表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~  作者: 壱弐参
第二部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

432/930

その431 二週間目

2020/11/27 本日一話目の投稿です。ご注意ください。

『ディザスターエリアに入りたいだと?』


 リィたんとの話を終えた後、俺は法王クルスに【テレパシー】を使って連絡をとっていた。


『出来れば』

『ふむ……何が目的かね?』

『炎龍【ロードディザスター】』

『っ! 水龍の次は炎龍か? 全く困った元首もいたものだな』

『もっと褒めてください』

『……まぁ凄いのは認めるがな』

『もう褒めなくていいです』

『照れるなミック』

『それで、難しいでしょうか?』

『法王国の領土――絶対災害地域。行ったところで誰も帰って来られない。だからこそ侵入禁止という言葉が活きるのだ。国民がその脅威を知っているからな。だが、ミック。お前が行くとなると話は別だ』

『というと?』

『ミックが行くとな、法王国へ帰って来られるのだよ』

『生還しちゃいけないんですかね?』

『生還したとしたら、ディザスターエリアに棲まうモンスターたちがここを狙う。それはお前にもわかっているだろう』

『えぇ、ですからこちらも対策を講じようと思いまして』

『ふむ、ではその対策とやらを聞こう』

『ディザスターエリアをなくしてしまえばいいのかなと』

『……それのどこが対策なのだ?』

『リィたんという私の右腕からの提案でして』

『ずるい言い方だな』

『凡夫の王は卒業出来たでしょうか?』

『まったく、初対面の時の言葉を根に持っていたのか?』

『いえいえ。ですが、これならば法王国にも迷惑がかからないかと』

『…………出来るのか?』

『炎龍以上の存在がいなければ』

『おい、怖い事を言うな』


 まぁ、Z区分(ゼットくぶん)以上の存在がいたらそりゃ困るよな。

 しばらくの後、法王クルスは答えを出す。


『……わかった。(ただ)し、(おおやけ)に認可する事は出来ない。私の裁量で許可出来るのはディザスターエリアの侵入のみ。可能な限り秘密裏に動くように。ディザスターエリアのモンスターの掃討が終わった段階で報告してくれ』


 そこが落とし所だよな。

 他国の軍事力に頼るような事を、法王クルスだけで決められる訳でもない。

 ならば、侵入だけ許可をする。多分俺が法王でもそうするだろう。

 侵入した後は、法王クルスから俺の責任となる。俺が失敗すれば、法王クルスの責任にも繋がるから、ここはある意味法王クルスなりの俺への最大の信頼なのだろう。


『結構です。ありがとうございます』

『うむ、死ぬなよ』

『明日の授業が終わればお休みなので、それから行こうかと』

『多忙な元首もいたものだ』

『おかげで満喫してますよ』

『うむ、ではな』


 ◇◆◇ ◆◇◆


 翌日、俺の授業前。

 教室に向かう途中、俺はショートボブの気になるあの子を見つけた。


「おや【ファーラ】さん、奇遇ですね?」

「……あ」


 口数少ない魔族の女。

 人化が可能な種なのか、それとも人に近い種族なのかはわからないが、彼女の魔力は間違いなく魔族のもの。

 シギュンからの依頼により、俺は彼女の監視をする事になった。


「後程……」


 ファーラはぺこりと頭を下げ、教室へと小走りに向かって行く。

 彼女の監視もあるが、当然ルナ王女とレティシア嬢の護衛もある。可能な限りやるつもりだが、そろそろ俺が五人くらい欲しくなってきた頃合だ。

 だが、頑張るしかない。

 何故なら、見事達した暁には、シギュンの「ご褒美」があるのだ。非常に楽しみである。

 ふむ、予め「痛くしないで」と言っておくべきだろうか?

 まぁ、個人的にファーラが気になるというのもある。

 彼女の正体は? 彼女の目的は? そして彼女の正体は?

 とはいえ、無理矢理吸血するというのは俺の信条に反する。

 相手が行動を起こした場合、その限りではないけどな。

 ロレッソあたりが聞いたら「甘い」とか言われそうだが、これは仕方のない事だろう。

 闇ギルドの動きも最近は小康状態だ。

 俺が動きを封じているというのもあるが、資金繰りに困っているのかもしれない。

 本日の俺の授業は、先週に引き続き戦略(ストラテジー)ゲームを行いつつ、各自の個性を伸ばす事に重きを置いた。

 俺が言った通り、ライゼン学校長も近くに来て授業を見ていた。

 まったく、鋭い目付きだ。あれこそ監視というのではないか?

 だが、毎回戦略(ストラテジー)ゲームだけでは芸がない。


「さて、今日は聖騎士の実力を肌で感じてもらおうと思います」


 俺がそう言うと、皆がざわつく。

 広場の周囲を見渡す者もいる。当然、俺がこう言えば、実際に聖騎士が来ているとすら思うだろう。


「ははは、相手はこの私ですよ。キッチリランクSに実力を合わせますので、これから皆さんと模擬戦といきましょう」


 くすりと笑って俺を見るのはアリスだった。

 まぁ、あの子の前では何回もやってるからな。


「それではオリハルコンズの皆さん、お手伝いをお願いします」

「「はいっ」」


 立ち上がるラッツ、ハン、キッカ、アリス。


「こちらは、聖騎士の剣を模して造った剣です」


 闇空間から出したソレは、ライゼン学校長すら目を見張る――本物と見紛う程のレプリカだった。


「聖騎士の剣とは非常に良く出来ています。本来魔法使いは杖を触媒として魔法を放ち易くしますが、これは魔法使いが使う杖にもなり得ます。木剣では再現出来ない部分をしっかりと再現しましたので、皆さんは是非全力で私に向かってきてください……こんなところでしょうかね」


 魔力を纏った俺を前に、オリハルコンズのメンバーたちの目が変わる。


「こりゃ本気確定だな」


 ハンが、


「全力でいきます」


 ラッツが、


「オリハルコンズの先輩が相手なんだから、手を抜いたら失礼でしょ」


 キッカが、


「合法的に殴れますね」


 そしてアリスが。

 生徒たちに見守られる中、俺たちの模擬戦が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓連載中です↓

『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』
【天才×秀才】全ての天才を呑み込む、秀才の歩み。

『善良なる隣人 ~魔王よ、勇者よ、これが獣だ~』
獣の本当の強さを、我々はまだ知らない。

『使い魔は使い魔使い(完結済)』
召喚士の主人公が召喚した使い魔は召喚士だった!? 熱い現代ファンタジーならこれ!

↓第1~2巻が発売中です↓
『がけっぷち冒険者の魔王体験』
冴えない冒険者と、マントの姿となってしまった魔王の、地獄のブートキャンプ。
がけっぷち冒険者が半ば強制的に強くなっていくさまを是非見てください。

↓原作小説第1~14巻(完結)・コミック1~9巻が発売中です↓
『悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ』
神薬【悠久の雫】を飲んで不老となったアズリーとポチのドタバタコメディ!

↓原作小説第1~3巻が発売中です↓
『転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)』
壱弐参の処女作! 書籍化不可能と言われた問題作が、書籍化しちゃったコメディ冒険譚!
― 新着の感想 ―
[一言] 先の展開は分かりませんが、鑑定、看破、解析、心眼、神眼などの力を持つ主人公限定ですけど、何を思うのか大事なところで使わなくなるんですよね。 使うことで魔力の流れ的に相手にばれるとかそーゆう設…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