ちょっと休憩
いっぱい話したわね~リリナさんが帰ってくるまで少し休憩しましょうか」
そう言うとシオンは体を伸ばし、ベットの隣に置いてあるリュックまで行くと何かを取り出し戻ってくる。
「何を持って来たんだ?」
「茶葉よ。好きだからいつも持ち歩いているのよ」
「へ~」
「ちょっと食堂まで行って、コップとお湯が貰えないか聞いて来るわね」
ラドが聞くと、木の箱に入った茶葉を見せ4人で飲もうと部屋から出ていくくシオン。ラドは色んなものを持ってるんだな~とシオンの持ち物の多さに感心しながら、ずっとはなしを静かに聞いていたグレスとシオンが帰ってくるまで話すことにした。
「グレスはさっきの話理解できたか?」
「うん」
「おっ頭いいなグレスは~グレスはやっぱり魔法を使ってみたいか?」
「魔法」
「そう魔法!やっぱり誰でも魔法に憧れを持つよな~俺も小さい頃は魔法を使って色んなところに行くんだって夢見てたな」
ラドの質問に単語でしか答えないグレスだがそんなこと気にせずラドは会話を続けていく。ラドの返答に笑顔になり頭を撫でながら、やっぱり魔法を使いたいよなわかるわかると頷きながら会話を繋げていく
「リリナも魔法が使えなくてな・・・2人でもし魔法が使えたら何したい?って色々話したな」
「リリナ」
「リリナはな~花が好きだから家の周りを花で覆い尽くす魔法が使ってみたいっていう可愛い願いで俺は、魔物を倒して冒険をしてみたいっていう願いだったんだ」
「冒険」
「グレスも冒険がしたいのか?・・・本音を言うとグレスには冒険に出て欲しくないな。二度も子ども失いたくはない」
「マナはまだ10歳だったから魔法の属性については調べてなかったんだ。俺達はどちらも魔力は少ないし魔法が使えないから魔法は使える可能性は低いけど、優しい子だから人々の為に魔法を使うんだろうな」
グレスの頭をゆっくりと撫でながら、2人の思い出を語るラドはとても優しい顔をていた。ラドはじっとグレスを見つめると、
「きっとマナはグレスと良い友達になっただろうな。面倒見もいいから、今のグレスとだとお姉さんぽくなるかもな」
優しいが悲しさを匂わせた表情でもしもを語るラド。グレスはそんなラドの顔を見ると、
「悲しい?」
「・・・悲しいよ。今はグレスと一緒に居るから紛らすことが出来るけど夢に出てくるんだリリナとマナが。二度と起きたくないくらいには、2人が恋しいよ」
グレスのストレートな質問にドキッとしたが、優しい顔が段々曇っていき悲しい表情で、ゆったりとだが気持ちがこもった声で答えるラド。泣きそうになってしまったが、
「ごめん!グレスからラドどっちかでいいから扉開けてくれないかしら?」
いきなりシオンの声が廊下から聞こえ、涙目になっていた顔を手で拭うと
「おう、今開ける」
顔を切り替え、シオンを仲に入れるために扉を開くとそこには、プレートにポッドとコップを4乗せたシオンが居た。シオンは開けてくれたラドにお礼を言いながら中に入ると、テーブルの上にプレートを置き席に着いたのをみてラドも自分の席に座った。
「私が居ない間どんな話をしていたのかしら?」
「おっとそれは男同士の秘密だから話せないぜ」
「なにそれ、なんか変なことグレスに吹き込んでたんじゃないわよね?」
ラドは泣きそうになっていたことが恥ずかしく、秘密だと誤魔化すがシオンは笑いながらラドの事を信用しているため深くは追及しないことにした。
「勿論グレスの教育に悪いことは俺が許しませんっ」
「男の子って分からないから助かるわ」
まるで本当の親子のような話をしながら、リリナが来るのをお茶を飲み待つことにした。
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