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半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~  作者: 壱弐参
第二部

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490/917

その488 潜入! ミナジリ共和国!

2021/1/27 本日一話目の投稿です。ご注意ください。

 そろそろシギュンへの遠回しな伝言ラブコールは、上手くいった頃合いだろうか。

 シギュンの狙いはわかっている。俺を出来るだけ法王国に滞在させたいのだ。

 何故か。それは当然、ミナジリ共和国に強者がいなくなる時間帯を用意するため。増やすためと言ってもいいかもしれない。

 ミナジリ共和国には常駐している強者が複数いる。

 Z区分(ゼットくぶん)のジェイルとフェンリル(ワンリル)

 SSS(トリプル)に近い実力を有したラジーン。辛うじてSS(ダブル)と言えるだけの実力を持ったドゥムガ。

 イチロウやジロウは別件を任せているので何とも言えないが、首都ミナジリで言うならば先に挙げた四人である。

 ここにミケラルドがいれば、それはミナジリ絶対防御とも言うべき防衛力を発揮する。リィたんなんていた日には、闇ギルドだって裸足で逃げだすだろう。

 しかし、風の噂で聞いたのだが、そこに潜入任務を任された【(とき)の番人】の新人がいるらしい。


「……俺なんだよなぁ」


 ドマーク商会の荷運び部隊の最後尾。

 そこで大きな荷馬車に積み込み作業をする男――風の噂では俺がその新人闇人(やみうど)らしい。


「それはあの荷馬車へ。それはここでいい」

「わかりました」


 すいすいと荷馬車へ荷を運び、担当者の目を丸くさせるだけが今日のお仕事ではない。俺はこの後この荷馬車に乗り、ミナジリ共和国を目指さなくてはならないのだ。

 ここはドマーク商会があるリーガル国の首都リーガルである。

 そこからミナジリ共和国へ向かうには……この荷馬車だと三日はかかるだろう。

 三日――一国の元首が三日間荷馬車に拘束されるという事態がわかるだろうか。荷運びの人材を軽んじる訳ではないが、既に任されている仕事がある以上、これは中々の損失なのだ。

 だが、味方の多い聖騎士学校と違いこの荷馬車では味方が皆無である。

 従って、俺の分裂体をここに残す訳にはいかないという結論を出さざるを得なかった。


「オードの関所ではいくつか荷の開封指示があるかもしれない。それまでは待機していてくれ」

「はい、わかりました」


 さて、本来であれば荷運びする人材が国を跨ぐなんて面倒、普通はしないだろう。何故ならドマーク商会には既にオード支店もミナジリ支店もあるのだから。つまり、現地の従業員に任せればいいのだ。

 しかし、今回は違う。わざわざ幾人かの人材も運んでいる。これはつまりドマークに何かしらの狙いがあるという事。

 もしかしたらミナジリ共和国を経由した後、シェルフにまで足を伸ばすのかもしれない。もしかしたらミナジリ支店の二号店の出店計画でもあるのかもしれない。

 何とも闇ギルドに都合の良い展開ではあるが、仕方のない事だ。

 リーガル国の首都リーガルから、ミナジリ共和国のオードの関所まで、距離はあるものの一日はかからない距離だ。

 二回の休憩を挟み、早朝から十二時間も行けばオードの関所が見えて来る。

 夕方六時。関所が開いているギリギリの時間である。

 荷に対する税を支払い、積荷のチェック。少々甘い部分もあるが、それはドマーク商会が築いた信頼とも言えるし、俺が口を挟める問題ではない。

 正直、ミナジリ共和国は、ミケラルド・オード・ミナジリの侵入を想定していないからな。こんな事、誰が想像出来ただろう。

 今頃、国家の元首こそが悩みの種とでも思ってそうなロレッソに【テレパシー】で報告を入れておくか。


『ロレッソ、たった今オードの関所を抜けたところだ』

『……我が国の関所を叱責するべきか、ミケラルド様に呆れるべきか悩むところです。一応、釘は刺しておきますが、一般兵にこれ以上を求めるのは難しいでしょうね』

『苦労かけるな』

『ご自覚があるようで何よりです』


 最近はロレッソ君の小言のグレードもアップしているので、ここらで何とか挽回したいところではある。

 夜十時頃だろうか。オードの町に荷馬車が到着した。荷は下ろさず、荷馬車のままドマーク商会がオードに所有する大倉庫に入る。馬房付きとは何とも恐ろしい資本力である。

 俺たち荷運び員は奥にある食堂で食事を済ませた後、簡素なベッドルームに移動し、就寝。

 この様子だと明日は野宿し、明後日の晩に到着と言ったところか。


 ◇◆◇ ◆◇◆


 翌日、野営地での野宿前、俺は荷運び同僚と共に飯を食っていた。


「へぇ、スカイ(、、、)さんは独身かー」


 スカイ――というのはこの荷運びする際に提出した名前の事だ。

 デューク・スイカ・ウォーカーのミドルネームをもじった(、、、、)だけである。


「えぇ、まぁ」

「こっちはカアちゃんの尻に敷かれ続けて二十年よ。家に帰っても『おかえりなさい』の前に『今日のアガリは?』だぜ? まったく参っちまうよ」

「はははは」


 と、このような会話があると分裂体では対処が出来ない。

 だからこそ、ルーク君の分裂体には授業後にはトイレに籠ってもらっている。

 授業中であれば、ルナ王女やレティシア嬢の護衛はリィたんに任せられるし、部屋に戻ればヒミコや俺の失われし位階(ロストナンバー)もいる。

 法王国に戻れるのは、ミナジリ共和国に着いてからだろうな。

 さて、今頃シギュンはどんな顔をしているだろう。

次回:「◆その489 聖騎士クインとシギュン」


本日二話投稿予定です。

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― 新着の感想 ―
[一言] この状態でシギュンがしかけてくると大変ですね。 そこが見所?(*´∀`)♪
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