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空っぽ少年と色深き者たち ~世界を彩る物語~  作者: 和吉
終わりと出会い
22/87

この世界の現実(残酷な表現が含まれるので苦手な方はお気を付けください)

戦闘音によって他の魔物が寄ってきていないか確認するとシオンは魔法を解除し、土壁で囲った襲われていた人の元に急ぎ走る。


確認出来た魔物は全部倒せたけど、戦闘音と血で他の魔物寄ってくる可能性があるわね。魔力も結構使ってしまったし襲われていた人を移動させて安全確保しなきゃ。


土壁にたどり着くと魔法を解除し、襲われていた人を確認するとそこには凄惨な光景があった。むせ返るほどの血の匂いがシオンを襲う。襲われていたのは3人・・・親子だろう、母親と子供だと思われるものが、血塗れで倒れていた。血は地面に広がり、血だまりを作っている。父親だろう・・・子供と妻の出血を抑えようと傷口を押さえ血塗れで泣き叫んでいた。


「大丈夫だ!死ぬな!助かるからな・・お願いだ死なないでくれ」


シオンはその様子を見て駆け寄ると、もう母親と子供の息はもうなかった・・・・


酷い・・・母親は子供を庇ったのね。


母親は矢が背中から腹部を貫通しており、背中には右肩から左腰まである剣による大きな切創 子供は火の魔法にやられたのだろう全身が焼けており、顔も分からなくなっている。父親は、背中に矢が刺さっておりおそらく子供の火を消そうとしたのだろう、両手に火傷を負っていた。シオンは自分の怪我を一切気にせず2人に叫び続ける父親に近づき、目線を合わせるために膝を付くと


「ここは危ないわ 貴方の治療のためにも一旦安全な場所まで移動しましょう」

「俺のことはどうでもいい!!!!お願いだ 妻と子供を助けてくれ!!!あんた魔法が使えるんだろ?治してくれよ!!」

「ごめんなさい 私は治療する魔法を使うことが出来ないの。残念だけど、あなたの妻とお子さんはもう亡くなってしまったわ」


安全な場所に連れて行こうと男の手を引こうとするが、男は手を振り払い2人の亡骸に縋りつく。


「嘘だ 死んだなんて嘘だ!!さっきまで生きてたんだ。お願いだ起きてくれ・・・1人にしないでくれ!!!!」


亡骸を揺すり泣き叫ぶ男を見てシオンは、悲しみと悲惨な出来事に同情するが、


このままではこの人が死んでしまうわ。ここは危険だから残していく訳にもいかない、可哀想だけど強引に連れて行くしかないわね。


「ごめんなさい 大切な人を失ってとても悲しいわよね。でも、別れの時間を長く取ることは出来ないの血の匂いに釣られて魔物が集まってくるわ。だから、別れの言葉を伝えてあげて」


シオンは男を妻と子供から引きはがすと男の正面に膝を着き目を見て話すと、男を2人に向き合わせた。


「守れなくすまない・・・弱い父親で済まない・・・地に帰り安らかな眠りを」


最後の別れの言葉を声を震わし泣きながら男が告げると、シオンも2人の魂が安らかに眠れように2人と向き合い別れの言葉を告げる。


「地に帰り安らかな眠りを」


別れの言葉を告げると、シオンは身体強化を使い男を担ぐと街道に向けて走り出した。


火傷が酷いわね・・・矢が刺さったままだけど、大きな出血は無いからすぐに生死には関わらないわね。


男を担ぎ、移動しながら男の状態について診察するとすぐに治療が必要な物は無いと判断しまずは、安全確保を優先とし街道へと急ぐ。


グレス大丈夫かしら・・・とりあえず街道に出たら火傷の治療してグレスと合流しましょう


男は担いでいる間ずっと茫然とした表情で2人が眠る方を見続けていた・・・

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#空っぽと色

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