表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~  作者: 壱弐参
第一部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

134/917

その133 ギルド招致

 意外に疲れが出なかった。

 途中で魔力が枯渇するかと思ったけど、そうならなかったって事は、もしかしたら魔力容量が増えているのだろうか?

 まぁ、それは今度調べてみよう。

 まずはギルド招致の件だ。例の如く冒険者ギルドに来た俺だが、冒険者たちの奇異の視線に囲まれている。ギルド受付員のネムがここで待ってろというのだ。仕方ないだろう。

 こうして視線に囲まれながらも安心していられるのは、闇魔法の【隠蔽】があるからだろう。バルト商会のバルトの忠告により、他者からの【鑑定】を逃れる術を編み出したのは、その当日の事。これを魔導書(グリモワール)に込め、魔族、ナタリー、及び指名手配されているミナジリ領の住人に譲渡した。

 これにより、外部へ情報が漏れる事を限りなく抑えられた事だろう。

 周囲を見渡しながら【鑑定】を自分に発動する。


 ミケラルド:吸血鬼

 ◆魔法◆

 火魔法:フレイム・フレイムボール・フレイムランス・ヒートアップ・ブレス・フレイムウォール

 水魔法:ウォーター・水球・金剛斬・津波・大津波

 土魔法:砲岩・地走る蛇・土塊(つちくれ)操作・土塊(つちくれ)強化

 雷魔法:サンダー・疾風迅雷・雷の領域(スパークホール)・リチャージ

 風魔法:エアスライス・浮遊滑空・ヘルメスの靴・突風・エアウォール・呼び戻しの風・探知

 闇魔法:ダークヒール・暗衣(あんい)・催眠スモッグ・闇空間・瘴気毒・隠蔽

 光魔法:天使の囁き(エンジェリックヒール)・アシスト・ヒール・パワーアップ・スピードアップ・トーチ・解析(アナライズ)

 ◆複合魔法◆

 クリーンウォッシュ【水風】・転移(テレポート)【光闇】

 ◆技◆

 竜剣・付与(エンチャント)修理(リペア)・壁走り・鍛冶(ブラックスミス)錬金術(アルケミー)

 ◆特殊能力◆

 血鎖の転換(ブラッドコントロール)・解放・呪縛・超能力・身体能力強化・バイトクラッシュ・硬化・身体能力超強化・破魔の一矢・強撃・三連撃・罠感知・鑑定・水龍眼・狙撃(スナイプ)魔力(まりき)還元・吸魔・隠形・看破・超感覚・弱点察知・感染

 ◆固有能力◆

 超聴覚・嗅魔・超回復・威光・闘志・龍の血・嗅覚・威嚇・健脚・石頭・恐怖耐性・危険察知・毒耐性・刺突耐性・炎耐性・麻痺耐性・地形無視移動・木々同化・交渉・擬態・突進力・遠吠え威嚇・斬撃耐性・威嚇耐性・粘糸・鋼糸・外装強化・攻撃魔法耐性・縦横駆け・糸耐性・猛毒耐性・切断耐性・粉塵耐性・フェロモン・打撃耐性・視野拡張・透過


 リーガルのダンジョン以降、色々な魔法や技、特殊、固有能力が増えた。

 近々で増えたのはダークマーダラーの【サイトゥ】の土魔法――【土塊(つちくれ)強化】。これは土塊(つちくれ)操作で形成したものを強化するという画期的な魔法だった。

 これがなければ、我がミナジリ領の囲いも強度に不安を覚えただろう。

 次に闇魔法の【瘴気毒】。これは妖魔族不死種の【ヒミコ】から得たものだ。【催眠スモッグ】の毒バージョンと考えればわかりやすいだろう。といっても、使う機会があるのはか不明だ。そして、同じくヒミコから得た不死種の特殊能力――【感染】も中々に恐ろしい能力だ。何たって、生きている者をゾンビのようにするという能力なのだから。この世界でのゾンビ映画の最先端を走りたくない俺は、この能力を封印したいと考えている。

 ヒミコから頂いた能力で一番有用なのは、妖魔族の固有能力【透過】だろう。言わずもがなこれは建物と通り抜けられる能力である。今後使う場面も増えてくるだろう。

 そんな能力を提供してくれたサイトゥ君とヒミコちゃん。サイトゥ君こそミナジリ領の力仕事に従事してくれているが、ヒミコちゃんは違う。何故なら既に魔界に向かって旅立っているだろうから。

 そう、彼女は魔族四天王の【リッチ】に対し、任務成功(、、)の報告をしに戻っているのだ。俺からの【密命】は勿論の事、彼女はリッチにこう報告する事になっている。


【混戦になり闇空間の魔法は消えてしまいましたが、作戦は成功。無事シェルフを支配下に置きました。是非視察にいらしてください】と。


 何の疑いもなしに人界にやってくるのであれば、それはそれで良し。

 動かずとも別の命令がある。こちらが動ける状態にしておけばいいだけの事。

 貴族としての立場、魔族としての立場、半端者としての立場……色々大変である。


「ミケラルド様……お、お待たせ致しました! ゲミッド様が奥でお待ちです!」


 ネムの言葉に頷き、俺はすっと立ち上がった。

 案内している時のネムが、ちらちら振り返りながらこちらを見てきたので、満面のミックスマイルを送ってやった。真っ赤になるネムがもう…………たまりません!


