門へ
日は落ちてしまったが城門へ近づいていく3人、城門の上には明かりがついており光の傍に人影が見えてくる。怪しまれないようにゆっくりと城門へ近づいてく。
「怪しまれると攻撃される可能性があるから、ゆっくりと手を上げながら近づいてくわ」
「解った」
「グレスも私達の真似をして」
「わかった」
敵意や怪しい者ではないという意思を示すために両手を上げ降伏のポーズを取り城門へゆっくりと近づいていく。その様子に城門の上の人影が気付き武器を構え、警告を発する
「何者だ!城門は既に閉じられている、街へ入りたくば明日の朝に来い!それ以上近づくのなら攻撃をする!!」
城門の上にいる衛兵の大きな声につられ、城門に何人も衛兵が集まりこちらへ武器を構え警戒をし始めた。武器を構えられたことに、ラドは緊張で額から汗を流すが、シオンは平然とした様子で堂々と衛兵の問いかけに答えた。
「私は4等級の冒険者シオン!それと私の仲間たちです!緊急の知らせを伝えたく城門が閉まっていることを承知で参りました!」
シオンの返答を聞き、衛兵は少し悩んだ様子を見せたが返答をした。
「緊急の知らせとはなんだ!ここで言え!」
「ビットの森で魔物が大量発生している可能性があります!もしかしたら、魔物の蹂躙の前兆かもしれません!」
シオンの言葉を聞いた衛兵たちが、騒めく。何かしらの事情があるとは思っていたが、まさか魔物の蹂躙の可能性の報告だとは思っても居なかった。もし、それが本当だとした大事となる。いくら大きな街であるイエリ―の街でも魔物の蹂躙に襲われたら、大きな打撃を受けることとなる。しかも、戦うの自分達衛兵だ。恐怖と言葉への疑念を覚えるが自分達では判断することは出来ないと上司を呼ぶことにした。
「その言葉偽りはないな?」
「はい、全て真実を話しています」
「分かった。私では判断することが出来ないため、隊長をお呼びするしばし待て」
そういうと、衛兵は隊長へと使いを出し門の前にいるシオン達を隊長が来るまで監視し始めた。
「大丈夫なのか?」
「えぇ隊長さんを呼んで貰えるのはとっても良い事よ。この街を守っているトップと直接話すことが出来るのだもの」
「なるほどな・・・」
「門前払いされるっている最悪な事態を避けれただけ、上出来よ。後は隊長さんが話の分かる人だと良いのだけど」
しばらく、衛兵に監視されながら城壁の前で待っていると再び声が掛かった。
「君達が緊急の知らせを届けた者だな?」
低く威圧感のある声が城門の上から、聞こえてくる。
「そうです」
「あの言葉を発した意味が分かっているのだね?」
「勿論です」
「そうか・・・中で話を聞こう。門の中に入りたまえ」
シオンの返答を聞き、隊長と思わしき人物は悩む様子を見せたが、詳しく聞く必要があると判断し城門を空け3人を通すことにした。
「あの3人を詰所へ連れて行け。それから目を離すことなく警戒をしろ。もし暴れたら拘束しろ」
「はい」
「・・・・魔物の蹂躙とは嘘だと思いたいが嫌な予感がするな」
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