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空っぽ少年と色深き者たち ~世界を彩る物語~  作者: 和吉
終わりと出会い
14/87

街へ2

魔物に会うことなく、順調に平原を進んでいく2人

シオンは、食料になる魔物や動物が現れず少し不満そうに、グレスは無表情で歩く速さも一切変えることなく平原を進んでいく。


魔物が現れないのは良い事なのだけど・・・肉が確保できないのは少し残念だわ。グレスは疲れてる様子はないけど、病み上がりだし表情からだと感情が読めないから気をつけなきゃね。


「そういえば、私がグレスの村に行った理由を話していなかったわね。私が魔女だっていうことは言ったわよね?色々な花が咲くっていう花園があるって聞いたから見に行ったのだけど、森で迷っちゃって森から出たらグレスの村に出たのよ。それでグレスを見つけたの」


質問には返答してくれるけど、話に対して相槌とかはまだ出来ないみたいね・・・でも少しずつ出来るようになってくでしょう。こういうのは、気長にコツコツと関係を築いていかなきゃ。


「私は植物が好きだから魔女になったのよ。活き活きと育つ生命力や人を魅了する花、人々に恩恵を与える果実糸の命を助ける薬にもなる植物たち素敵だと思わない?」

「うん」

「嬉しいわ!グレスも植物が素晴らしいと思うのね!グレスの好きなものは何かしら?」

「知らない」

「そう・・・じゃあ、これから好きなものを見つけていけばいいわ!世界は広いのよ絶対好きなのが見つかるはずよ!」

「うん」


少しでもグレスの事を知るために、質問をしているがふと思った。


はい いいえとかの質問には答えてくれるけど、他の質問は答えてくれるのかしら?


「ねぇグレス?これ何か教えてくれないから?」


シオンは袋から果実を取り出し指を指して、グレスに聞いてみた。


「オーレの実」

「そう!オーレの実よ。じゃあこれは?」

「メーロの実」

「正解!」

「じゃあ少し難しくするわね。これは?」


シオンは腰に付けているベルトからガラス瓶を取り出しグレスに聞いてみた。


「知らない」

「これはね。回復ポーションって言うのよ。言ってみて?」

「回復ポーション」

「そう!回復ポーションは緑色の液体をしてるの。」

「ポーションは錬金術で作るんだけど、まあまあな値段するのよね~」


なるほどね・・・村や自分についての記憶は無くなってしまったけど知識とかの記憶は残ってるのね。


だんだんグレスのことが分かってきて嬉しいシオンは、街までの道のりで色々なことをグレスに教えようと歩みを進めていった。太陽が2人の真上に昇り、昼時がやってきた。シオンは行き先に見える木を指さして、


「あそこの木まで行ったら、休憩を兼ねてお昼にしましょう」


木の根元に座り、2人は雄大に広がる平原を見ながらオーレの実を食べ始めた。


「オーレの実は何度食べても美味しいわね。グレスも食べなさい」


今の状態なら自分で食べるかもしれないという期待を持ちグレスはシオンからオーレの実を受け取ると、皮を剥き自分で食べ始めた。自分で食べたことに、驚き喜びを感じたシオンは笑顔で、


「美味しい?」


返事はしないが、無表情で食べ進める様子にシオンは満足そうに頷くと30分程休憩した後また歩き始めるのだった。

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#空っぽと色

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