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山宮里子と
俺が選んだのは、山宮だ。
「…あたしでいいんですか」
「ああ、もちろんさ」
山宮に言った途端、林は、残念そうな表情になった。
それから黙って部室から出て行った。
友人が、林を追いかけて、外へと出て行ったから、今部室にいるのは、俺と山宮だけだ
「でも、なんであたしなんですか」
「なんでって言われたら困るなぁ…」
明確な答えがあったわけではない。
ただ、山宮のほうが、林よりも好きだった、それだけのことなのだろう。
ともかく、俺は山宮と付き合うことになった。
それからというもの、吹っ切れたかのように俺は山宮と一緒にいる。
部室には、林も来ていたが、帰るときには友人と一緒に帰るようになっていた。
俺が山宮に付き合おうといったあの日、あの後に友人は、前々から言っていた通りに林にアタックを仕掛けたらしい。
以来、彼らは付き合うようになったということだ。
今日も俺は山宮と一緒にいる。
きっとこれからも。