稿しており、時間は決まってません。

twitterで更新状況を発信しているので、宜しければフォローお願いします。

#空っぽと色

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