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幼馴染はウザい

作者: こんにちは酒

 ウザい。ただただウザい。誰がウザいかって?俺の幼馴染の輝子だ。漫画とかでよくあるじゃん?可愛い幼馴染がいるとお節介されるとか好意を持たれるとか。でも俺にそういうのはしてこない。なぜなら・・・


 もう一人の幼馴染の光喜に恋の矢印が行ってるからだ。別に二人とも悪い奴ではない。光喜は明るいバカ(褒め言葉)で輝子はお淑やかなバカ(褒め言葉)だ。ただ二人ともバカなのが問題だった。

 輝子は光喜に惚れている。顔や態度に出さないようにしているが親しい人には分かる程度には表に出ていた。誕生日にはプレゼントを渡し、バレンタインには光喜にだけ手作りだ。高校も進学校に行けるのに光喜のそばに居たいというだけでランクを落


とした。ちなみに俺はバカ(そのまま)だけど二人に誘われて頑張って今の高校に入った。そのせいで授業で苦労をしている。

 光喜は輝子の好意に気付かず誘われても遊びには俺を誘う。輝子は二人きりで遊ぶのが恥ずかしくて俺も誘う。しかも毎週だ。俺の時間はどこ行った?高校に行ったらバイトして金を稼いでバイクに買って、できれば彼女を作って後ろに乗せてデートをしたかった・・・したかったんだ!


 今の生活はどうだ?授業についていくのがやっとでバイトはできない。休みは二人のバカに拘束されてる。金も学力もルックスもない俺の未来はどこ行った・・・


 まぁ俺の話はいいか。まずはバカ男の話をしよう。


 光喜は友達が多い。そしてルックスもいいので女友達も多い。漫画のキャラみたいに鈍感ではない。が、なぜか輝子の好意には気づかない。やっぱり鈍感でいいか!男だけで集まるとアイドルやアニメ、サッカーなどの話で盛り上がる。オタクともヤンキーとも話が合うからモテモテだ。

 そこに女子が入ると音楽やらドラマなどの話に移して不快感や嫌悪感を持たれないようにする。話題が豊富なイケメンはモテる。当然の理屈だ。だが!なぜ!その話を輝子としない!


 次はバカ女の話だ。

 輝子は料理や裁縫が趣味の可愛い女だ。少し世間の流れに疎いところはあるがまぁ普通だ。いつも女友達と話をしていて、あまり俺ら男には近づかない。料理が上手いのは家庭部の部活で知れ渡っている。

それが良いのか、男子には隠れファンが何人かいる。なぜなら俺が名誉会長だからだ。どうやらフツメン(重要)で輝子の幼馴染なための抜擢らしい。知るか。


 輝子は光喜と話をしたいが勇気が出ない、話題がない、ということで俺を呼ぶ。この前なんて光喜から2人だけで遊ぶ約束をさせられた時に輝子から遊びの催促が来た。どこで知った・・・なんか怖いぞ。

 そんで3人で遊ぶが光喜は俺と遊ぶ予定がなぜか輝子がいるので聞く。答えられないのではぐらかす。輝子は光喜がいるだけで満足なのか笑顔で何も話さない。3人とも幼馴染なのに俺という接点しかないので俺の話で盛り上がる。待て輝子、それで良


いのか?光喜が話す内容は俺と遊んだバカな話しかないぞ。というか知ってるだろ!!!「すごーい!」じゃねぇ!光喜これ以上言うな!それは俺の黒歴史だ!


 ・・・今の時間は夜7時。お前ら帰れ。母さん晩飯を用意しなくていい。こいつらは家に帰していい。俺はゆっくり食いたいんだ。光喜は「ママさんゴチになります!」じゃない。お前はなぜ食うのが当たり前になってる?輝子は「おばさん手伝います!」じゃない。お前も帰れ。そんで自分の家の晩飯を作れ。知ってるか?お前の親父さんが休みの日に娘がいなくて寂しがってるぞ?そんで光喜を殴る計画をしてるぞ?ちなみに俺も殴る側に参加予定だ。そのために通信空手を習い始めた。楽しみだ!!


 夕飯はカレーだった。俺の家は自分で食べる量をよそう。だが光喜のは輝子がよそっている。何故か?光喜のは超特盛だ。理由は光喜が太ればモテなくなるので、女子が周りからいなくなったときにアプローチするそうだ。気が長いこって・・・だが知らないのか?知っているだろう?光喜は太らない。体質らしいが食べても程よい筋肉になるだけだ。やっぱり光喜を殴るのに道具を使うか。俺?高校生なのにすでにメタボだよ!


 「それで輝子ちゃんはうちの子と光喜くん、どっちが好きなの?」


 母さん、なんてことを聞くんだ!?見ろ!輝子は顔を赤くして黙ってしまった!それを見て光喜は勘違いしている!「はっはーん?輝子が好きなのはこいつか?」みたいな顔をしている。好きなのはお前だよ!チラチラ横目で見られてるだろ!気づけよ!バカか!?バカだったよ・・・


 微妙な空気でその場は終わり、2人は帰宅した。疲れた・・・さっさと風呂に入って寝よう・・・

 と思ったら男のバカの方からメールが来た。「おつかれー!輝子ってお前が好きなんだな!知らなかったよ!相談にのるぜ?女友達多いしな!」おまえーっ!やっぱり勘違いしてやがる!めんどくせぇから返信はしないわ!

