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うちの妻は一騎当千  作者: 樂
15/25

13話:その姿まさに

 なんやかんやあって5分後。


「ついてしまったな、頂上(?)」

「そうだな……」


 正面から堂々と進撃していったナタリーは障害を障害とせずたんたんと上り続けていった。この子強すぎ。


「取り合えず一番高いところについたはいいが、どうしたらいいのだ?」

「さぁ、俺も何も言われてないし」


 ここに来る途中に遭ったすべての敵兵はナタリーが倒してしまった。つまり迎撃の必要が特にないし、おかげで暇なのである。

 しかしよく見るとこの要塞、ところどころ造りが豪華なのだ。ステンドグラスやシャンデリアなど、要塞にはそぐわない調度品も多かった。


「おぉ、ハヤト!ここからの眺めは最高だな!」


 雪に覆われて真っ白な山脈を見てナタリーがはしゃぐ。こういうところは年相応というか、すこし幼げというかなんとうか可愛い。


 まだ日は昇っておらず、薄暗い中霧をまといながら堂々とそびえたつ山は迫力がある。


「西側の山はモルゾン山といってな、少し小さいがレーヴェタリアンから見る朝日が昇る様は絶景なのだ!此処からでもきっと見えるぞ!」

 山のてっぺんから朝日が昇るのが見られるのか。日本人として実になじみ深い風景だが、こちらの世界ではどんなものなのだろうか。あれ?

「お日様って西から昇るの?」

「ん?太陽が東から昇るわけなかろう?」


 この世界って結構元いた世界と似てるなーって思ってたけど、というか魔法とかないみたいだからまんま中世ヨーロッパなんだよな、けどまさかこんなところで異世界を感じられるとは!


「あと東側のアーゾン山は朝日を浴びるさまが実にきれいらしい。これはいつでも見られるらしいのだが、せっかくの機会だ。それにこんな高い処から見るというのも乙なのだろうな」

「太陽の光で雪が光るんだろうな、年中見れるなんてちょっと得した気分だ」

「だが、毎日見てたらさすがに飽きるだろうな」

「そりゃそうだ」


 なんて話しているうちに、モルゾン山の頂上が少し明るくなった。日の出のようだ。


「ハヤト、見ろ!すごい絶景だぞ!」

「ほんとだ、すごい景色だな」

 

 霧に太陽の光が反射して、すごくきれいだ。富士山の朝日を拝むなんてイベントもあるけど、きっとそれにも勝るような景色だろう。


「こっちの窓からはアーゾン山がきれいに見えるぞ!」


 外を見てナタリーがまたはしゃぐ。朝日が顔を照らして、しかも笑顔で、まるで……


「ん?どうしたハヤト、まるで天使でも見たかのような顔だな。いくらここが素晴らしい土地でも、天国ではあるまいに」



 ナタリーの背に虹色の羽根が生えて、まるで天使のようだった。

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