8話:ナタリア嬢の愉快な部下たち
7話誤植があったので訂正しました。
昼になった。午前中ナタリーはずっと俺と行動を共にしていた。
「ハヤト、朝食の続きだ、あーん」
「ハヤト、食後の休憩だ、私の膝をつかえ」
「ハヤト、工事の視察に行くぞ、馬に乗れ」
「ハヤト、視察が疲れたか?背中に寄りかかってもよいぞ」
「ハヤト、昨日は湯浴みをしていないだろう。私が背中を流そう」
さすがにちょっとくっつきすぎじゃね?
「なぁアルバート」
「何だ予見者様」
騎士団副団長アルバート(45歳既婚反抗期の娘あり)に声をかける。今は休憩時間、アルバートは剣の手入れをしていた。
「ナタリーがめっちゃ俺に構ってくるのだが」
「そりゃ予見者様、新婚なんてもんはあんなもんでさ。うちの家内も結婚してから数年はあんな感じでしたぜ。子供ができたら少しは落ち着きましたが」
「けどまだ出会って1日たってませんよ?」
「それはきっとナタリア嬢だからでさ」
「そういやお前らナタリーに嬢つけて呼ぶけどなんでだ?」
アルバートいわく、ナタリーはレーヴェタリアンの第2王女らしい。小さいころから体を動かすのが好きで、勉学に才能を表した第1王女との王位継承権を争うことを避けるため騎士団に入り王位継承権を破棄したのだそうだ。
「おれらみたいなむさくるしい野郎どもの中でナタリア嬢はまさにアイドルさ、強いしな」
「部下のことを1番に思ってくださる、最高の上司だ。あと強い」
「ナタリア嬢の作る特製野営シチューは格別なんだ!それに強い」
「ナタリア様のおみ足で踏まれたい」
アルバートと話しているとみんながよってきた。ナタリーはみんなに愛されているらしい。そしてとにかく強いらしい。
「ナタリア嬢は、立てば100人座れば10人歩く拍子に一個師団ともいわれる、まさに人間軍隊だ」
「聞くところによると、戦争協定を守るため力を抑える目的で騎士団の長に据えられたという」
「仮にナタリア嬢が一人で戦場に立てば、勝てない国はいないという」
さすがに言いすぎじゃね?
「でもまぁ、昨日のあれは新記録だな」
「流石に10分で敵将の頭とってくるなんてことはなかったぜ」
「前の記録は30分だったしな」
ふむ、どうやら予見者である俺がいることによって本当に勝利に導かれたというのだろうか。
いや正直ナタリーの評判を聞く限り勝利はゆるぎないものだったみたいだけど。
「おーい、ハヤト―、昼飯の準備ができたぞー」
「お、予見者様、奥さんが呼んでますぜ」
「まったく、みんなのアイドルナタリア嬢をこんなやつが射止めちまうなんてな」
「いいじゃねえか、ナタリア嬢の地位を利用しようなんて輩よりはな」
「それにナタリア嬢も幸せそうだしな」
「いいか、もしナタリア嬢を泣かせるようなことがあれば」
「「「絶対に貴様を許さん」」」
……はい……。




