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半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~  作者: 壱弐参
第二部

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423/930

その422 闇人シギュン

2020/11/21 本日四話目の投稿です。ご注意ください。

「【シギュン】の役目はクルス殿とアイビス殿の監視。当然、部下にも【失われし位階(ロストナンバー)】がいるでしょう。先の【真・世界協定】ではアイビス殿の監視をシギュンが、クルス殿の監視を【失われし位階(ロストナンバー)】が行っていたのでしょう」

「聖騎士たちの住民に対する嫌がらせも奴らが主犯だろうな」


 法王クルスの言葉を受け、アリスが俺に聞く。


「嫌がらせ……ですか?」

「一部の聖騎士が、リーガル国で魔力を放出しながら練り歩いて、聖騎士の評判を落としてたんですよ。おそらく、冒険者に聖騎士団に近づいて欲しくないという理由で」

「そんな事が……」

「冒険者が聖騎士団に入りでもしたら、シギュンだけで操るのは難しい。そして、闇ギルドの活動もしにくいでしょうからね」

「な、何とかならないんですか、ミケラルドさんっ? 法王陛下とアイビス様だけじゃありません。クリス王女は勿論、他の王子たちも危険って事なんですから……!」


 確かに、アリスの言う事は(もっと)もだ。

 しかし、現状【シギュン】に手を出すのは非常に難しい。

 その理由としては、シギュンの隠された実力によるものが大きいだろう。

 半年前の時点でリィたんがシギュンと手合わせをした時、リィたんでさえシギュンの底を見る事は出来なかった。

 当然、リィたんも本気で戦っていないが、もし、シギュンがリィたんより強かった場合、そして俺より強かった場合の事を考えると、手を出せないのだ。

 もし俺がシギュンに接近し、その血を摂取しようと試み、失敗に終われば――それはミナジリ共和国の立場を危うくする。

 それはないと考えたいのが人の心であるが、それがないと言い切れる訳でもない。しばらくは様子を見る他ないだろう。

 正直、闇ギルドの構成員たちは、六割程は俺の手中にある。

 しかしそれは、(とき)の番人を除いたものである。いくらハンドレッドがいようとも、中枢に巣食う要人を掌握出来なければ意味がないのだ。

 全く……闇ギルドの消滅なんて仕事。冒険者ギルドで請け負ったらZ区分(ゼットくぶん)は確実だろうな。


「アリスさんには申し訳ないですが……保留で」

「だろうな」


 俺の言葉に法王クルスも同意する。


「ど、どうして……」

「少なくとも、クルス殿の実力はSSS(トリプル)に匹敵します。しかし、そのクルス殿をいつでも狙える位置にいるという事は、シギュンにはそれ以上の実力があると見て間違いないからですよ。まぁ、神聖騎士ですからそれは当然なんですが、実力が読めないという事は、それだけ行動を制限されるって事なんです」

「そう……ですか……」


 落ち込むアリスに、法王クルスが軽く言った。


「心配するなアリス。いつも通りにしていれば、向こうも表立って動く事もあるまい」

「……はい」


 更に法王クルスは思い出したように言った。


「そうだ、アリスからは何かないか? 聖騎士学校で気になった事は?」

「私から……ですか?」


 確かに、聖女アリスの意見も聞いておくべきだろう。


「ん~、そうですねぇ……あ、そういえば今日、法王陛下が皆さんの魔力鑑定をされてる時――」


 はて? あの時何かあったのだろうか?


「あのハーフエルフの女の子(、、、、、、、、、、)……」

「え、もしかしてナタリーの事ですか?」

「そうです、ナタリーさん」


 アリスとナタリーはまだ余り接点もない。

 交流を深めるイベントもないし、認知度としてはこんなものか。


「ナタリーが何か?」

「いえ、何がっていう訳じゃないんですけど、何か気になるような……そんな感じがして」

「曖昧ですね?」

「何となくですけど、ちょっと気になる存在っていうか……」

「曖昧だな?」


 法王クルスも困ったお顔をしていらっしゃる。


「う~ん……と、()(かく)、気になる女の子でしたっ」


 形用もない感情論に近い言葉で締めくくったアリス。

 ナタリーの気になる部分と言えば……やはりアレだろうか。

 過去ドゥムガを倒した後に二人で発動した【伝説級魔法レジェンダリーマジック】――【天使の囁き(エンジェリックヒール)】だろうか。

 リィたんの話によると、【伝説級魔法レジェンダリーマジック】は古代魔法と違い、正に伝説上の魔法であり、実在するのかもわからない魔法だそうだ。

 あの時俺は、【呪縛】を使ってナタリーと共に【天使の囁き(エンジェリックヒール)】を発動した。一体何故こんな事が出来たのか、未だにわかっていない。法王クルスがナタリーに言ったように、ナタリーは光魔法との相性が抜群である。

 アリスも聖女だ。主に光魔法を扱う聖女として、ナタリーになにかしらのシンパシーを感じたのかもしれない。

 そうやってアリスの言葉に決着をつけた俺は、アリスと共に聖騎士学校へと戻った。

 アリスは口数は少なかったものの、悲観している訳ではない様子だった。

 しかし、今回アリスを連れて来て正解だったのか疑問だ。

 アリスがこれから多く見るであろう(まつりごと)の世界を、三段飛ばしくらいで見せたし、世界の腐った部分も見せてしまった。

 勇者エメリーと共に行動し、いつか魔王を倒す。そしてその後は……どうしてもあの子にはそういった世界が待っている。アリスがアイビス皇后みたくなるのは想像出来ないが、そうなっていくんだろうな。場合によってはジャングルでバナナを食べている可能性も……ないか。


「ところでルークさん」

「はい?」

「今日私の事、ゴリラって言いかけましたよね?」

「……は――」

「――『はて?』とか言って誤魔化さないでくださいね?」


 日に日に逞しくなっていくな、この子。

何とか間に合いました。

集中力使い切ったので泥のように眠ります。おやすみなさい。

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