夢の中の恋
「いつ目を覚ましてくれるの?」
誰かが僕に聞いてくる。この声は聴きなれているような声だが、誰の声だか僕にはわからなかった。
僕はその問いに答えようとする。何と答えたらいいかもわからないままに。だが、一声も声を発することはできない。僕の頭の中にはどうして、という疑問で埋め尽くされる。そして、だんだんと僕の意識は落ちていく。僕はわけもわからないが、悔しさを感じていた。
「いつまで寝てるつもりだ、リョウ」
僕は体を誰かに揺さぶられていることに気づくと、目を開ける。僕は寝ぼけまなこで、僕の体を揺さぶっていた人物のほうに顔を向ける。そこには、小学校からの親友である池永明人がいた。僕は目をこすりながら、教室の前にある時計を見る。時刻は四時半を示していた。どうやら、ホームルームの間に寝てしまい、そのままだったようだ。
「起こしてくれてありがとう、明人」
「いいってことよ」
明人は屈託のない笑顔でそう言った。僕は顔を軽くたたくと、机の上にあった教科書や筆箱などをバッグに突っ込んでいく。僕の名前は、海崎涼。私立花蓮高校の二年生だ。先ほどまで見ていた夢のようなものは何だったんだろうか。なぜだわからないが、僕には現実よりも現実のように感じていた。夢であるはずなのに。
「ぐっすり寝てるから起こしづらかったぜ」
僕はごめん、と小さく言った。
「てか、お前が学校で寝てるなんて珍しいな」
「そうだね」
僕ははにかみながら答える。確かに、今までの僕の記憶の中でどんなに退屈な授業であっても寝ていた記憶はない。どうしたのだろうか、と僕は漠然に思いながら、バッグを持って席をたつ。
「とりあえず、帰ろうか、明人」
「そうだな、リョウ」
その瞬間、教室の扉が開く。僕がそこに目を向けると、そこには、担任の荒田先生がいた。荒田先生は教室を見回す。そして、ため息をつくと僕たちに尋ねてきた。
「池永と海崎、二条がどこに行ったかわかるか?」
僕には、なぜ荒田先生がそんなことを聞いてきたのかはわからなかった。また、二条さんの居場所など見当もつかなかった。同じクラスではあるが、ほとんどしゃべったこともないのだから。二条唯、それが二条さんのフルネームだ。高校二年生で同じクラスになることで、僕は彼女のことを知った。彼女はいつも一人で本を読んでおり、誰かと一緒にいるということはほとんどなかった。
「わかりません。でも、5分ぐらい前までこの教室にいましたけど」
明人は首を振りながら、荒田先生にそう答え。荒田先生は僕のほうに視線を向けてくる。僕も首を振りながら、わかりませんと答えた。すると、荒田先生はため息をつく。
「そうか、もし見つけたら、荒田先生が呼んでるって伝えてくれ」
わかりました、と僕と明人は言う。そして、先生はどこ行ったんだ、とつぶやきながら教室を去っていく。僕は明人に尋ねた。
「二条さん、何かあったのかな」
「さあ。まあでも珍しくはあるな。あの二条が誰かが探してるなんて」
そうだね、と僕はつぶやく。
「とりあえず、帰ろうぜ」
僕は頷き、二人で教室を出ていき、玄関口へと向かう。玄関口まであと少しというところで僕はスマホがポケットに入ってないことに気づく。今までまったく気づかなかった自分は馬鹿なのか、と思う。
「ごめん、明人。スマホ忘れてきたみたいだから、取ってくる」
明人は何やってんのお前、という顔をする。僕はもう一度ごめん、とうつむきがちに言う。
「待ってるから、早く取ってこいよ」
「すぐ戻る」
僕はそう言うと、明人に背を向け、教室へと急ぐ。
そして、僕は教室につき、教室の扉を開く。誰もいないと思っていた教室であったが、一人残っている人物がいた。それは二条さんだった。僕は驚きのあまり、固まってしまう。二条さんはこちらの様子に気づいている様子はなかった。ただ黙って真剣に本を読んでいた。
僕はそんな彼女の様子につい見取れてしまった。見慣れているというほどでもないが、彼女のほうを偶然見た時はいつもこの通りの様子であるのに。僕はしばらくして、首を振る。明人を待たせているという事実を思い出し、見取れている場合ではなかったからだ。それに、彼女に、僕が見取れていたという事実に気づいてほしくなかった。
「二条さん」
僕は彼女に声をかけた。荒田先生が彼女を探しており、呼んでいるということを伝える必要があるということもその時、思い出したからである。彼女は気づかない。僕は相当集中してるな、と思いながら、先ほどよりも大きな声で彼女に声をかける。彼女は気づいてくれていたようで、僕のほうを向き、首をかしげる。
「荒田先生が呼んでたよ」
僕はそのことを伝える。それを聞くと、彼女は、本にしおりを挟み、閉じる。
「ありがとう。教えてくれて」
僕はその彼女の一言に恥ずかしさを覚える。そして、少し早口で言う。
「偶然頼まれて、偶然会えただけだから」
彼女はその時、偶然か、とつぶやく。それはどこか寂しそうであった。僕はなぜ、彼女がそんな風な様子になったかわけがわからなかった。彼女は本をバッグにしまうと、席を立つ。 僕は自分が教室に来た要件を思い出すと、自分の席に向かう。机の引き出しを見ると、スマホはそこに置いてあった。僕はあってよかった、と思いながらほっと息をつく。その瞬間に、後ろから声が聞こえてくる。
