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空っぽ少年と色深き者たち ~世界を彩る物語~  作者: 和吉
終わりと出会い
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夜が来る

ラドを抱えながらシオンとグレスは街道を走り抜ける。段々街に近づいてきたからか、街道はある程度マシになり走るスピードも上がっていく。スピードが速くなるが、グレスは表情を変えず付いてくることが出来ていた。そんなグレスをラドは驚きながら心配をしていた。

「グレス君大丈夫かい?無理してないかい?」

「うん」

「グレス疲れたら言ってね」

「うん」


グレスは2人から話しかけられるが、返答する余裕を見せた。長い間走っているが、疲れた様子を見せないグレス。何が原因でここまで体力があるのかは分からないが、体力があることは良い事だと思い深く追及はしなかったシオンだが、ラドは気になったようだ。


「グレス君凄いね。まだ子供なのにそんなに体力があるなんて、何かやってたの?」

「覚えてない」

「そっか・・・俺は剣術を習おうと思ったんだけど才能が無いって言われて止めたんだ」

「剣術?」

「そう剣術、意外かな?体力があんまり無くて魔法も使えないから剣だけでもって思ったんだけどね」

「魔法?」

「うん魔法、グレス君は、使えるのかな?」

「知らない」

「じゃあ調べて貰わなきゃね」


ラドは子供がいたから、子供と話すのが上手い。グレスの質問に丁寧にゆっくりと言葉を返しグレスと会話を続けていく。シオンはラドとグレスの会話を聞きながら変わらず走っていたが、内心グレスが質問したことに驚いていた。今までは返事しかしなかったのに、質問をした。その大きな変化が起きたことに驚いていた。


さっきラドと泣いたことによってグレスの心の何かが変わったのかしら?それとも、ラドが特別なのかしら?


変化し始めた理由を考えるが、変わったことと言えばラドと出会ったこと、ラトの見える色が悲しみの色だということが分かったくらいであるためその2つのどちらかが原因ではないかと考察した。段々変化していく、グレスを見てシオンは安心した。


出会った時のグレスは本当に、抜け殻のような状態だったけれど段々人らしさが戻ってきて良かったわ。


数時間走っていると出発が遅かったため、すぐに辺りは暗くなった。シオンは街道の端にラドを下ろすと土小屋を作っり焚火を準備し始めた。


「すまない、運んでくれてありがとう。重かっただろう?」

「どういたしまして、身体強化を使っているから大丈夫よ」

「魔法か・・・羨ましいな。グレス君は大丈夫だったかい?」

「うん」

「凄いなグレス君は、でも、疲れただろうこっちおいで」


ラドはシオン運んでもらったお礼を言うと、すぐにグレスの方に目を向けた。自分の怪我やだるさを気にせず、シオンに運ばれている時もラドの視線や意識はグレスへと向いていた。シオンは、ラドがグレスを気にかけていることに気付いたが特に害をなす様子を見せず、家族を失い悲しいのだろうと考え干渉することはなかった。グレスはラドの声に従いラドの傍に寄ると隣に座った。グレスを座らせるとラドは、頭を撫でる


「よく頑張ったね」

「シオンさん、何か手伝うことあるか?」

「さっきまで怪我してたんだから無理しちゃ駄目よ。ゆっくり休んでて」

「しかし・・・」

「駄目よ。元気になったら明日は一緒に走ってもらうんだから今は体力を付けなきゃ」

「すまない・・・」


ラドはシオンに自分が出来ることを訊くが、ラドの体調や精神状態を考えまずは休むことが再優先するべきことだと考えラドの提案を断るシオン。


結構回復してるみたいね。だったら一緒に街まで走ってもらいましょう。そのほうが、周囲の安全を確認できるし戦闘が起きたときにすぐに移動できるようなるものね


グレスとラドの安全を最優先しながら街へ急ぐ方法を考え、最初の計画とは異なった計画を立てるとシオンは夕食の準備を進めた。

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#空っぽと色



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