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空っぽ少年と色深き者たち ~世界を彩る物語~  作者: 和吉
終わりと出会い
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少年との生活3

土小屋に戻るといつもと同じように夕飯の準備を始め、鍋が煮立つまでの間に少年の様子を確認し始めた。


「思いっきり引っ張っちゃったけど痣とかなくて良かった・・・ほかに怪我もしてないみたいだし運がよかったわね」


少年の服をめくり怪我の様子を見終わると


「今度からは、勝手に歩いて行っちゃだめよ?次も守れるか分からないんだから」


少年と目を合わせ、真剣な表情で窘めるように諭すとすぐに笑顔に切り替え


「それじゃあ、夕飯にしましょう!全力で走ったからお腹すいたわ」


いつも通り少年に食べさせ、自分はメーロの実を食べ終わると今後の方針について話し始めた。


「さっき魔物に襲われたように、ここは安全じゃないわ。だから、安全な街まで行こうと思っているの。此処から一番近い街まで7日くらいかかるから明日食糧を準備して街へ向かいましょう。」


話している間少年は無反応だったが、シオンは構わず話し続けた。


「それじゃあ、明日に備えて早めに寝ましょう」


少年をローブの上に寝かせるが、少年は目を開けたまま土の天井を見続けていた。その様子を見てシオンは土魔法を使い天井に穴をあけると、


「寝るまであるお話をしましょうか」


少年の横に座ると、あるお話を語り始めた。


とある国に、星について研究する偉い学者が居ました。その学者は月を見て月の模様は、3つの花をつけるヤブリという植物だと自分の本に書き出版しました。その本を見た他の国の星について研究する学者は、

「これは間違っている!月の模様は兎だ!」

そう思った学者は、本を書いた学者に文句をつけようと本を出版した学者に会いに行ったのでした。兎だと思った学者はヤブリだと思った学者に合うと

「この本には嘘が書かれている!月の模様は兎だヤブリではない!」

「君の方が間違っている!月の模様は兎だと?どうやったらそう見えるのだどう見てもヤブリだろう!」

2人は言い合いになりましたが、どちらも譲らず決着がつかないので丁度明日は満月だったので街の人につきの模様が何に見えるかという質問をしてみることにしました。次の日の夜になり、街を歩く人々に月の模様について質問すると、フライパン 大剣 酔っぱらった人 リスなど全員違う答えでした。学者2人は驚き困惑しましたが、ヤブリだという学者は自分の意見を曲げず自分が正しくて周りが間違っているのだと考え否定しました。兎だという学者は人によって物の見方は違うということに気付き、全てが正しいと他の意見を認めた。頑固な学者は、人の意見を聞かないやつだと批判され、認めた学者は人々から支持されるようになりました。


「っていうお話なんだけど。つまりは、人の意見を認めなさいって話と人によって世界は違うように見えているという事を言ってる話なのよね。でも、私このお話に不満があるのよね。だって自分の意見を貫き通すって大事なことだと思うのよね。強く人が決意したことを認めることは人の意見を認めるってことになるし、決意した人を批判するって人の意見を認めてないってことにならない?まあ私が言いたいのは、君がどんな選択をしたとしても尊重するわ。でも、私の意見も少しだけ聞いてほしいわねって話」


笑いながら、少年の方を見ると少年は目をつぶり寝ていた。


「あら 寝ちゃったか。君には世界がどう見えてるのかな? 悲しい世界?苦しい世界なのか怒りで染まった世界なのかな?どう見えてるのか教えて欲しいな」


寝ている少年を見ながら呟き、シオンは横になり眠った。





少年は全てを失った。

少年が見る世界は全ての色を失い、その目に映るのは白い世界

木 花 人 空でさえ白く見え物体の周りには、黒く縁取られているため認識は出来るが色のない虚無の世界

シオンだけが何故か()く見えるそれはなぜ?

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#空っぽと色


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