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半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~  作者: 壱弐参
第二部

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その425 二つの名前

2020/11/23 本日一話目の投稿です。ご注意ください。

「――という訳だ。火竜山からこれ以上の情報はおそらく出てこないだろう」

「わかった。わざわざありがとう、リィたん」


 リィたんは、調査を終えるとすぐに俺の部屋へ報告に来てくれた。

 まさか、アーダインも調査に行っていたとは驚きだ。


「ところでミック」

「ん?」

「その禍々しい魔力の膜は何だ?」

「あれ、わかっちゃう?」

「目を凝らせば凝らす程、恐ろしい渦に呑み込まれるような闇だ」


 リィたんがそこまで言うって事は、この闇魔法【フルデバフ】、結構良いものなのかもしれないな。


「さっきルナ王女に掛けたんだけど、大変そうだったね」

「掛けたのかっ!? それを人に!?」


 物凄い驚きっぷりだ。


「出力はかなり落としたよ。それでも動くのが大変そうだったけど」


 ホッと息を吐いたリィたんは、呆れた目で俺に言った。


「ならばいいが、今のソレを人に掛けようものなら、大抵の人間は一瞬で意識を失う」


 何それ凶器じゃん。


「場合によっては死に至るだろう」


 訂正。兵器じゃん。

 元リプトゥア国の王、ゲラルドは勇者エメリーを兵器呼ばわりしたらしいが、もしかして俺はそう呼ばれても仕方ないレベルにまできてしまったのかもしれない。


「無暗やたらと使わない事をすすめる」


 まさか水龍(リィたん)に行動を戒められるとは思わなかった。

 まぁ、出力を落としてルナ王女に使って正解だったな。危うくリーガル国と戦争になるところだった。

 リィたんは俺の身体をジロジロと舐めるように見回した。


「なるほど、自身に多大な負荷を掛けて身体強化を図っているのか。これならば聖騎士学校の肉体トレーニングも()きるな」

「でしょ」


 するとリィたんは、先程のルナ王女のように胸を張って言った。


「どれ、私にも使うといい」

「つい今しがた『無暗やたらと使わない事をすすめる』とか言われた気がするんだけど?」

「何、ものは試しだ。それに、ミックに殺されるのならば本望だ」

「嬉しいけどそうじゃないんだよなぁ……」

「ふふふ、いいから早くしろ」


 まったく、リィたんは俺にどんな評価を持っているのか。

 さて、リィたん越えこそしたものの、まだ俺とリィたんの実力はそこまで離れている訳ではない。四分の三くらいで様子を見るか。


「はい、どう?」

「む……これは、凄まじいな」


 自身に起きた変化を楽しむように、リィたんは身体を動かしている。

 まぁ、鼻歌交じりにストレッチ出来るくらいには丁度いいようだが。


「ところでリィたん」

「ん? 何だ?」

「明日シギュンの授業があるでしょう?」

「ふむ、確かそうだったな」

「もしかしてリィたんが()になるかもしれないよ」

「私が? 何故?」

「多分、半年前のアイビス皇后の護衛、リィたんだってバレてるから」

「なるほど、ならばその可能性はあるな」


 最後に伸び(、、)を見せ、リィたんは【フルデバフ】の負荷を自分のものにして見せた。やっぱり龍族は凄いな。

 もしかしてもう雷龍シュガリオンに勝てるのでは?

 …………いや、それは考えにくいか。ある意味、奴の実力は別次元のものだった。他の龍族を圧倒出来るくらいには、俺も成長しないといけないって事か。

 ならば――――、


「リィたんさ」

「何だ?」

「炎龍と木龍がいそうな場所って知ってる?」

「っ!?」


 目を見開き吃驚して見せたリィたんは、珍しく言葉がラフになった。


「……マジか?」

「わりとマジ」


 こめかみに人差し指をトンと置き、困った様子のリィたん。


「つまりこういう事か?」


 どういう事だってばよ。


「私、木龍、炎龍を従え、(きた)る雷龍戦は、ミックとジェイルを加えフルボッココースをお見舞いすると?」


 それは蹂躙と言うのでは?


「まぁ、正直なところ雷龍シュガリオンは一対一で倒したいけど、それが出来ない可能性もあるからね。戦力は出来るだけ揃えておきたい」

「ふむ……」


 真剣に考えている様子のリィたん。


「炎龍ならば私も協力出来るが、木龍とは相性が悪い。だが、炎龍を味方につければ、炎龍と協力し木龍を消し炭に出来るな」

「順序からしてそうなんだけど、消し炭にするつもりはないよ?」

「そして木龍を味方に出来れば――」

「――地龍テルースさんを抑える事も容易」

「うむ、いいな。素晴らしい」

「てっきり反対されるかと思ったんだけど?」

「今のミックの実力がなければ殴ってでも止めている。それに、この段階ならば更なる脅威がどこにいるのか把握しておくには良い機会だろう」


 リィたんは俺のベッドにストンと腰を下ろし足を組んだ。

 なるほど、素敵なおみ足(、、、)だ。


「だが、私からミックに渡せる情報は少ないものだ」

「と言うと?」

「炎龍【ロードディザスター】と木龍【グランドホルツ】。私が知ってるのは、炎龍が南東、木龍が南西にいる事くらいだ。詳細な場所はわからない。だが、心当たりがない訳ではない」


 初めて出た二つの名前。炎龍【ロードディザスター】ならば……南東か。


「……心当たりっていうのは?」

(もち)は餅屋だ」

「へ?」


 そんな素っ頓狂な声を出した翌日、偽りの笑顔で塗り固められたシギュンによる特別授業が始まった。

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