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異世界ゲームクリエイター  作者: 佐藤謙羊
ゲームで村おこし編
24/47

24 混浴(サービスつき)

 人里離れた谷間の温泉に、ひとしきり阿鼻叫喚の渦が巻き起こる。

 それは外で待機していたヒューリが、お供を引き連れ駆け込んで来るほどの騒ぎとなってしまった。


 それにしても……まさか混浴だとはなぁ。


 でも三人娘とシャリテは知っていたらしく、身体にバスタオルのようなものを巻いていた。

 どうやら、村の資料には書いてあったらしい。


 俺は例によって資料をよく見ていなかったので、マッパだった。

 そしてビリジアンも知らなかったらしく、マッパだった。


 コイツはお堅い御親(ごしん)騎士サマだから、てっきり不埒者として投げ飛ばされるくらいのことは覚悟したんだが……想像とは真逆のリアクションだった。


 俺に生乳を揉まれた直後、悲鳴とともに身体を抱いて、ナヨナヨと座り込んじまったんだ。

 その様はまるで、オークに襲われた村娘みたいだった。


 逆にシャリテのほうはそれっぽくて、俺は華麗なる一本背負いで温泉の中にブン投げられちまったんだよな。


 そのとき三人娘はどうしていたかというと、いろんなモノが見えたということで大騒ぎ。


 コリンはリンゴみたいに真っ赤にした顔を手で覆ってイヤイヤをし、グランは小学生みたいにチ○コという単語を連発。


 イーナスは「エリンギ……いや、白茄子……?」とひたすら似たモノ探しに没頭。

 「もう一度よく見せて」とせがまれたが、それは丁寧にお断りする。


 その後……俺は温泉の洗い場に全裸正座させられ、シャリテとビリジアンの乳を揉んでしまった痴漢行為について公開裁判を受けた。

 結局、「俺が混浴だということを知らなかった」ということを理解してもらえ、それ以上のお咎めはなかった。


 ひと騒ぎもふた騒ぎもあったあと、ようやく温泉に入ろうってことになったんだが……ここでもまた問題が起きちまった。


 この温泉では湯質を守るために、湯船にはタオルを浸けてはならないというルールがあって、どうやら素っ裸で入らなきゃならねぇらしい。


 そんな決まりに、あのお硬いヤツが黙ってるわけがねぇ。

 ビリジアンが「男女が裸で混浴なんて、ふしだらよっ!」と猛反対してきたんだ。


 しかしこの問題は、意外な人物の提案によって解決する。


 イーナスが「レイジに頼まれていたもの、もってきた」とどこからともなくアイマスクを取りだしたんだ。


 そんなモノ、いったいどこに持ってたんだよ。

 それに俺は頼んだ覚えはねぇぞ?


 しかしシャリテは「なんだレイジくん、混浴だってのを知ってたんじゃない。ちゃんと目隠しを頼んでおくなんて、案外紳士なのね」と褒めてくれた。


 これには例の委員長も「め、目隠しをしてくれるんだったら、いいわ……てっきりやましい気持ちがあるんだと思ってたけど、誤解してた……こういうところは、ちゃんとしてるのね……」と戸惑いながらも見直してくれたんだ。


 なんにしても、俺が目隠しをするということで話がまとまった。

 そのうえ、先程の狼藉も帳消しになりそうな雰囲気。


 頼んだ覚えはねぇけど、グッジョブ、イーナス。

 今回ばかりは、貸しにしとくぜ……!


 と心の中でイーナスに向かって親指を立てていたんだが、すぐに大間違いだと気づく。

 これは、巧妙に仕掛けられた罠だったんだ……!


 目隠しはイーナスがしてくれたんだが、俺に着けながら耳元で、



「旦那、イイもの見せてくれたお返しに、サービスしときましたぜ……イッヒッヒ」



 と嫌らしく囁いていたんだ。


 俺は、アイマスクをするなら何も見えねぇだろうと思って、ずっと瞼を閉じていた。

 だからその時は、イーナスが何を言っているのか全然わからなかった。


 俺の身体は今日一日、肉体労働の連続でガタガタだったから、湯船に浸かった瞬間気持ち良さのあまり「あぁ~っ」と声を漏らしちまった。

 そこで溜息とともに目を見開いたところで……ようやく気がついたんだ。


 アイマスクの生地が極薄で、目隠しの役目を果たしていないということに……!


