林一三と
「え…」
俺が告白をした相手は、林だった。
自然に彼女のほうに向かっていた。
それがあまりにも自然だったから、不自然に思うほどだ。
「そう」
山宮が短くいってから、林の手を握って、言った。
「幸せにね」
「え、うん。ありがとうね」
それだけだった。
山宮は、それから何も見たいくないといって、外へと出た。
「でも、私でいいんですか」
「もちろんさ」
それから、俺は、林を抱きしめた。
翌日からは、誰が見ても、すぐに付き合っているというのがわかるような感じで、俺たちは一緒だった。
山宮は、部活に来るたびに、俺のほうを見てきている。
あきらめているというわけじゃなさそうだ。
友人に昼飯の時に聞いてみたら、山宮に告白したら、あっさりと振られたらしい。
「それほどお前一筋だったんだろうな。ま、いいさ。それがお前の選択なら、おれは何も言わないさ」
「そりゃどうも」
それを聞いて、林でよかったのだろうかという気持ちが湧き上がってきた。
「せーんぱいっ」
その考えも、林の一言で見事に吹き飛ばされる。
「おう、教室まで来たのか」
「簡単にわかりましたしね。それで、一緒に食べてもいいですか?」
周りからの視線が、痛く感じるが、それは幸せの代償だろう。
だから、甘んじて受けることにした。