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夜空を見上げれば  作者: ももんが
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プロローグ

初めまして、「ももんが」といいます。


「小説を読もう!」では初めての投稿です。また、私は四年前からアメリカに住んでいるので、実は日本語で小説を書くのは久しぶりです。何はともあれ、楽しんでいただければと思っています。


プロローグを読んでみるとかなり短いのですが、第一章からはもっと長くなります。


Wattpadというサイトでも投稿しているので、よかったら探してみてください!

 プロローグ 


 教室は、いつも以上に騒がしい。久しぶりの席替えが行われるから。でも、私は正直あまり楽しみにしていない。今の席が、好きだから。教室の隅の、遠隔した席。クラスで孤立した、私という存在にはぴったり...なんて。


 ガラガラ、とドアが開く音がして、先生が教室に足を踏み入れる。すると同時に、鐘が鳴る。生徒は面倒くさそうに、席に着く。


 生徒が二人、教卓の前に出る。


「起立。」 日直の一人が呼びかけると、椅子が床を引きずる音が響く。生徒が全員立ったと思ったら、ドアが開く。皆、驚いて振り返ると、ある男子がドアの前にいた。


 ブロンドに近い、薄茶色の髪はジェルで綺麗にセットされていた。その割には、制服のワイシャツが、第二ボタンまで開いていたし、ベルトが完全に留められていなかったため、ズボンがずり落ちそうな状態だった。


 星野紫月。


 私と同じ、クラスで孤立した存在。一匹狼で、乱暴者。当然友達はいないし、近づこうと思う人すらいない。私も、必要以上は関わろうとは思っていない。


 彼が席に着くと、日直は気を取り戻し、朝のあいさつを続けた。「礼。」


「おはようございます。」 と、呟く。


「着席。」 という声と共に、椅子に腰掛けた。


「今から席替えをする。一列に並んで、くじを引いてくれ。」 先生が退屈そうに、クラスに告げる。


 クラスがまた騒々しくなる。他の生徒のをできるだけ避けながら、だらだらと列の後ろに並ぶ。楽しみではなかったが、正直なところ、緊張していた。心臓の位置がはっきり分かるほど。


 ついに私の番だった。ドキドキしながら箱に手を入れ、よく混ぜる。そして、、一枚の紙をつかんだ。広げてみると、「7」と書いてあった。七といえばラッキーセブン。良い席だといいが。


 黒板を見ると、七番の隣は九番。誰なんだろうと考えると、胸が高鳴る。机から教科書やノートを引っ張り出し、新しい席へと向かった。


 待っていた机は、誰も使っていなかったかのように空っぽだった。自分の持ち物を綺麗にしまうと、椅子を普段より静かに引いて、席に着く。教室の一番後ろ、しかも窓の隣という、かなり豪華な席だった。澄んだ青い空がすぐそこにある。私は一瞬で、この席が気に入った。


 ガタっと音を立てて、誰かが隣の椅子に座る。振り向くと、思わず、声を出してしまった。


「え?」


「いや、おれ九番だから。」


 そう答えたのは、紫月だった。

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