 俺の眼前には黒いメッシュと白い湯気があったんだが、どちらも視界を遮るほどの効力はなかった。

 むしろヴェールのように紗がかかったようになってしまい、その向こうでは……一糸まとわぬ女たちの肢体を、よりいやらしく浮かび上がらせていたんだ……!


 これは、何という大サービス……!

 グレートジョブ、イーナス!


 と俺の胸は一瞬だけ弾んだんだが、しばらくして大変なことに気づいちまった。


 素知らぬフリをしていなければ、怪しまれるということに……!

 もし俺が丸見えの目隠しをしていることがバレてしまったら、出歯亀扱いは免れないということに……!


 俺は完全に判断を誤っていた。


 イーナスが「レイジに頼まれた」とアイマスクを取り出した時点で、否定しなくてはならなかったんだ……!


 否定せずに着け、こうして入湯してしまった以上……いまさら撤回しても遅い。

 この『スケスケアイマスク』は、俺が発注したも同然となってしまった……!


 しかもヤバイのはそれだけじゃない。

 こんなものを用意していたと誤解されたら、最初の乳揉み問題にも飛び火する。


 事故ということで片付けられたはずのものが、故意として再燃しちまう……!


 そうなったら最後、女性陣の信用は地に落ち……ド変態のレッテルとともに、最悪ネステルセル家を追い出されちまうかもしれねぇ……!


 この最大のピンチ対し、俺ができることはひとつしかなかった。


 命がけで、「見えてないフリ」をすること……!


 それは思っている以上に辛いことだった。

 だって凝視するわけにもいかねぇし、目を反らすわけにもいかねぇんだからな。


 俺はアイマスクごしに、恨みの視線をイーナスに投げかける。

 するとヤツはすぐに気づき、「エンジョイ」と親指を立ててきやがった。


 この野郎っ……!

 あとで覚えてやがれよっ……!


 俺はせっかくの温泉だというのに、全然リラックスできず……まるで煩悩の修行をさせられている坊主みたいに背筋を正したまま、ただただまっすぐ前だけを見ていた。



「はぁぁぁ~っ、気持ちいい……! 入る前は外のお風呂だなんて気が進まなかったけど……入って良かったわぁ……たまった疲れがお湯に溶けていくみたい……!」



 シャリテは更年期の主婦みたいなことを言いながら、とろけきっている。

 俺に見られているとも知らず、わがままボディを全開にして。


 地味なメイド服でも出しゃばりだった山脈のような胸を、お湯に浮かべてクラゲのように漂わせている。


 着痩せするタイプなのか、それともお湯で屈曲しているせいなのか……ひたすらにデカい……!