「海崎君、さよなら」
僕は驚きながら振りむく。彼女にさよなら、と声をかけられるとは思わなかった。僕は動揺しながら、返答する。
「さよなら、二条さん」
僕がうろたえたことに、彼女は気づいたのだろう。彼女はくすりと笑うと、そのまま教室を出ていく。僕はその時の彼女の表情にどきっとする。その表情は妙に頭に残るものだった。
僕はすぐに、明人を待たせてると思うと、教室を出る。そして、廊下を進んでいた彼女の横を足早に通り過ぎる。
明人は玄関の下駄箱でスマホをいじりながら待っていた。僕は明人の近くまで急ぐと、声をかける。
「ごめん、待たせた」
遅いわ、と言いながら明人はスマホをしまうと、こっちのほうを向く。そして、首をかしげる。
「リョウ、顔が少し赤いけどどうした?」
僕は「えっ」という驚きの声をあげる。明人は本気で言っているようであった。となると、僕は顔が赤くなっていたということである。僕はもしかして、二条さんの前でも、と思うとさらに恥ずかしさがこみあげてくる。
「そんなことないでしょ」
「さっきよりひどくなったぞ、どうした?」
「何でもないよ、大丈夫だよ」
僕は声を少し震わせながら答える。明人はいぶかしむような視線を送ってくる。僕は誤魔化すのは厳しいか、と思う。そして、教室で二条さんに会ったこととかを話す。すると、明人はなるほどね、とニヤニヤしながら言う。
「いやはや、ようやくお前にも春が来たか」
「別に何でもないから」
僕はくぎを刺すように言う。明人は「はいはい」とあしらうように言う。僕は明人をにらむ。
「悪かったよ、なんでもないってことだな」
僕は頷く。明人はまだニヤニヤとしていた。僕は「帰るぞ」とだけ言うと靴を履き替え、玄関口へと向かう。明人は悪かったって、とか言いながら僕の後を追ってくる。そして、いつも通りの雑談をしながら帰路につく。明人が二条さんの話を振ってくることはなかった。
翌朝、僕はいつも通りの時間に教室へと入る。教室には、二条さんだけがいた。昨日のことを僕は思い出し、恥ずかしさを覚える。僕は首を振ると、そのことを忘れると自分の席につく。そして、机の上に問題集とノートを広げる。またイヤホンを耳に刺すと、音楽を聴き始めながら問題集の問題を解き始める。僕は部活に入っていない。この学校では部活は強制ではないが、多くの生徒が何かしらの部活に入っている。僕も入学当初は部活に入ろうとは思っていたが、特に興味の引かれるものがなかった。明人も同様であったので、二人して部活に入ることはなかった。そのため、僕と明人はある程度の時間の余裕ができていた。明人はその時間をバイトに費やしていた。僕もバイトをしようかと思ったが、親に部活に入らないなら、勉学に集中しろと言われたので。勉強に時間を回していた。おかげで、僕の成績はこの学校で上位に入っている。
僕が勉強に集中していると、誰かが僕の机をコンコンと叩いてくる。僕はイヤホンを外し、そちらのほうを向く。そこにいたには二条さんだった。僕は驚きながら彼女に尋ねる。
「ご用は何でしょうか」
驚きで、僕の言葉は少しおかしかった。彼女は一度くすりと笑う。僕は恥ずかしさを覚える。
「少しお話があるの、時間大丈夫?」
「問題ないけど」
僕にはどんな話なのかは全く見当がつかなかった。彼女は一度息を整える。
「私ね、数学が苦手なの」
僕はそう言われて目が点となる。僕にはいきなりなんの話だろうという思いと、勉強できないイメージがないなという二つの思いが入り混じっていた。彼女は話を続ける。
「そこでね、突然なんだけど。数学教えてくれないかしら?」
だんだんと彼女の声は小さくなっていた。僕は彼女に尋ねる。
「荒田先生に聞くのじゃダメなの?」
荒田先生は数学の先生であった。そこで、僕は昨日荒田先生が彼女を探していたのはこのことに関連するものではないか、ということに気づく。
「荒田先生、バスケ部のほうが忙しいから。海崎君に頼めって」
最後彼女は小さな声で付け足す。僕はなんて適当な先生なんだと思う。でも確かに荒田先生はバスケ部のほうで忙しいのだろうと思う。うちのバスケ部は強豪で、荒田先生も元バスケ部であり、コーチのようなこともしていると聞いたからだった。僕は小さくため息をつく。そして、彼女に返答する。
「僕でよければ、教えるよ。どうせ、暇だし」
彼女は僕の返答が予想外なものだったのだろう。えっという小さな声をあげる。そして、頭を下げる
「ありがとう」
「いいよ、気にしないで」
そのまま、僕と彼女は連絡先を交換する。そして、毎週月曜日と金曜日に放課後図書室で勉強を教えることとなった。彼女は本当にありがとう、と言うと自分の席に戻っていく。それと同じくらいに教室にクラスメイトが入ってくる。僕と彼女が話していた時、教室には僕たちだけだった。
ホームルームの最中、唐突に僕は抗いがたい眠気に襲われる。僕はまずい、と思いながら意識を落とす。
「いつになったら目を覚ましてくれるの?」
その声の主はいらついているようだった。僕にはわけがわからなかった。だが、ひとつだけ確信できることがあった。この声の主は昨日と同じだ。僕はその人に尋ねようとする。あなたは誰だと?