 ◇◆◇ ◆◇◆


 そんなネムを脇に、目の前に筋骨隆々の白髪爺さんが現れた。

 何だこの怪物は? ランクS相当のモンスターだろうか?

 そういえばシェンドの北門にこの爺さんもいたな。というかギルドマスターだったのか。

 シェンドのミケラルド商店にやって来たのはディックだったから、てっきりリーガル全部の支部のギルドマスターをディックがやってるのかと思ってたが、そうではなかったという事か。


「ゲミッドです。普段はマッキリーにいましてな。用事がある時にしかシェンドにはいないのです」


 なるほど、この人がゲミッド。

 しかし、うーん……これが貴族の効果というやつか。

 この爺さんのこの口調、違和感しかない。


「ミケラルドです。ゲミッドさん、私は貴族である前に冒険者。そしてここは我々しかいない場です。どうか楽に話してください」


 するとゲミッドは目を見開いた。


「む、そうかのう。いや、かたじけない。相手が貴族ともなるとこちらも身構えてしまうのだ。許せ」


 うんうん。慣れない事はするもんじゃない。身体に毒だ。

 その巨体であぁも謙られると違和感しか仕事をしないぞ?

 しかし俺はその後、少しだけ後悔した。

 手を組み、ギルドマスターが堂に入ったゲミッドの何と迫力のある事か。


「では、詳しい話を聞こう」


 わぁ怖い。


「以前ディックさんにお聞きしたのですが、貴族の領地内でも冒険者ギルドを招致出来るという話は本当でしょうか」


 凄みのある視線がおっかないです。


「……先程ディックと直接話した」


 なるほど、だから俺は小一時間も待たされたのか。


「ディックも、過去そういった話をしたと言っていた。しかし、その弊害についても話したとも言っていたぞ?」

「えぇ勿論。確か、領主と折り合いが付くことが余りなく、ギルドの設置の全てがメリットでない事も聞いています」

「それでも……という事か。ネム」

「はい」


 ここでネムに代わるか。


「まず、ギルドの維持費用です。これらは依頼者がギルドに依頼した際の手数料で(まかな)うものです。しかし、シェンド(ここ)からミケラルドさんの領地――あ、えっと……ミナジリ領までは、そこまで遠い場所ではありません。この事から、ミナジリ領に冒険者ギルドを設置した場合、シェンドの町と依頼の競合が起こってしまいます。当然それを分ける事は可能です。冒険者ギルドにはそういったノウハウもありますから。しかし別途問題があります」

「依頼自体が少なくなる。そういう事ですよね?」

「えぇ。そして、手数料だけで賄えない維持費は……その、申し上げ難いのですが――」

「――その領主が支払わなければならない」


 補足という名の俺の解答に、ネムは気まずそうに頷く。


「具体的にはどのくらいの費用が必要になるんです?」


 俺の質問に、ネムはゲミッドを見る。

 これはおそらく口外していいのかという確認だろう。


「構わん。話を進める上で必要な事だ」

「ミナジリ領の規模がどれくらいになるのかはわかりませんが、シェンドの町を参考にお話します。シェンドの冒険者ギルドの維持費は月リーガル白金貨二百枚です」


 およそ二億円。

 この小規模な町でそれだけの維持費を必要としているのには、やはり訳があるのだろうな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓連載中です↓

『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』
【天才×秀才】全ての天才を呑み込む、秀才の歩み。

『善良なる隣人 ~魔王よ、勇者よ、これが獣だ~』
獣の本当の強さを、我々はまだ知らない。

『使い魔は使い魔使い(完結済)』
召喚士の主人公が召喚した使い魔は召喚士だった!? 熱い現代ファンタジーならこれ!

↓第1~2巻が発売中です↓
『がけっぷち冒険者の魔王体験』
冴えない冒険者と、マントの姿となってしまった魔王の、地獄のブートキャンプ。
がけっぷち冒険者が半ば強制的に強くなっていくさまを是非見てください。

↓原作小説第1~14巻(完結)・コミック1~9巻が発売中です↓
『悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ』
神薬【悠久の雫】を飲んで不老となったアズリーとポチのドタバタコメディ!

↓原作小説第1~3巻が発売中です↓
『転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)』
壱弐参の処女作! 書籍化不可能と言われた問題作が、書籍化しちゃったコメディ冒険譚!
― 新着の感想 ―
[気になる点] 闇魔法の隠蔽が鑑定結果に書かれていない。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