 そのあとすぐに女のバカの方からメール。「ちょっと二人で会いたいの。公園に来て」なんなの?恋の相談?それとも愚痴?めんどくせぇが行く。一応は可愛いJKだしな。


 公園には輝子がベンチに座っていた。都会ではないが、こんな時間にいるのは危ないだろう。横に座る。

 「おばさんにはビックリしたよ。いきなりあんなふうに聞かれたから心臓が止まると思ったよ・・・」

 そりゃそうだな。好きな人が近くにいるのにあれはない。素直に謝る。

 「謝らなくても大丈夫。でも光喜くんには勘違いされたかも・・・」

 そうだな。あいつはバカだからな。だがお前もバカだ。幼馴染で言いづらいのは分かるが言わないと気づかない。バカだからな。

 「明日・・・告白する。」

 そうか、とうとう言うのか。大人しいこいつから言うのは緊張するだろう。だが応援するぞ!

 「ありがとう。また明日。」

 なんで明日なんだ?明日は日曜日。光喜に告白するのに俺はいらないだろう。あ、分かった。後押しして欲しいのか。仕方ない。付き合ってやるか。

 そして輝子は帰った。家まで送ると言ったら断られた。家に着いたら連絡するように言って俺も家に帰った。10分後に着いたと連絡が来たので安心して寝た。



 起きると10時だった。スマホを見ると光喜と輝子からメールが来てた。

 「3時にカラオケに集合な!輝子も来るってよ!あいつから遊びに誘われるの珍しいよな!遅れるなよ!」はいはい了解と送る。

 「勇気を出します!3時に来てください!」はいはい、こちらも了解っと。


 昼飯を食って着替えて出かける。目的地は駅前のカラオケ店。10分前に着くと2人はもう来ていた。

 「お、来たな。予約は入れてあるから入ろうぜ。日差しが暑くてかなわねぇ。」

 たしかに少し暑い。だがそれほどか?

 「入りましょう!」

 お、輝子は気合が入ってるな。あまり見たことはないが、今日は薄らと化粧をしている。服装もいつもより露出が多い。頑張れよ!


 受付をして部屋に入る。輝子は顔を真っ赤にしていて話しかけても返事がない。ここは気分を紛らわせてやろう。そう、俺の18番、戦隊シリーズを替え歌で歌う!番号を入力して曲が流れる。歌おうとしたその時・・・

 演奏中止を押された。誰だ?光喜だな。殴ってやる。空気が読めないのか?

 「私が押しました。ちょっと待ってください・・・」

 おいおいおい、いきなりか!覚悟完了しすぎだろ!黙っていよう。俺は出来る男なのだ。


 「2人に来てもらったのは・・・話があるからです。」

 さぁ、どうする光喜!ちゃんとはいかYESの返事の準備はOKか?ビックリするだろうな・・・だが受け止めてやれ!

 「私には好きな人がいます。今日は告白しようと思って2人を誘いました・・・」

 光喜の顔を見る。あれ?驚いてない。しかし真剣な顔だ。あんな顔はエロ本をいっしょに買いに行ったとき以来だ。

 「私が好きなのは・・・」

 頑張れ!お前ならできる!だてに幼馴染はしていない!その想いをぶつけてやれ!

 「・・・私が好きなのは、あなたです。ずっと前から好きでした。子供の時から好きでした。付き合ってください!」

 そういって頭を下げた先は―――――俺?なんで?向きが違うよ?光喜は90°横だよ?あれ?


 「やっぱり気づいてなかったのか・・・こいつは昔からお前のことが好きだったんだよ。さりげなく教えていたのに気付かないとは・・・やっぱりお前はバカだわ。」

 え?なんで?だって光喜が話していると輝子が寄ってきたじゃん。俺は関係ないじゃん?

 「違う。基本的に俺がお前の好きそうな話をして、お前が来たらさりげなく輝子が来ても違和感がない話題にしたんだ。おかしいと思わないか?気が付くと俺ら3人だけで話していて他のみんなが離れて行ったの。ってマジで気が付いてなかったのか・


・・」

 えー、でも誕生日やバレンタインでは光喜だけ手作りのプレゼントじゃん。

 「あれ、お前に渡したプレゼントのあまりだぞ。量は多いが質はお前の方が上だ。」

 えー、じゃあ俺はかっこよくないのn・・・

 「好かれていたのは自分じゃないって理由を探すのはやめろ。ちゃんと向き合え!さっさと返事をしろ。輝子が待ってるぞ。」

 えーっと、よくわからないけど・・・付き合おうか?いいの?マジで?

 「よろしくお願いします!」



 こうして俺と輝子は付き合うことになった。友人いわく、鈍感すぎる俺を殴る委員会があったらしい。そしてそれはファンクラブと兼任していたらしい。殴られなくて良かった!でもこれでいいのかな?ちょっと戸惑ってるんだけど。

 「私と付き合うの後悔してますか?」

 そんなことはない。バカだと思っていた幼馴染は考えていて、バカじゃないと思ってた俺が一番バカだった。簡単な話だ。


 俺はこれからもバカなことをするんだろう。それを幼馴染はフォローするんだろう。そんな変わらない毎日。変わったのは俺がバカなのを自覚したこと、今までより輝子が近くになったこと。うん、やっぱり変わらない毎日だ!

書いてるうちに結末が変わってた

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