だけど、昨日と同じく僕の口は動かず、一言も発することができない。そして、昨日と同じくここでの意識は落ちる。僕はきっと現実に戻る。なぜだかわからないが、戻ってはいけないと思いながら。
僕は目を覚ます。そして、ゆっくりと顔をあげる。視界は若干ぼやけている。僕の机の周りで誰かが話しているようだった。僕はその人たちに意識を向ける。それは明人と二条さんだった。彼らが話している光景を見るのは初めてのはずだった。だけど、僕はなぜかその光景を何度か見たことがあるような気がした。二人は僕が目を覚ましたのに気づく。
「ようやくお目覚めか、リョウ」
「おはよう、明人」
僕は若干寝ぼけながら返答する。二条さんはくすりと笑うと、僕に声をかけてくれる。
「おはよう、海崎君」
僕はただ頷く。明人のほうをちらりと見ると、何か納得したような顔で何度も頷いている。僕はそれにいら立ちを覚える。だが、今ここで何か言うのは得策ではないと判断すると、僕は時計を見る。昨日と同じく四時半だった。
「リョウ。二条さんから話は聞いてるからあとは楽しく二人でな」
明人はそうからかうように言うと、教室の出口へと向かう。話ってなんだよ、と僕は一瞬思う。そして、今日が金曜日であることと朝の話を思い出す。そして、今日は放課後図書室で二条さんに数学を教える日だったことを僕は再確認する。
「ごめん、二条さん」
僕は二条さんに向かって頭を下げる。
「お願いしてる立場だから、気にしないで、むしろ大丈夫?」
彼女は僕のことを心配しているようだった。僕はそれに何かうれしさを覚えていた。
「大丈夫、問題ないよ」
僕がそう言うと、彼女は「そっか」といってほっと息をつく。僕はすぐさま、机の上に広がっているものをバッグに突っ込んでいく。入れ終わると、僕は立ち上がる。
「じゃあ、行こうか」
「ええ」
僕らは図書室へと向かう。到着すると席を探す。少し来るのは遅れたが、問題はなかった。そして、僕は彼女に数学を教える。彼女が、数学ができないといのは本当だったようで、問題を解くのにも時間がかかっており、解き方がわからず、詰まることもあった。僕はできる限り、わかりやすく教えていく。
ちょうど教えていた問題が教え終わると同時に、チャイムが鳴り、図書館から出る時間となる。
「時間だね、二条さん」
「ええ、そうね」
彼女はそう言うと、問題集とノートをバッグにしまっていく。僕は彼女から少し視線をそらしながら尋ねる。
「聞いてなかったけど、僕の教え方で大丈夫そう?」
「うん、とってもわかりやすくて助かります」
彼女はそう笑顔で言う。僕はほっと息をつく。僕は役に立ててよかった、と思う。また、失望されなくてよかったと思う。
そして、僕らは図書室を出て、玄関口へと向かう。その間、他愛ない話をする。玄関口についたころに、僕は尋ねる。
「そういや、明人に何か言われなかった?」
「池永君から、何もないよ」
僕は「そっか」と言って頷く。明人が余計なことをしゃべったりしていないかが心配だった。
「でも、リョウのことをよろしく、とか何とか言ってたけど」
僕はそれを聞いて、明人に文句を言うことを決定する。僕はため息をつく。
「明人の言うことはたいてい適当なこと言ってると思っていいから、気にしないで」
彼女はくすりと笑う。そして、「わかった」と言う。
「二条さんの家ってどの方向なの?」
僕は校門の辺りで尋ねる。彼女は校門の右側を指すと、学校の東側にある地区の名前を言う。僕の家とは反対方向の場所だった。僕はそのことを伝える。
「じゃあ、校門でお別れだね」
彼女は少し寂しそうな表情で言う。僕はその表情に胸を締め付けられるような思いがする。僕は勘違いするな、と自分に戒める。
「じゃあ、さよなら、二条さん」
「さよなら、海崎君」
僕たちは校門でそう言い合うと分かれ、自分の家へと向かう。僕はもう少し一緒にいたかったな、とか思っていた。今日まともに長時間話したはずなのに、ずっと昔からの関係のように僕は感じていた。
