17話:決意
馬車は王都への道を進んでいく。
「ちょっと待って、『なぜ王族との結婚を許されたのかを国民に知らせ』られるってことは、その中に条件のヒントがあるんじゃないか?」
「王族の結婚に関する記録の中に、当時の国王の発言が記録されていたのだが、そこは大抵対象者の優れている点だった。敵国を退けるため尽力したとか、飢饉の解決に関わったとかな」
「つまり敵国を退けたり基金を解決するほどの活躍がいるってことか……って、一応俺も敵国を退けるのに予見者として参加したぞ、正直何の役にも立ってないけど」
「何を言う、ハヤトは私のそばにいるだけで私の力を引き出してくれる。そなたのおかげで私はいつも以上の力を発揮できたのだから、そなたのおかげでアードライアを退けたといっても過言ではないだろう」
微笑み慈愛のまなざしで俺を見つめるナタリーまじ聖母。ここは天国ですか?
「ということは十分な活躍はできたってことでいいんだな!」
「いや、それはあくまで予見者として当然のことをしただけと思われるだろう。さっき挙げた例だと、敵国を退けたのは財政官の出だし、飢饉を解決したのは騎士団で後方支援の任についていた者だ。もちろん元々の役職での能力が役立ったこともあるだろうが、いずれも元は専門外、やるべきことをしたうえでさらに成果を上げることこそが求められるのだ」
「結構厳しいんですね……」
つまり、俺に予見者として以外に何かしらの成果を残せば、ナタリーとの結婚に一歩近づくのか。
元の世界にいたころ、結婚願望はなかった。
いや、厳密には死ぬ間際(?)にロリ嫁が欲しくなったのだから結婚願望があったといえるのかもしれないが、少なくとも死ぬ直前まで結婚のことは考えていなかった。
小さいことはそんなこと考えずに面白おかしく過ごしていたし、工業高校から工業大学と工学系の道に進んだ俺に女の子との出会いはなく大学を卒業するまで2次元が嫁だった。
親が死んでからは仕事ばかりで恋愛なんて考えていなかったし、余命宣告された後も恋愛をする気なんて欠片ほども起こらなかった。
だから、この世界に来てナタリーに好意を伝えられたときは嬉しかった。
最初は意思疎通のすれ違いでなってしまった婚約関係だが、ナタリーはロリのような純粋な心を持ち、ロリに負けないほどの可愛らしさ、そしてロリには持ちえない凛々しさ、気丈さを持っていて、俺のあこがれの女の子像そのものだった。
ナタリーといちゃいちゃしたい。
ナタリアと結婚したい。
ナタリア・ヘルガ・シュバイツァーと共に歩んでいきたい。
そのために、俺はどんな努力も惜しまない。
あらすじの日付に矛盾があったので訂正しました。
12月31日→12月30日




