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空っぽ少年と色深き者たち ~世界を彩る物語~  作者: 和吉
終わりと出会い
26/87

しばしの休憩

日が暮れるまで度々男の様子を確認していたが、特にうなされることなく静かに眠り続け起きることは無かった。日が暮れてきたため、焚火を焚き夜に向けての準備をしているとグレスが男の傍にいた。


珍しいわね。グレスが自分から行動するなんて・・・


いつも受け身で、何か自分から行動することが無かったグレスが初めて自分から動いたことに驚き、目を丸くしているとグレスは男の傍にしゃがみこむ。


自分と同じ境遇だから気になるのかしら・・・でも、グレスには記憶が無いはずよね。何か思い出したのかしら・・


初めての行動に様子を見ているとしゃがんだままグレスは動かなくなった


???


シオンの場所からはグレスの背中しか見えない。そのため、何をしているのかが分からないのでグレスの傍まで歩いていき様子を見るとグレスは無表情で男を見ていた。シオンもグレスの横にしゃがみこみ話しかける。


「どうしたの?彼は明日の朝まで起きないと思わよ?」

「色々」

「え?」

「色々」


話しかける男を見ながらグレスが言葉を発した。色に関して言葉を発するのは2回目で1回目はシオンと会った時である。いきなり喋ったグレスに驚きながらもシオンは思考を巡らせていく。


色々?いろんな色ってことかしら?でも、グレスは色が見えないはずじゃ・・・私の事を青って言ってたし人間だけ色が見えるのかしら?


疑問を解くためにシオンはグレスに質問をした。


「彼がいろんな色に見えるの?」

「うん」

「何色が見えるか教えて欲しいわ」

「青 黒 赤 黄色 紫」

「彼がそう見えるのね?」

「うん」


特に共通点が無い色ね・・・何故グレスには色々な色に彼が見えるのかしら?彼が特別なのかしら・・・でも、私のことは青く見えるって言っていたし私と彼の共通点と言えば・・・まさかね


色々な色に見える考察をしてみたが、ある1点を除いて全く共通点が分からなかった。人間だけが色がついて見えるのか、それとも特別な人だけが色がついて見えるのか、他の種族は色がついて見えるのかなど新たな疑問が生まれたが、確認しようにも人が居ないので確認することは出来ない。


とりあえず、グレスの色については街に着いてから考えましょう。


一旦考えるのを止めると、しゃがんでいたグレスの手を取り


「夕飯にしましょう。魔力を使ってお腹が空いたわ」


2人で夕飯を取り終わると、魔除けの香を焚き土小屋の中に入り入り口を占めた。


「明日は、歩くペースを上げるから早めに寝て明日に備えましょう」


グレスを寝かせると、すぐにグレスは眠りに入ったがシオンは今日の事を思い出し眠れなかった。私があの時助けに行くことを迷わなければ母親と子供も助かったのではないか?ゴブリンをもっと早く倒していれば、助けることが出来たのではないか?私に治癒魔法が使えれば何とかなったかもしれない、ゴブリンを無視して家族を先に倒していれば良かったのではないかなど、様々な思いが頭に浮かぶ。過去に戻ることは出来ないたらればを言ったとしても今は何も変わらないだとしても、考えることを止めることは出来ない。仕方がなかったその言葉で片付けたくない、よく有ることだと割り切りたくない。梟の鳴き声が鳴る夜の森の中シオンは深い思考の海に飲まれていくのだった。



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#空っぽと色

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