表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~  作者: 壱弐参
第一部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

292/930

その291 選定人ミケラルド

2020/07/08 本日一話目の投稿です。ご注意ください。

「おい、顔に出てるぞ」

「え、そんなにニヤついてます?」

「わかってるならその締まりのない顔をどうにかしたらどうだ?」

「こんな感じでしょうか?」


 俺は指で顔を押さえ、引き締まった表情を作って見せる。


「……剣神はこうも言った。『その目で直接見てボンを知るといい』とな」

「あぁ、だからここにいたんですね。本来であれば中央区にあるギルド本部でお役所仕事でしょう?」

「ま、その通りだな」

「で、その目で見て私はどうだったんでしょう?」

「……ちゃんと選別を依頼しただろう。それが答えだ」


 確かに、俺の善悪はどうあれ、ちゃんと彼も俺を選別したという事か。


「具体的にはどういったアプローチを?」

「近々冒険者ギルドよりSS(ダブル)付き添いのランクSダンジョン探索依頼を出す。パーティメンバーは四~五人。それとミケラルドだ」

「つまり、強制的に私とパーティを組ませ、選別すればいいと? 断る方もいるのでは?」

「無論、今後断る人間も出てくるだろう。だが、それはあくまでも現段階での話だ。間もなく聖騎士学校への冒険者招致の噂が出回る予定だ。安心しろ」


 流石お役所。

 噂って予定立てて流せるものなんだなぁ。

 まぁ、エルフの印象操作した俺が言えた事でもないけどな。


「詳しい日程は追って通達する。根気のいる仕事だが、達成すればSSS(トリプル)へ大きく近づく事になるだろう」

「そういえば、SSS(トリプル)になったら何かいいことでもあるんですか? 完全な名誉職なんです?」

「依頼報酬の上乗せ、大きな信頼、法王国のSS(ダブル)ダンジョンへの侵入許可だ」

「……へ? SS(ダブル)ダンジョンってSS(ダブル)じゃ入っちゃいけないんですか!?」

「可能だ」

「じゃあ一体どういう……?」

「パーティならばな」

「ん?」

SS(ダブル)の冒険者でパーティを組めば侵入する事が出来る。パーティ条件はSS(ダブル)以上の冒険者四人からだ」

「それってつまり……?」

「現在のSS(ダブル)剣鬼(けんき)オベイルと魔皇(まこう)ヒルダ、そしてミケラルドだけ。破壊魔(はかいま)パーシバルが行方を(くら)ましている以上、SSS(トリプル)は剣神イヅナのみ」

「現実的に不可能なのでは?」

「お前がSSS(トリプル)になった方が早い。剣神イヅナこそ現役だが、魔皇(まこう)ヒルダは戦線を退きつつあるからな」

「何でそんな事に?」


 俺の疑問に、アーダインは軽い口調で答える。


「勇者レックスがいた時代はSS(ダブル)がもっといたからな。その名残だ」

「時代故、優秀な人材が減ってきたと。でも、侵入するルールは昔のまま」

「そういう事だ」


 なるほど、お役所仕事の闇を見た気がする。

 しかしどうしたものか。俺としては早いところSS(ダブル)のダンジョンに潜りたいのだが? あ、そうだ。


「因みに――」

「――因みに、そのルールを破って単身SS(ダブル)のダンジョンへ侵入した場合、それ相応のペナルティが発生するからな」


 ぎろりというアーダインの視線。

 まるで、これまでもそういった話があったかのように手馴れている。


「剣鬼もそう言った事があるし、私も昔そう言った。お前ならばと思い、予め回答を用意しておいた」

「あ、はい」

「ランクSの冒険者も、ランクSダンジョンへの侵入はパーティのみ許されている状況だ。ルールを守ってくれ、選定人殿?」

「……はーい」


 その後、俺はアーダインと少しの雑談の後、ランクSダンジョンへ向かった。

 こちら側は、SS(ダブル)になった以上、一人での侵入は問題ないとの事だ。しかしその危険度はこれまでとは比較にならない。

 あの剣鬼オベイルがランクSダンジョンへ潜った時、踏破叶わず戻って来たというくらいだ。

 やはりランクSのダンジョンは一筋縄ではいかないらしい。

 自分自身の能力向上、そして選別期間に潜るダンジョンの下見という事で、俺はこれまで以上の準備をしてそこに着いたのだ。


「えーっと、ポーションとマナポーションは大量に闇空間にしまったし、ポーションとマナポーションは大量に闇空間にしまった。それにポーションとマナポーションは大量に闇空間にしまったから問題ない……はず」


 そう、用意するモノなど限られていた。

【探知】の魔法や多くの【特殊能力】、【固有能力】がある俺にとって、これ以上用意するものがなかったのだ。

 流石に聖水事件程の問題は起きないとは思うが、あの時以上に買い込んだし、多分いけるはず。

 ……ここか。

 法王国のランクSダンジョン。そもそもSS(ダブル)にならなければ来られないとは知らなかった。まぁ、剣聖レミリアや魔帝グラムス、それに勇者エメリーを誘えば来られたが、エメリーは国外へ出しちゃまずいしなぁ。

 そんな事を考えながらダンジョン前の入り口を付近でうんうんと頷いている俺の耳に、ちょっとした口論が届く。


「そんな、困ります!」


 子供の声? そう思い声がした方へ向くと、エメリー程の少女と共に、五人の冒険者が困った表情を浮かべていた。


「昨日のお話ではランクSのダンジョンへ連れて行ってくれるお約束だったはずです! それなのに何で今になって駄目なんですかっ!」


 少女は一方的に不満を言い表しているように見えた。

 しかし、その内容には相手からの約束の反故が聞こえたのだ。

 少女の実力は……ん? 高く見積もってもランクAってところだ。

 しかし、正面で少女を拒絶するように手を前に置いた冒険者パーティのリーダー格の男は……ランクSといったところか。


「あ~、回復の助っ人が別に見つかっちゃってさ。悪いんだけど他を当たってくれる?」

「ランクSの冒険者パーティなんて、そう簡単に見つかる訳ないです!」

「しょうがないだろう? こっちも命が懸かった商売だ。ランクAの君より、ランクSの冒険者を連れてった方が生き残る確率が上がる。それは君もよくわかっているはずだ」

「っ!」

「それに、【聖女】なら俺たちなんかと一緒じゃなくても、すぐに仲間は見つかるでしょ?」


 へぇ、あれが噂の……【聖女】だって?。

次回:「その292 聖女と一緒」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓連載中です↓

『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』
【天才×秀才】全ての天才を呑み込む、秀才の歩み。

『善良なる隣人 ~魔王よ、勇者よ、これが獣だ~』
獣の本当の強さを、我々はまだ知らない。

『使い魔は使い魔使い(完結済)』
召喚士の主人公が召喚した使い魔は召喚士だった!? 熱い現代ファンタジーならこれ!

↓第1~2巻が発売中です↓
『がけっぷち冒険者の魔王体験』
冴えない冒険者と、マントの姿となってしまった魔王の、地獄のブートキャンプ。
がけっぷち冒険者が半ば強制的に強くなっていくさまを是非見てください。

↓原作小説第1~14巻(完結)・コミック1~9巻が発売中です↓
『悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ』
神薬【悠久の雫】を飲んで不老となったアズリーとポチのドタバタコメディ!

↓原作小説第1~3巻が発売中です↓
『転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)』
壱弐参の処女作! 書籍化不可能と言われた問題作が、書籍化しちゃったコメディ冒険譚!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