リリナと食事
食べながらで良いので、聴いていただけますか?」
リリナは、グレスを見て緩んでいた顔を引き締めるとラドとシオンに向けて真剣な表情で話し始めた。
「現在イエリ―衛兵隊は魔物の蹂躙に向けて準備を行っています」
「でも、魔物の蹂躙が起こることは確定ではないんだろ?」
「はい、森の調査に行っている冒険者が帰ってくるまでは確定することは出来ませんが、念の為に準備を行っています。その一環として、シオンさんには申し訳有りませんがこの詰所に滞在して貰います」
ラドの疑問に淡とリリナは答えていくが、シオンに目を向けると衛兵団からの要求を伝える。
「何かしらの要求は来ると思っていたけど・・・今懐事情が寂しいから依頼を受けて街の外に出たいのだけど、出来るかしら?」
「難しいですね・・・」
シオンは衛兵隊から何かしらの要請が来ることは予測していたが、まさか詰所に宿泊し行動制限が掛けられるものだとは思ってもみなかった。
薬師だから、何かしらの薬を作って欲しいとかだったら楽だったんだけど・・・・行動制限が掛けられるのは痛いわね。まあ、仕方ないか・・・
「どうして、シオンに制限を掛けるんだ?犯罪行為もしていないのに、冒険者に制限を掛けるなんてできるのか?」
ラドはどうしてシオンが行動制限を受けるのかを理解できず、怒ったような表情でリリナに抗議するがシオンは身を乗り出しているラドを手で押さえると、シオンはリリナに向かって
「私が持ってきた魔物の蹂躙についての情報の確証が得られるまで、監視するためですよね?」
「はい」
「な!?俺達が嘘をついてると思っているのか?」
「しょうがないのよ。物証は無いしもしも嘘だった場合街を混乱に貶めたとして拘束して裁かなきゃいけないものリリナさんは、正しく仕事をしているだけよ」
「そんな・・・」
「シオンさんが仰る通り、シオンさんの監視を兼ねての要請ですが、主な理由は実際に森に入った冒険者として意見を聞きたいという理由です」
シオンはリリナに事情を聞くが、その返答を聞きラドは自分達が疑われていると怒りをまた露にするがシオンは冷静にラドを鎮めるとリリナはあくまで意見を聞くことが理由だと説明を始める。
「確かに、シオンさんの情報によって魔物の蹂躙対しての準備を始めましたが冒険者組合のギルドマスターと領主、衛兵隊長が話し合った結果十分信用に値すると判断したため準備を行っています。ですので、もしも調査の結果魔物の蹂躙の予兆が無かったとしても罰則は与えられません」
「あら、随分と信用して頂けてるのね」
「魔物の蹂躙を経験したギルドマスターエリガン様が、判断されてますから」
「良かった・・・」
シオンはリリナの説明を聞き思っている以上に自分の情報を信用して貰えていることに驚くが、それだけギルドマスターの判断が重いことになる。ラドは罰則が与えられないと聞きほっとしたが、行動制限が掛けられていることは少し不服な様子でリリナを見つめる。
「衛兵隊から要請は以上となります。話は変わりますが、エリガン様がシオンさんの事を、鋭い観察力があると、普通は気づかないと評価していましたよ。よくあれだけの情報で魔物の蹂躙の可能性を導き出すことが出来ましたね」
真剣な表情で話していたリリナは打って変わり、表情を和らげるとシオンに尊敬の目を向けてる。
「前に小規模の魔物の蹂躙に出くわしたことがあるからその経験が活きただけよ」
「魔物の蹂躙を経験されているんですか?!」
「えぇサルザナ王国に居たときにね」
「よくご無地でしたね・・・」
「少し死を覚悟したけどね」
「なるほど・・・それで予測することが出来たんですね」
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