僕は帰り道にある花屋で足を止める。なぜ、足を止めたかはわからなかった。ただ、僕の足は勝手に止まった。そして、店頭にあった花に僕は目を奪われる。その花の名前は知らなかった。でも、その花はなんだかわからないが僕を引き付けていた。僕が黙ってそれを見詰めていると、誰かが声をかけてくる。
「その花はニゲラって言うんだよ」
僕はいきなり声をかけられたことに驚きながら振り向く。そこには、やさしそうな老人がいた。僕はおそらくこの花屋の店主であろうと判断する。
「ニゲラですか?」
「ああ、ニゲラはな春~夏にかけて咲く花でな。今君の目の前にあるのは青いがな、他にも白や黄色やピンクもある」
僕はそうなんですか、と言う。そして、尋ねる。
「あの、花言葉ってどんなものがあるんですか?」
「花言葉かい、そうさな。当惑とか戸惑いとかがあるな。他にもニゲラは英語で『Love-in-a-mist』と言って霧の中の恋っていう意味があるから。夢とかに関連する花言葉もあるな。例えば『夢の中の恋』とかな」
「『夢の中の恋』」
僕はその花言葉をつぶやく。なぜだかわからないが、その花言葉が重要なものであると感じたからだ。その瞬間、僕は激しい頭痛にさいなまれる。僕はいきなりのことに耐えられず、しゃがみ込む。
「大丈夫かい、君」
僕は何も答えられなかった。また、他にも声が聞こえてくる。それは昨日と今日聞いた夢で聞く声に似ていた。
――涼君、起きて、お願い
その声は泣きそうなものだった。
僕の頭痛はどんどんひどくなる。それと同時に、夢で聞いてきた声も大きくなる。また、その声の主はどんどん切羽詰まっているようであり、また泣いているようであった。僕はそれに申しわけなさと悔しさを感じる。そして、同時にはやく起きなければとも思う。
だが、起きるとはどういうことなのだろうと思う。自分は寝ているわけではない。
――ごめんなさい、涼君。
それを聞いて、僕は思う。君が謝ることじゃないと、だって僕が勝手に諦めて心地よい夢を自分で作ってそこで恋するほうがいいと思ったんだから。君に恋することを。その方が。僕にとって楽だったから。ただそれだけで。
「謝らないで、唯」
その瞬間、僕の意識は落ちる。
僕はゆっくりと目を覚ます。視界はぼやけていた。でも、自分の体に引っ付いて泣いている人物がいて。その人物が誰かはぼやけた視界でもわかった。僕はその人物に向かって声を出す。その声はかすれたもので、しゃべるごとにのどが痛くなった。でも、それでも僕は伝えるべきことを伝える。
「ごめん、唯」
唯は顔をあげる。その顔は涙でぐちゃぐちゃだった。でも、僕の声が聞こえたのだろう。信じられないような顔をして、つぶやく。
「涼君、起きたの」
僕はゆっくりと頷く。彼女はさらに涙を流すと、僕に抱き着く。そして、泣き出す。僕は自分のものではないのではないか、と思えるほどの腕を動かし、彼女の背に手を回す。僕はしばらく、そのままでいた。彼女は落ち着いてくると、僕から体を離す。
「本当にごめん、唯」
僕は謝る。彼女は何度も何度も首を振ると、僕に向かって言う。
「涼君が謝らないで、私が悪いんだから」
「唯、違うよ。僕が弱かったんだ」
「でも、最後に追い詰めたのは私だから」
彼女は大声でそう言う。僕は優しいな、と思う。初めて大学で会ったあの日から変わらないな、と思う。
「唯、僕は君のおかげで目を覚ませてる。だから、もう謝らないで。それに僕は君の笑顔が好きなんだ」
唯は「わかった」と言うと、涙をふくと、僕に向かって笑顔を向ける。僕はそれを見て、笑顔になる。そして、この唯の笑顔を見れることに僕はうれしさを覚える。僕は反射的にその一言を言う。
「唯、愛してる」
「私もだよ、涼君」
唯は僕が言ったことにすぐに返す。そして、僕は決意する。もう唯を悲しませるようなことはしない、と…