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空っぽ少年と色深き者たち ~世界を彩る物語~  作者: 和吉
終わりと出会い
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おかえり

オーガとの戦いにくたくたになりながらも、死んだオーガを炎で燃やすと腰から魔力ポーションを取り出し飲むと土小屋で待つ2人の元へ走り出した。


街から1日ぐらいの位置に変異種が出現するなんて、これは深刻ね。冒険者がこっちまで来てないってことだもの。確かにこっちに来なくても、イエリ―の街周辺は多くの森があるから十分生活できるだろうけど危険ね。


冒険者は、魔物を狩ることによって生活しているが多くの冒険者が魔物を狩っているのに、魔物が絶滅することは無い。魔物が生まれる仕組みは良く分かっていない、ゴブリンやオークのように同種や他の種と交わり繁殖力が高い魔物も居るし突然出現する魔物も居る。人間は魔物を狩り続けなければ世界は簡単に魔物の楽園となるだろう。冒険者は、魔物と人のバランスを保つためにも重要な役割を果たしているのだ。通常ならこんな街道の近くにここまで強い魔物は現れることは滅多に無い。だが、フォルトの街の状況を察しこっち側で依頼をする冒険者が極端に少なくなったため、脅威となる冒険者が居なくなりここまで育ったのだ。変異種のオーガ、ゴブリンの上位種たった数日でここまでの魔物と遭遇することは異常だ。遭遇した魔物達を考えある結論にシオンはたどり着く。


魔物が大繁殖か大増殖している可能性があるわね。この状況が続けば#魔物の蹂躙__スタンピード__#が起こる可能性があるわね。冒険者組合に報告しなきゃ・・・



魔物の蹂躙は、魔物が大量発生し一斉にエサとなる人間を求めて集団で人間を襲う魔物による殺戮の宴だ。強固な守りを誇る街だとしても、一斉に多くの魔物に襲われてしまえばひとたまりもない。魔物の蹂躙は規模によるが鎮めるために多くの物資と人が必要となる。しかも、数日間続くため街は疲労し物資は無くなり強固な街も陥落する。事前に防ぐには、魔物の数を減らさなければならない。冒険者組合に報告しすぐにでも調査を行う必要があるため街に急ぐ理由が増えた。


走り土小屋に到達し土小屋が無事なのを確認し、ほっと息をつくと土小屋を壊し中を覗くとラドがグレスを背中に隠しこっちを睨みつけていた。ラドはシオンだということが分かると表情を緩め安心した様子でほっと息を吐いた。


「驚かせちゃった?オーガは倒したからもう大丈夫よ」

「良かった・・・無事だったんだな。怪我はしてないか?」

「大丈夫よ。強かったけどちゃんと倒してきたわ」

「凄いなシオンは・・・俺は恐怖で震えてただけだ」

「いいえ、ラドが居たから私も安心して戦うことが出来たのよ」

「そうか・・・」


強大なオーガと戦い無事に帰ってきたシオンに尊敬の念を抱くが、自分の無力さを実感し落ち込むラドだったがシオンの言葉を受け少しだけ表情が和らぐ。


「そうだグレス、シオンに言う事あるんだろ?」


ラドの背中に居たグレスをシオンの前に連れて行くと、グレスはシオンを見ながら


「おかえり」


と言った。シオンはグレスの言葉に目を丸くするがすぐに笑顔に変わり、


「ただいま」

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#空っぽと色

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