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うちの妻は一騎当千  作者: 樂
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5話:唐突ですが…

 そして話は1話に戻る。

 

 俺を連れて敵陣へと突っ込んだナタリアさんは、まさに一騎当千の猛将であった。


 というかナタリアさん強すぎない?これ予見者とかいなくても勝てるやろ。


 そう思いながらも必死に馬にしがみつく俺。敵は蹴散らしていっているので攻撃は来ないのだが、いかんせん馬に乗るというのはなれない。ナタリアさん両手離して、右手にランス左手に槍もって戦ってるんですがこれってこの世界の人のデフォルト乗馬術なの?


 そうこうしているうちに少し遠くに敵陣が見えてきた。レーヴェタリアンの陣と同じようにテントが貼っており、周りは敵の侵入を防ぐためか堀のようなものと柵とで覆われている。


「あのナタリアさん」

「なんであろうか予見者よ」

「このままいくと堀に落ちてしまうのですが」

「そうだな」

「進路変更は?」

「しない」


 次の瞬間俺たちの乗る馬は大ジャンプをして堀と柵を越えてしまった。


 あの今の20mくらい跳んだんですが、この世界の馬ってこんなにすごいの?


 馬が着地するとナタリアさんは手綱を操り、進路を変えた。どうやら一番大きなテントを目指すようである。敵兵も何とか阻止しようと奮闘するが、みんなナタリアさんの槍の前に倒れていった。


 ナタリアさんはランスでその大きなテントを突き破り、中へと侵入した……って

ちょっとワイルドすぎやしませんかね。

 テントの中にはおっさんがいた。


「貴様、レーヴェタリアンの兵だな?」

「いかにも、レーヴェタリアン騎士団団長のシュバイツァーである」

「一騎当千といわれるシュバイツァーが女だったとはな。噂はかねがね聞いているよ」

 やっぱナタリアさんってデフォルトで一騎当千なんですね。

「そういう貴様はアードライアの将軍カールだな。貴様の首貰い受ける!」

「貴様のような小娘に後れを取る私では」ザシュッ


 ………あの、カールさん台詞言い終わる前に首ちょんぱなんですが。




「いやー、予見者殿。貴殿のおかげでわが軍は勝利を収めることができました。ささ、酒をどうぞ」

 ナタリアさんが敵の将軍の首を取ったのち、アードライア軍の兵士たちは降伏した。今夜は祝勝会である。

「あのナタリアさん、俺何もしてないんですが…」

「謙遜するでない、そなたがいたからこそ私も力を発揮することができたのだ。礼を言わせてもらう」

 場所はレーヴェタリアン軍の陣地の広場、どうやらほかの兵士たちもほとんどが飲めや歌えの大騒ぎのようだ。すでに空の酒樽が10個は転がり、みんな出来上がっている。ちなみにアードライア軍の兵士たちはレーヴェタリアン騎士団の監視のもと堀を埋める作業と柵の撤去をしているらしい。


「此度の戦に勝てたのも予見者殿のおかげ、何か褒美を取らせよう。なんなりと言うがよい」

 顔をほんのり赤らめたナタリアさんが俺に近づき、耳元でそう言う。ナタリアさんの胸が俺の腕に当たり、なんだかいかがわしい雰囲気だぞこれ。


 んー、褒美ねー。そもそも異世界から来た(と思わしき)俺からしたら、そもそもこの国でどうしたらいいかすら分かんないんだよねー。生活自体は予見者だからってことで軍が保証してくれそうだけど、というか俺予見者の仕事とかしてない気がするけど。

 そうだ、嫁さんをもらおう。

 思えばこの世界に来る前の唯一の心残り、可愛いロリ妻を迎えるという夢が叶っていないではないか。

 アルコールが回った頭で深く考えることなどできるはずもなく、俺はナタリアさんに言った。


「(ロリっ子を)嫁に欲しいです!」

「(ナタリアを)嫁に欲しいだって!?」


 あれ、なんかナタリアさんの顔がめっちゃ赤くなった。

「えっと、その、(私なんかで)いいのだろうか?」

「もちろんですよ!(ロリっ子が)いいに決まってます!」

「でもでも、(私なんかより)他にもいい人がいるかもしれぬぞ?」

「そんなの関係ありません!」

 ますますナタリアさんの顔が赤くなる。なんかほっぺ抑えてくねくねしてるしマジ可愛い。10年前なら求婚してたのに。

 ナタリアさんは俺の顔を見つめては顔をそむけ、指をいじいじさせていた。

 少ししてナタリアさんは俺の方をしっかりと向き、正座をして俺の目を見つめた。そして、

「あなたさまの求婚、喜んで受けさせていただきます、旦那様」

 そう言いにっこりと俺に笑いかけた。

嫁ができました。

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