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第36話 王城探索

「何? 東のスラム街が陥没?」

「はい。これによって何人もの死傷者が出ています。どうなされますか?」

「…第2騎士団を向かわせて復興作業及び、撤去、治療に当たれ」

「…それ、だけですか?」

「何だ? 俺に文句を言うのか?」

「い、いえ!」


 1人の騎士が敬礼をすると、執務室の様な部屋から飛び出る様にして出る。


 執務室の椅子に座っている男は苛立ちを隠せないのか、豪快に舌打ちをすると葉巻きを咥えた。


「場所的にはドンピシャ…何をしてんだアイツらは…」


 男はそう言うと、咥えてた葉巻きに火をつけて煙を吐いた。




 *


「それで? 何処を探したんだ?」


 ゼルはトマスとの握手をすぐ様に止めると、真剣な眼差しでトマスへ問いかけた。

 あのサーラと言う女性なら事件に巻き込まれてる可能性も大いにある。探すなら早い方が良いと判断しての事だった。


「話が早くて助かります。この中央と南、あと西は調べてきました。後は北の王城とこのスラム街がある東だけです」


 王城、か。


「ならアンタはスラム街を探してくれ。俺が王城を探しに行く。明日の早朝、探し終わったら居ても居なくても冒険者ギルド前に集合。いいな?」

「はい。ですが王城をどうやって

「じゃあ頼むぞ」


 ゼルはトマスが何かを問いかける前に、そこから消える様にして軽快に屋根の上へと登った


 それを見たトマスは少しポカンッとすると、静かに口角を上げた。




「リゼ」


 俺はカバンを開け、リゼを呼ぶ。リゼは不思議そうに首を傾げながら出ると、俺の肩へ乗った。


「ピィ?」

「少し頼み事があるんだけど良いか?」

「ピッ!」


 リゼは元気よく返事をした。




「ん? 何だあれ?」


 城の門番が空を見上げた先には、此処らには見た事がない真っ白な綺麗な鳥が羽ばたいていた。それは見惚れる程に綺麗で、飛んだ後にはキラキラとした物が宙に浮かんでいた。


「凄いな…世界が広いと再認識させられる…む?」


 門番が空を見上げていると、一瞬だが気配を感じ、周りを見渡した。


 しかし。


「…気のせいか」


 辺りには誰も居なく、あるのは先程の鳥が落としたと思われる白い羽毛だけ。

 その門番は頭を掻いて気持ちを切り替えると、槍を持ち直し業務をこなすのであった。




「よし。ありがとなリゼ」


 空に居るリゼに手を振って合図を送ると、リゼは城壁の上に止まる。


 俺はリゼが上手く門番の気を引いてる間に、王城の敷地内に侵入していた。


 入る時にカバンに偶々付いていたリゼの羽毛が落ちた時は肝が冷えたが、あの門番の実力が低かったらしい。実力者だった場合、気付かれていただろう。助かった。


 ゼルはカバンにもう羽が付いてない事を確認すると、静かに城の中へと侵入した。




 城の中は何故か前よりも兵士が騒いでおり、何処か急いでいる様な雰囲気を醸し出していた。


(…何だ?)


 俺は物陰や柱に隠れながら、騎士達が話している内容に聞き耳を立てる。


「え? 東のスラム街が陥没?」

「あぁ。どうやら死傷者が何人も出ているらしい」

「何処の騎士団が救援に?」

「第2騎士団だけだってよ…」

「は? 1騎士団だけか? もう1つぐらい行っても良いだろ? 誰が決めたんだよ?」

「ギルドラ様だよ…」

「ギルドラ様?」

「ほら…ギラス卿の息子の…」

「あ、あぁ。あの人か…」


 どうやら地下での崩落で地上にも途轍もない影響が出てたらしい。俺がもっと上手くやってれば…早くこの依頼を終わらせて、ケリをつけよう。


 そう思ったゼルはこの騒ぎを利用して、音を出さない事にはあまり気にせず、スピードを上げて探索を行った。




(…やはり、居ないか)


 ゼルは地下から続く階段を上がり、物陰に隠れて一息つく。


 地下の牢まで探したが、サーラは居なかった。トマスが念の為、調査の場所に王城を選んでいた様だが無駄足だった様だ。


 ゼルが探索も十分だと判断した時、ある扉のの中から声が聞こえた。


「え! スラム街がですか!?」

(此処でもか…)


 ゼルは心の中で大きく溜息を吐いて、その話題にはもう飽きたと言わんばかりに通り過ぎ様とすると、


「あぁ、もしかしたらアイツらがヘマでもしたのかもしれない」


 その会話を聞いて、ゼルは足を止めた。

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