夜の話し合い
シオンは、衛兵隊長ヴァルクに話したことを、ギルドマスターエリガンにも話したが、エリガンは特に表情を変えることなく真剣な表情でシオンの話を聞いていた。
「先程の隊長さんには話していかなかったのですが、一緒にいた少年グレスと名付けたのですが彼も魔物に襲われています」
「なんということだ・・・」
「詳しく聞きたい」
ヴァルクは子供が襲われたと聞き手で顔を覆ったが、エリガンは魔物に襲われたことを詳しく聞きたいとシオンに詳細を求める。
「グレスは、種類とりどりの花が咲く花園があるという森の中にある村で彼を発見しました。発見した時彼の村は魔物襲撃によって壊滅していました。それで、最後の生き残りである彼を連れてきたのですが村の名前が分からないのです」
「ふむ・・・その情報からだとフォレト村かもしれんな。平原の先にある森の中にある村だろう?壊滅してしまったか・・・」
「ご存じなんですか?」
「詳しくは私も知らない。あの村は外の交流が少なく、冒険者が立ち寄るには街から遠すぎるから行くことも無いしな」
シオンから詳しい情報を聞き、ヴァルクは肘を膝に置き手で顔を覆ってしまったが、エリガンは村に心当たりがあるのかグレスが居た村についての話をシオンに話し始めた。グレスからは村の事は何も聞きだすことが出来なかった。そのため、グレスの故郷についてを知りたいとシオンは思っていたがまさかこんな所で情報を得られるとは思わず体を乗り出しエリガンに聞くが、エリガンもそこまで詳しくないと首を振る。
「そうですか・・・でも村の名前が分かっただけ良かったです」
「すまないな力になれず。君が伝えてくれた情報確かに魔物の蹂躙が起こる可能性が有る物だった。ここに来るまでに、森への調査を冒険者に出しておいた明日か明後日には森の状況が分かるだろう」
「早いですね」
「私もこれでも元2等級冒険者だからね」
衛兵は街の中で活動するはのが中心だが冒険者は街の外で活動するのが基本であるため、シオンの情報がどれだけ重要なのかをヴァルクから聞いたときに理解していたエリガンはここに来るまでに既に冒険者に調査を依頼していた。シオンから話を聞いたのは、話の重要性を確かめるのではなく情報の確認という意図が強かった。
「良く依頼が出せる冒険者が捉まったな」
「偶々報告に来ていた2等級冒険者パーティーが居たからな森にも詳しいし、調査能力も申し分ないから依頼料割増しで依頼した」
「流石だな」
「後は調査を待つしかない。シオン君には後程詳しく聞きたいが取り敢えずは休んでもらって構わないよ。ヴァルクもそれで良いだろう?」
「事を急ぐが調査を待つしかないか・・・万全の準備をしておこう。シオン君疲れているのに報告ありがとうゆっくり休んでくれ。宿は決まっているのか?」
魔物の蹂躙に対する準備を行うことは出来るが、森の調査が終わらなければ詳しい状況は分からない。今出来ることは、武器や物資の準備をしながら調査が終わるまで待つしかない。今は休むしかないのだ。エリガンは旅で疲れているだろう気遣って早めに休むことを進め、ヴァルクも何も出来ないのはもどかしいが今は待つしかないと休むことを進んてくる。シオンも確かに長旅で疲れていたが、街に入ってから宿を探すつもりだったため休む場所が決まっていないし、こんなに遅くなってしまった為空いている宿も少ないだろうと沈んだ顔で答える。
「宿は決まってないんです・・・空いてる宿を探さないと・・・」
「こんなに遅くなってしまっては空いている宿も少ないだろう。良ければ休憩室に泊まるか?」
ヴァルクは沈んだ顔で答えるシオンに詰所に泊まることを提案すると、シオンとエリガンは驚いた顔をしてヴァルクを見る。
「有難い提案ですが・・・良いんですか?」
「珍しいなそんな提案をするとは、どういう風の吹き回しだ?」
2人に驚いた顔で見られたヴァルクは2人から顔を逸らしながら、厳つい表情は変わらないが照れた様子で
「子供が寝ているのに移動させるのは可哀想だろ?」
言葉は少ないが、ヴァルクの優しさが言葉から感じ取れたシオンはキョトンとした顔に成ったがすぐに笑顔に変わり
「それでは、お言葉に甘えさせて頂きます」
「うむ」
エリガンは、子供には甘いヴァルクを呆れた顔で見ていた。
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