表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~  作者: 壱弐参
第四部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

869/917

その866 二つの特性

「そう、二つの特性です」


 そう言って、俺は二人の目の前に黒板を取り出した。

 そこに簡単な剣の絵を書き、その下に「100」と書いた。


「これが、アーティファクトではない単純な剣の基礎攻撃力です」


 その隣にまた数字を記入。今度は「50」と書いた。


「これが、この剣をアーティファクト化させた際の上昇攻撃力。つまり、基礎攻撃力と合算すれば、この剣の総合攻撃力は「150」となります。ここまではよろしいでしょうか?」


 言うと、二人は見合ってコクコクと頷いた。


「次に遺物(レリック)化した時の上昇攻撃力です」


 基礎攻撃力から右下に矢印を伸ばし、「100」と書く。


「なんて素晴らしい事でしょう! アーティファクト化した際の倍の上昇攻撃力です。つまり、遺物(レリック)化した武器の総合攻撃力は「200」となるのです」


 控えめに拍手しながら遺物(レリック)化とした攻撃力をひけらかす。

 しかし、ひけらかしたい相手であるガイアスとアリスは首を傾げたままである。


「おや? まだわかっていらっしゃらない?」


 そう聞くと、アリスは小首を傾げたまま言った。


「それがどういう事なのか……さっぱりです」


 その問いを聞き、俺はガイアスを見る。


「アーティファクト化した時より「50」の攻撃力が上昇したのが遺物(レリック)化……って事まではなんとかわかったが……それと二つの特性と何の関係があるんだ?」

「お、流石ガイアスさん! いいところに気が付きましたね! そうです、これは二つの特性の説明ですから! この説明には一つずつの特性(、、、、、、、)しかありませんからね!」


 そう言うと、二人はハッとして驚いた。


「お、そろそろわかってきましたね? そうなんです、これは一人の鍛冶師が鍛え上げた際の上昇値! 二人で鍛え上げた【勇者の剣】はこれに該当しません!」


 しんとするガイアスの仕事場。俺はニヤリと笑ってから二人に説明を続けた。


「さて、二人の鍛冶師が鍛え上げた勇者の剣。一人が死に、一人が生きている場合、どのような事が起こるのか?」


 そう言いながら、俺はアーティファクト化の「50」の隣に遺物(レリック)化「100」の数字を持って行く。


「なんとビックリ! アーティファクト化の「50」とは別に遺物(レリック)化の「100」が上昇攻撃力に加わるのです!」

「「そ、それじゃあ……」」

「そう! アーティファクト化した剣は「150」! 遺物(レリック)化した剣は「200」! しかし、今回の【勇者の剣】は製作者の一人である私の分裂体が死んでいますので、アーティファクトと遺物(レリック)の二つの特性が表れます! 総合攻撃力「250」のぶっ壊れ性能付きのチート武器です!」


 そう言うと、世界の認証が取れたかのように、二本の勇者の剣が光り出す。


「お、おぉ……!」

「嘘……ほんとに遺物(レリック)化してる……!?」


 ガイアスとアリスは驚きを隠せず、ただただ目を丸くしていた。


「のんのん、アリスさん、これは遺物(レリック)化ではありませんよ。アーティファクト化と遺物(レリック)化のイイトコどりを両立した……そう、世界の(ことわり)を利用した【合算バグ(、、、、)】とでも言いましょうか!」

「いや、相変わらずネーミングセンスが……」

「いやぁ~、霊龍の『やっちまった』って顔が目に浮かびますね!」

「私としては、世界の管理者相手に、何でそんなに喧嘩を売るような態度をとれるのか疑問です……」

「霊龍ならきっと笑って許してくれるはずです。(むし)ろ、『世界の裏技の一つを見つけ出すとは恐れ入りました』とか言いそうですよ」


 そこまで言うと、アリスはどっと疲れたかのように肩を落とし、溜め息を吐いた。


「はぁ……ミケラルドさんの探究心が霊龍様に勝ったのかもしれませんね」


 そう言って、アリスには珍しく控えめながらも俺を褒めてくれたのだ。


「ふふふ、アリスさんに褒められるとは嬉しいものですね」

「べ、別に褒めている訳じゃありませんっ!」


 ツンデレかな? ツンデレなのかな?

 そう思いながら、ニコニコしながら俺はガイアスの下へ歩いた。


「若造……!」

「どうです? これは控えめに言っても……【歴史上最強の剣】と言えるんじゃありませんか?」


 するとガイアスは、


「ふっ……ぷっはっはっはっはっはっはっは! やられたぜ! まさかこんなバカげた方法で勇者の剣の底上げをするとは思わなかったぜっ!」


 目に涙を溜め、最高の笑みを見せてくれたのだ。


「うーん、でも何でこんな事が出来るんでしょう? ミケラルドさんみたいに分裂体を殺せるかはともかく、歴史のどこかに、世界のどこかに二人の合作としてのアーティファクトくらいならあったと思うんですけど?」


 アリスの疑問に、俺とガイアスは見合って笑った。


「はっはっはっは! 二人の合作ってのならいくらでもあっただろうが――」

「――アーティファクトにまで昇華出来る技術力を持った人ってのは大抵頑固で他者の介入も嫌がるものですからね。更に、両者の目の届く内にその片割れが死亡するなんてケース、世界史的においても稀有なケースだったと思いますよ」


 俺たちの説明に、アリスは困った顔を浮かべる。


「……今の二人を見てたらそんな事はないと思えますけどね」


 そんなツッコミに、俺とガイアスはまた見合って、黙って、噴き出すように笑ったのだ。

 その後、俺とガイアスは一本ずつ勇者の剣をしっかりと研ぎ、磨き上げた。

 帰り際にガイアスと固い握手をかわしてから、俺とアリスは勇者エメリーの下に向かうのだった。勇者の剣を一本ずつ持ちながら。

合算バグ……とてもいいネーミングセンスですよね?


次回:「その868 剣の名」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓連載中です↓

『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』
【天才×秀才】全ての天才を呑み込む、秀才の歩み。

『善良なる隣人 ~魔王よ、勇者よ、これが獣だ~』
獣の本当の強さを、我々はまだ知らない。

『使い魔は使い魔使い(完結済)』
召喚士の主人公が召喚した使い魔は召喚士だった!? 熱い現代ファンタジーならこれ!

↓第1~2巻が発売中です↓
『がけっぷち冒険者の魔王体験』
冴えない冒険者と、マントの姿となってしまった魔王の、地獄のブートキャンプ。
がけっぷち冒険者が半ば強制的に強くなっていくさまを是非見てください。

↓原作小説第1~14巻(完結)・コミック1~9巻が発売中です↓
『悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ』
神薬【悠久の雫】を飲んで不老となったアズリーとポチのドタバタコメディ!

↓原作小説第1~3巻が発売中です↓
『転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)』
壱弐参の処女作! 書籍化不可能と言われた問題作が、書籍化しちゃったコメディ冒険譚!
― 新着の感想 ―
[一言] 二本だから更に倍(*´∀`)♪ ってのが入るのかと思いました(*´∀`)♪ 流石に二乗はないでしょう?(*´∀`)♪
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