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半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~  作者: 壱弐参
第一部

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58/917

その57 エメラの魔眼

「キシャアアアアアアアアッ!!」


 凄く……大きいです。

【鑑定】で視る限り、このモンスターは《グリーンワーム亜種》。ランクCの普通のグリーンワームは人間大の芋虫みたいなモンスターだが、こいつはちょっとデカすぎる。

 サイズだけで言えば、リィたんがリバイアタンになった時クラス。およそ二十メートルはあるだろう。

 しかし、こいつがランクB?


「キィイイイッ!」

「うおっと!?」


 咄嗟の攻撃に反応出来なかった。

 跳び退いてかわしたものの、尾撃の先端に頬をかすめた俺は、【身体能力強化】、【身体能力超強化】、【魔力(まりき)還元】、【隠形】、【危険察知】、【解放】を発動した。

 すると、グリーンワーム亜種は、あっという間に輪切りになってくれたのである。


「うーん、やっぱり【いつものセット】だと強すぎるか。だったら基本的には【解放】だけで戦う……か」


 あくまでランクAの冒険者。

 現段階ではそれ以上の強さを見せない方がいいし、心掛けるためにも、ソロの時でも意識していくか。

 さて、あんまり舐めたくもないが、グリーンワーム亜種の体液を、一滴だけぺろりんちょ。

 久しぶりにステータスも確認しておくか。


 ミケラルド:吸血鬼

 ◆魔法◆

 火魔法:フレイム・フレイムボール・フレイムランス・ヒートアップ・ブレス・フレイムウォール

 水魔法:ウォーター・水球・金剛斬・津波・大津波

 土魔法:砲岩・地走る蛇・土塊(つちくれ)操作

 雷魔法:サンダー・疾風迅雷・雷の領域(スパークホール)・リチャージ

 風魔法:エアスライス・浮遊滑空・ヘルメスの靴・突風・エアウォール・呼び戻しの風・探知

 闇魔法:ダークヒール・暗衣(あんい)・催眠スモッグ

 光魔法:天使の囁き(エンジェリックヒール)・アシスト・ヒール・パワーアップ・スピードアップ・トーチ

 ◆技◆

 竜剣・付与(エンチャント)修理(リペア)・壁走り

 ◆特殊能力◆

 血鎖の転換(ブラッドコントロール)・解放・呪縛・超能力・身体能力強化・バイトクラッシュ・硬化・身体能力超強化・破魔の一矢・強撃・三連撃・罠感知・鑑定・水龍眼・狙撃(スナイプ)魔力(まりき)還元・吸魔・隠形・看破・超感覚・弱点察知

 ◆固有能力◆

 超聴覚・嗅魔・超回復・威光・闘志・龍の血・嗅覚・威嚇・健脚・石頭・恐怖耐性・危険察知・毒耐性・刺突耐性・炎耐性・麻痺耐性・地形無視移動・木々同化・交渉・擬態・突進力・遠吠え威嚇・斬撃耐性・威嚇耐性・粘糸・鋼糸


 ん? 【雷魔法】の【リチャージ】ってのはどこで覚えたんだ?

【技】の【壁走り】にしたって、【特殊能力】の【超感覚】や【弱点察知】も…………?

 あぁ、もしかしてこの前実力を測られた時のギルドマスター、《ディック》から頂いた(アレ)か!

 確かに、ディックは元ランクSの人間。これだけの能力を持っていても不思議じゃない。

 となると、この【固有能力】の【粘糸】と【鋼糸】は今のグリーンワームから? いや、しかしモンスターの【固有能力】は一つというのが常識。例外もあるとは聞いたが、もしかしてコイツがそうだったのか?

 まぁ、とりあえず、能力の確認だけしておくか。


「――おぉ! 手から出せるのか!」


 益々人外染みてきたが、粘着性のある糸と、強靭な糸を指から、出す事が出来た。相手の捕縛や捕獲には有効かもしれないな。


「――なるほど、【リチャージ】は敵からの雷魔法を吸収して魔力に還元するんだな」


【超感覚】は【超聴覚】や【嗅覚】と併用して、更に鋭敏な感覚になっている。出来れば【超嗅覚】なんて能力があれば会得したいものだ。

 壁走りは……まぁ、街道に壁なんてある訳もなく、クロード宅に戻ったら試してみるか。


「うーん、こいつは微妙だな」


 道中で会ったモンスターに対して【弱点察知】を使ってみたが、範囲が大き過ぎて、知覚するには無理がある。

 現段階では巨大モンスター専用の能力だろうな。おそらく、上位能力はあるはずだから、それを得られれば一番いいだろう。


 ◇◆◇ ◆◇◆


「ただいま」

「おかえりなさい、ミケラルドさん!」


 シェンドの町の冒険者ギルドでは、受付嬢のネムが嬉しそうに待っていた。


「これお願い。一応頭部だけ持ってきたけど、こいつランクBじゃなかったと思うよ?」

「そうでしたか。マッキリーまでの道中で出なかったという事ですね」

「そ、だからこっちで報告ね」

「もう少し詳細な情報があればランクAの依頼になったと思うのですが、ごめんなさい」

「あぁ、いいんだよ。こういう事もあるんだな、ってわかっただけでも前進さ。被害は余りなかったんだし、それで良しとするしかないって」

「そう言って頂けると、私たちも助かりますっ」


 微笑むネム、マジ可愛い。

 ナタリーとは違う守ってあげたい系女子と言えよう。


「他の指名依頼はどうします?」

「あるだけやっちゃうよ。今日は一人だし」

「ふぇ!? 指名依頼だけでも残り十一件ありますけど……っ?」

「さっきみたいな護衛じゃなければ、まぁ」


 あんぐりと口をあけたネム。彼女が動かない以上、俺も何をする事も出来なかったので、しばらく俺も棒立ちしていた。

 結局、護衛依頼が一件あったので、それ以外のモンスター討伐計十件を引き受け、今日はクロード宅に戻る事にした。

 クロード宅に戻ると、クロードとエメラ、そしてナタリーが俺を迎えてくれた。

 テーブルを囲みながら、俺の今日の稼ぎを覗き込む。


「これはまた……とんでもないですね」

「まぁ、金貨二百三十七枚もっ♪」


 クロードの感動はわかるのだが、エメラは財布代わりの革袋を見ただけで、その中身を言い当てたぞ? 何なのこの人。


「これならたっくさんお洋服もご飯も買えるね!」

「ナタリー、これはミケラルドさんのお金だよ?」

「いや、これはここの分です」

「え?」


 クロードの目が点になる。

 エメラは先程から革袋だけを微笑みながら見ている。お金に憑りつかれた人妻も、中々いいものだ。とか思いながら、俺はもう一つの革袋を取り出した。

 ……前言撤回。お金を前にしたエメラ怖すぎる。


「お、俺はこっちがありますから」

「白金貨二十九枚……ですね」


 ……まだ、革袋開けてないんですけど、エメラさん?

エメラさんマジすげーっす

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