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半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~  作者: 壱弐参
第三部

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その632 武闘大会4

2021/9/4 本日二話目の投稿です。ご注意ください。

 光の両手剣――【オーラブルブレイド】。

【勇者の剣(仮)】が使えない状況であれば、エメリーの最強の攻撃手段はおそらくコレ。

 過去にも何回かやったが、まさか光の剣を持って剣撃を繰り出す日が自分の身に訪れようとは思わなかった。


「はぁ!」


 このタイミングで下段とは本当に俺の事をわかっていらっしゃる。

 もしまた大上段で来ようならば、俺は反撃に転じていた。

 しかし、エメリーはここで下段を選んだ。下段であれば、別の手で来る可能性を考慮し、俺はまだ反撃に移らない。


「嘘っ!?」

「でもでも、新手を出してこないのであれば私も動いちゃうんですよね~」


 オーラブルブレイドの柄を足で止め、俺のオーラブルブレイドをエメリーの首元でピタリと止める。


「是非、『まだまだ』と言って欲しいですね」

「ま、まだまだですっ!」


 そう、この【開会の儀】はエキシビション。

 勝負が決まったとて、それが試合終了になる訳ではない。

 エメリーは後方へ跳び、着地と同時に再び駆けた。

 上手く虚を衝いた動き。昨年の俺であれば驚き慌てた事だろう。

 ダッシュ刺突からの右払い、左足で蹴り上げ、回転しながら右回し蹴り。これをかわし、距離をとると、再度突っかける。俺は手からオーラブルブレイドを消し、これに合わせエメリーに急接近。


「うわぁ!?」


 急ブレーキを掛けて止まったエメリーちゃんに――、


「はい、拳タッチで」


 エメリーの両の拳に、俺の拳をコツンと合わせる。


「え?」


 直後、エメリーのオーラブルブレイドがその手から消える。


「ほら、いただき」


 エメリーのオーラブルブレイドが消え、俺の手にオーラブルブレイドが移っている事実。

 これを見たエメリーが驚愕する。


「な、何でっ!?」

「私の魔力をエメリーさんの魔力に似せたんですよ。発動してる魔法が発動者を見失い、コントロールを失った隙に、こちらへ移しました」

「くっ!」


 再びオーラブルブレイドを発動したエメリーは、更なる魔法を発動した。


「フォトンショット!」


 光魔法【ライトシュート】の上位魔法【フォトンバレット】。これを散弾状にした魔法が【フォトンショット】である。エメリーはこれを自分の左右に展開させ、駆けながら発動した。

 なるほど、移動砲台か。

 無数の光の弾が、尽きる事なく俺を狙う。

 エメリーは俺に近付きながら、その命中精度を上げ、あわよくば俺に剣撃を放つ。

 ……この戦闘法は、パーティ戦闘に向かないはず。俺用に開発した?

 いや、違うな。既にエメリーは準備を始めているのだ。

 一対一で魔王と戦う……その時のために。


「いいですね、エメリーさん」


 弾き、かわしながら、


「それは! どうもっ!」


 打ち、蹴り、斬り、放ちながら、


「では、今日の宿題を」


 距離をとった俺が言うと、エメリーは呼吸を整えながら警戒を見せる。


「はぁはぁはぁ……なっ!?」

「【フォトンビットレーザー】」


 半円状に展開した無数の光の玉。

 その光の玉から光線が射出され、エメリーを狙う。


「くっ!?」


 捌き、いなす事でしか防ぐ事の出来ないエメリー。


「来週までに覚えてきてください」

「くっ! このぉ!」


 しかし、流石は勇者である。防ぎながらも徐々に俺との距離を詰めている。

 もう少し手数が欲しいところか。


「【カオスビットレーザー】」

「んな!?」

「闇魔法バージョンです」

「うわわわわわわっ!?」


 足が止まった。そりゃそうだ、単純に弾数が二倍である。

 出来れば早いところこれに慣れて欲しいところ。


「ふっ、へ、へへへ……!」

「っ!」


 ……順応が早い。

 才能の塊ではあるが、その才能をもっと伸ばしてもらわないと困るのだ。世界のために。


「余裕が出てきましたね」

「後……少し……!」

「【ブレイズビットレーザー】」

「嘘ぉ!?」

「火魔法バージョンです」

「ぜ、全魔法やるつもりですかっ!?」

「やりたいところですが……ふむ」


 この量だと流石に難しいか。今のエメリーには三色が限界のようだ。

 アリスの【聖加護】おしおきがあるので、


「くぅっ!」


 エメリーに被弾する直前、俺は全てのビットを一カ所に集めた。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 既にエメリーは満身創痍。

 肩で息をし、その息も掠れている程だ。

 だが――、


「……良い目ですね」


 エメリーからの返答はない。

 しかし、その目が訴えている。『まだまだ』だと。

 彼女の心が次を求めているのだ。たとえ周りから非難されようとも、俺がこの手を緩める訳にはいかない。

 だが、おそらくこれが最後の攻撃になるだろうという予感はあった。

 一カ所に集中した巨大なビット。

 光、闇、炎の順に色を変化させ、その巨大な魔力を保持したままエメリーに向かう。


「っ! はぁあああああっ!」


 エメリーは左右に展開させていた【フォトンショット】を消し、全ての魔力を手に集中させた。


「やぁあああああああっっ!!」


 正に全身全霊。

 大上段から振り下ろしたオーラブルブレイドは、鈍い音を発しながら集合ビットを受け止めた。

 だが、その威が止まる事はない。エメリーの足場が爆ぜ、その身体が沈む。

 しかしそれでもエメリーは体勢を崩す事はなかった。

 魔力を殺し、威を殺し、やがてオーラブルブレイドは集合ビットに亀裂を生んだ。

 その直後、俺の視界には眩い光が走ったのだった。

次回:「その633 武闘大会5」

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