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空っぽ少年と色深き者たち ~世界を彩る物語~  作者: 和吉
終わりと出会い
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街道を駆けて

シオンは男を抱え、グレスの様子を見ながら街へ急ぎ駆けて行く。二つの街を繋ぐ街道だが、綺麗に舗装されている訳ではなく人と馬車が通りやすいように地面が剥き出しとなっている。そのため、小さい石や起伏がある。歩くときはそこまで気にならないが、走る際は石や起伏に足を取られないよう気を付けて走る必要があるため、少し神経を使う。男を揺らさず、周囲を警戒しながら街道を走ることはシオンが思っていたより体力を使う行為だった。


体力は十分にあるから大丈夫だけど、周囲の警戒と彼を揺らさず走るのは精神が削られるわね・・・でも、グレスが余裕そうで助かったわ。


2人は街道を中々のペースで走っているが、2人は顔色を変えず走っていた。グレスは元々表情を変えることが無いが走るペースは一定を保っており、疲れた様子を見せない。シオンは身体強化を使っているため、男を抱きながら走ることが出来るが、グレスは使っていないため疲労するはずだが数刻走り続けて変化が無いため相当体力があることがうかがえる。


ただの一般人がここまで体力が有るものなのかしら?前に聞いたとき、剣術を習ったかどうかは覚えていないと言ってたけど何かしらの武術を習ってた可能性があるわね。それとも魔力が多いのかしら・・・魔力は命と関わりが深いため魔力量が多いと身体能力が高くなるという現象が起きる。グレスもそれかしら?


疲れた様子を見せないグレスに、シオンはグレスの子過去について考察するがグレス本人が覚えていないため確かめる手立てがない。


冒険者組合に行ったら講習をグレスに受けさせてみようかしら・・・


冒険者組合では、冒険者になろうとしている者たちに対して、武器や魔法、戦い方や魔物について指導行っているため、グレスの実力を知るには指導を受けることが一番だと考え街に着いた時の予定に入れるのだった。また数刻走り続けたが、街に近づき始めても人や馬車と出会うことは無かった。昼時になったため休憩を兼ねて、街道の端に座ると男を寝かせた。



「ふぅ・・・彼がそこまで重く無くて助かったわ。グレス水分を取り忘れちゃ駄目よ」


グレスに水瓶を私飲ませると、シオンも水を飲む。本当はもっと飲みたいが水を確保する手立てがないため、少ししか飲まず水分は果物で確保することにした。シオンは果物を出すと2人で食べ始めた。シオンは男の様子を見るが男はまだ起きそうにない。


彼が起きたら手の治療に回復ポーションを使おうと思ったけど、寝てしまったから治療できないわね・・・体力がある状態で治療はしたいし、とりあえず火傷の軟膏を塗ってまた起きるまで待ちましょう。


男の包帯を一度外し、火傷を負った両手に軟膏を塗ると包帯を浄化し巻き直した。


本当は、ここまで広範囲の火傷なら薬液に浸した包帯を使いたいのだけど無いものねだりね。さて、休憩もしたしまた走りますか。


1時間半ほど休憩すると、また街に向かって走り始めた。3時間ほど走り続けていると、男が体をよじり目を覚ました。シオンは起きた男と目を合わせると、走るのを止め近くの木の下に座らせた。また男が取り乱す可能性があるためグレスを男の視界に入れないように注意しながらグレスと男の間に立つと周りをキョロキョロと見ている男に話しかけた。

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#空っぽと色

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