「うおっ! シャリテのおっぱいでけー!」



「男の遊園地みたいな身体」



 シャリテの両サイドにいたグランとイーナスが、その豊乳をむんずと掴んで揉みしだきはじめた。

 指が埋まって見えなくなるほどに柔らかい物体を、粘土で遊んでるみたいに無邪気にこね回す少女たち。



「あっあっあんっ!? ちょ、グランちゃん、イーナスちゃん、くすぐったいわ……! 触ってもいいけど、もっとやさしくしてぇぇ」



「「はぁーい」」



 持ち主から注意されると素直に返事をして、手つきを変えるグランとイーナス。

 イーナスが触るような触らないような妙な焦らしを加えてきたので、グランもマネしている。


 熱い湯に浸かっているはずなのに、ぞくぞくぞくっと背筋を反らせるシャリテ。



「あっ……ああっ……はっ……はあぁん……! そ、それもやめて……なんだか変な気持ちになっちゃう……!」



 「シャリテはおっぱいが弱い、これ豆」となぜか俺に向かって言うイーナス。

 「えーっ、強くしてもダメ、弱くしてもダメなんて、どうすりゃいいんだよー?」と不満そうなグラン。


 そばで見ていたビリジアンは、呆れたようなため息をつく。



「触らなければいいだけでしょ! ……まったく、あなたたちまだ13歳でしょ? それなのにエッチなことばかり興味を持って……!」



 続けざまに「爪の垢を煎じて飲ませてあげたいわ……!」と視線で俺に同意を求めてくるビリジアン。


 俺は、危うく頷き返しそうになっちまった。

 主語がない以上、反応するのは命取りになりかねん。


 ビリジアンはせっかくの温泉だというのに、いつも以上にピリピリしている。

 ちょっとした変化にも気づくかもしれねぇから、用心しねぇと。


 しっかし……俺はともかく、コイツはもっとリラックスしてもいいはずだろ。

 こんな時でも眉間にシワを寄せやがって、せっかくの素材が台無しじゃねぇか。


 逆に身体のほうはシワひとつなくて……シャリテに負けず劣らずのナイスバディ。

 それにコイツは思ったより華奢だ。肩幅は小さいし、腰なんて抱きしめたら折れそうなほどに細い。


 普段は鎧を着ているから、そのギャップはシャリテ以上だな……なんて思っていたら、グランとイーナスが獲物を見つけた鮫みたいに迫っていた。


 お小言を続けるビリジアンの胸に、ふたつの手が伸びる。



「私が13歳の頃は、一刻も早くセンティラス様のお役に立てるようにと、お城で毎日剣術の稽古をしていたのに、あなたたちときたら……ひゃうっ!?」



「すげービリジアン! お前の身体のほうがよっぽどエッチだよ!」



「これにはオークたちも、確かな満足」



「だっ……やめっ! やめなさいっ! あんっ!」



 悪ガキふたりによって蹂躙される女騎士を眺めていると、俺の腕が控えめにチョンチョンとつつかれた。


 その触れられた方向に注意を移すと……コリンが上目遣いで俺を見ていた。



「……どうした、コリン?」



 するとコリンはびっくりしたように目を見開く。



「えっ、レイジさん……目隠しをされてるのに、どうしてわたしだとおわかりになったんですか?」



 俺はとっさにごまかした。



「い、いや、お前だけ声がしなかったから、もしかしてと思ってな。ところで何だ?」



「はい……あの、その……もしおイヤでなければ……あの、せな……あの……お背中を……あのあのあの……そのっ……」



 なんだ、口ごもって……? と俺は思ったが、山道でグランから聞いていたことを思い出し、こっちから振ってやることにした。



「そうだコリン、よかったら俺の背中を流してくれねぇか? お前がイヤじゃなければだが」



 するとコリンはパアァ……と湯の花が咲いたような笑顔を浮かべた。



「はっ……はい! レイジさんのお背中、流させてください……!」



 ばしゃっと立ち上がるコリン。

 大事なところが見えそうになったので、俺はとっさに顔をそむける。



「あの……レイジさん、どうされましたか?」



 生まれたままの姿を隠そうともせず、覗き込んでくるコリン。

 鼻血が出たらヤバイと思い、俺は鼻を手で覆って取り繕う。



「あ、いや……なんでもねぇ」



「ではお背中をお流ししますので、こちらに……」



 促されて、鼻を押さえたまま立ち上がろうとしたが……大事なことに気づく。



「あっ……! いっ、いや、コリン……もうちょっとだけ待ってくれるか? 今はちょっと、都合が悪ぃ」



「はい、それはかまいませんけど……どうかなさいましたか? どこかお身体の具合でも……?」



 すると、イーナスが余計な口を挟んできやがった。



「レイジのレイジがレイジングブルになってるから、零時まで待って」



「はぁ……れいじんぐぶるさんに、なられてるんですか……?」



 必死になって鼻と股間を押さえる俺に、コリンは不思議そうに首をかしげるばかりだった。

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