葛藤そして反撃
「クリア。」
変異体は重い一撃を受け、頭を爆散させながらその重い体を地に落とした。
『グギャ!』
『グギギ!』
『グギャギャギャ!』
リーダーである変異体を失った群れは混乱を隠せずあからさまに慌てている。
銃声は大きいがパニックでこちらには気づいていないようだ。
「次はお前だ。」
最も近い一体の頭に照準を合わせ引き金を引く。
『ギャッ・・・・・・・・』
『ギャギャ!!!!』
どうやら奴らにも仲間を思う気持ちはあるらしく怒り心頭のようだ。
「次。」
次のターゲットに照準を合わしまた引き金を引く。 残り5体
「次。」
ターゲットに照準を合わしまた引き金を引く。 残り4体
「次。」
ターゲットに照準を合わしまた引き金を引く。 残り3体
「次。」
ターゲットに照準を合わしまた引き金を引く。 残り2体
そして残り1体となった。
『ガギャギャギャ!!?』
周りの仲間が次々と倒れ、次は自分だと本能的に理解したターゲットは錯乱し、無我夢中で暴れだした。
『ギャギャギャギャ!!!!!!』
「うわまじか、こっち来んな来んな来んなっ!!!!」
驚いた俺の声に気づいた最後の1体は、こちらに突進してくる。
『グギャ―――!!!!!』
ヤツとの差は約50メートルだったのが一瞬で40、30、20と縮まっていく。
あまりに近く、今から照準を合わせるのは間に合わない。
「くそ!」
腰のコンバット・ナイフを引き抜き、すでに5メートル前までに近づいたターゲットへと勢いよく突き出す。
体はなぜか滑らかに動き、的確に相手のみぞおちにナイフは突き刺さる。
『ギャ・・』
「よし。」
「うっ!!?!!??!」
安心したのは束の間、腹部に強い痛みを感じ、体がふらつく。
「あれ?・・・どした?・・・」
ふと腹を見ると赤い液体がだらだらと流れ出ている。
「あれ?・・ああ・・そうか。」
今倒した1体の手元を見ると赤い液体がべっとりついている。
「うう・・グハッ・・・」
どうやら最後の1体は、最期の力を振り絞り、俺に最高の一撃をあたえたようだ。
「相討ちってか・・・」
そこで俺の意識は途切れた。